本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048735551
作品紹介・あらすじ
朝廷と幕府がせめぎあう、きな臭い鎌倉時代-。棄民が溢れ、戦火の予感が色濃い京の都に、異形の邪教集団・真如宗が突如現れた。五感でとらえ得る現世をすべて幻とみなし、他人はもとより自らの命すら塵のように捨て去るその集団の頭目は、釈迦の末裔・五十二代仏祖を名乗る、翳覚。父母を眼前で殺され、自らも師匠を殺め、死を究めた末に、仏の名の下に傍若無人に命をほふり続ける彼は、稀代の悪か、真の宗教者か-?この仏教の危機に、修行を重ね今は静かな瞑想の日々を送る明恵上人が敢然と立ち向かう。究極の生と死が背中合わせになった時代を舞台に、二人の宗教者の戦いを通じて生死の意味を問う、苛烈極まる問題作。
感想・レビュー・書評
-
表紙の絵といい、序盤の展開といい、こりゃやべーアナーキーなやつだ、と思っていると終盤の展開にはビビらされる。無宗教と言われる今の日本でも、やっぱ仏教は歴史があるわけで、でも火の鳥に描かれる仏教とか、教えだけが先走り、ブッダそのものについてはイマイチ理解がないというか。近代法治国家においては法が理性を司るとか、そういう話か。とかなんとか、仏教だけじゃなく、世の中のいろんなルールとか、そういうのに対しても考えさせられるわー。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最近読んだ本。鎌倉の世に現れた仏教のカルト宗派に対して、ほかの宗派がどう対峙して、克服していくのかを描いている。そのカルトの解釈はなぜ誤っているのか。仏の教えの危うさを話の軸に据えている。宗教カルトとうまく接することが出来ない今の日本においてこそ読んでおきたい。
全2件中 1 - 2件を表示