ほどけるとける

著者 :
  • KADOKAWA
3.35
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本棚登録 : 282
感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048736961

感想・レビュー・書評

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  • 他の方のレビューで知ったのだけれど、
    『戦友の恋』
    という本も読んだら良さそうだ。
    登場人物の漫画家佐紀さんが主人公らしい。


    少しちぐはぐな感じがしたけれど、
    読み終え、改めて表紙の題字を見ると、
    「嗚呼、そうだよなー。ほどけてとけたなぁ。よかったなぁ。」
    と心から思う。

    読書の良い瞬間のひとつ。

  • 「戦友の恋」に出てくる銭湯とこのヤンキー崩れ的な女の子、美和ちゃんが主人公の小説。「戦友の恋」と時系列的には並行して進んでおり、先に向こうを読んでいれば「あぁ、このシーンこうやってんなぁ」とか別視点で見る事のできる面白さも味わえる。

    が、この本の真骨頂はなんとなくふわふわと、でも少々の焦燥感をもって生きる若い娘が、それでも一生懸命考えて感じて生きて…ついには路を見つける描写が読めること。

    自分探しの旅なんて、探しに行ってもあるかどうかは分からない。一生懸命生きていること、そのものが自分を形成していくのだなぁ…と、挑むも逃げるも良くも悪くも全て自分を形成していくんだなぁと思う。

  • 銭湯の娘が高校中退して、やりたいことを探す日常。マッサージに繋げるのは前置きがなさすぎて少し強引な気がしたけれど・・。主人公の顔色が進むにつれてどんどん良くなるのは、読んでいて感じました。ステキ。

  • 高校を中退した主人公が、祖父の経営する銭湯でアルバイトをしながら、将来に向かって歩みを進め出す話。
    やりたいことが見つからず、何となく毎日を過ごす。しかしこれではいけないとも思う。
    そんな主人公のもやもやともつれた心を、周囲の人々が解いていく。

    気になる人は立体に浮き出て見える。と表現されているのが好き。
    弟が「知恵と勇気」があればいい。と励ますのも好き。
    何となく、根拠はないが、読んだ後は優しい気持ちになれる。

  • 2016.10.16
    高校中退したぼんやりした女の子
    なんとなく、希望を見出す。
    さらりと書かれていて、ふう、という読後感

  • 高校を中退した女の子がおじいちゃんの銭湯で働きながらなんとなくやりたいことを見つける話。嫌いではない。

  • こんな日常が送れたらいいな。ふわふわと。季節が変わったーと思いながら。

  • 戦友の恋と裏表にある作品。

    やっと入手できて、やっと読むことができました。

    すべてむなしくなって、高校を中退してしまった美和。
    祖父の経営する大和湯でただなんとなくバイトして時間を過ごしている。

    ただ、漠然としている様子から、常連の左紀さんや恋をして、少しずつ前を向き、自分の進む道を歩こうとしていく姿は、読んでいて心地が良くて、大島さんらしい作品。優しい空気が漂っていて、この物語、大好きです。

    戦友の恋で主役の左紀さんとの距離感が近づいていく様子が一番好きでした。怪しい女の人って思ってたのかとか、戦友の恋が早紀さん目線だったのに対して、この作品は美和の目線で進んでいく。

  • 高校中退して実家の銭湯でバイトしている女の子のはなし。
    自分探し。

    人生にはモラトリアムは必要だ。

  • 「大和湯」の1人娘美和ちゃんのお話し。
    高校を辞めて、何にも変わってない自分に焦りだす彼女が、おじいちゃんの経営するお風呂屋さんを手伝い始めて、見つけたもの。
    周りのキャラクターが良い。フジリネンのおじさん、常連客で作家の佐紀さん、彼女担当の編集者君津さん、ベテランのタエさん、弟の智也、元彼の淀川君、憧れのお客さん…。
    日々の生活の中で、「知恵と勇気」が時々混ざって、自分も「大和湯」に浸かった心地良さを感じた。

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著者プロフィール

1962年名古屋市生まれ。92年「春の手品師」で文学界新人賞を受賞し同年『宙の家』で単行本デビュー。『三人姉妹』は2009年上半期本の雑誌ベスト2、2011年10月より『ビターシュガー』がNHKにて連続ドラマ化、2012年『ピエタ』で本屋大賞第3位。主な著作に『水の繭』『チョコリエッタ』『やがて目覚めない朝が来る』『戦友の恋』『空に牡丹』『ツタよ、ツタ』など。2019年『妹背山婦女庭 魂結び』で直木賞を受賞。

「2021年 『モモコとうさぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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