- Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048738095
感想・レビュー・書評
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✩3つ
この本は良い。何が良いかって、薄く短いところが良い。
こうゆう本だと読書意欲というものが大いに湧いてくるのだ。
分厚い本はいかんよ、読むハナっから疲れる。それでもむちゃ面白いと分厚くても苦にならないけど、いつか面白くなるのだろうと読んだ大御所作家の分厚本が面白くならないまま終わったりすると、その大(中略)家のことは嫌いになるwww
すまんこってす。すごすご[m:237][m:80]。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校の時、冬、マシュマロマン並みのダウンジャケットからも脇臭ただようお友達がいたのを思い出した。
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再読了:2022年12月16日
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人があまり認めたくない自らの醜い負の感情を、ことさら細かく描いており、そうしたところに惹きつけられる。
ふられた彼女との性行為時に不快だった事、銭湯で腋臭男性が不快だった事などの描写が気持ち悪さを覚えるほど生々しい。 -
西村賢太さん初めて読みましたが…なんとなく抱いていた荒くれ者のイメージが一転。主人公“貫多”の素行は確かに悪いんだけど、その実、小心で感受性が強くて、ちょっと可愛い(笑)それに文章が丁寧というか、古風で礼儀正しい感じがしました。「潰走」では思わず唸ってしまいました。世間的には善人で優れた人物と認められている人の、親切で常識的に見える行動と、その裏の恐るべき陰湿な一面…。あるある…と思ってしまいました。
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いわゆる北町貫多が同居人を面罵するシリーズではない。十代、二十代の話だと読み進めてたが、その中の『腋臭風呂』は十代のエピソードだと思って読み進めていたら、四十代になった氏の話に辿り着く。この本が上梓されたのが2007年、氏が芥川賞候補になるも受賞には至らなかった時期だ。慊りない気分で鬱々としていたのではないだろうか。
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「苦役列車」の流れで前の作品も読んでみたくなってこの1冊。
貫多のダメダメ感に「また来たよこのパターン…」と思いながらも、やっぱり描写のリアルさはすごいよなーと思う1作。この格差社会の1面をある意味で映し出しているんじゃないかなーと。綺麗な小説じゃないけれども人間臭いそんな1冊だと思う。 -
いやぁ面白い。酷い醜い浅ましい…どうとでも言えるほど下の下な主人公ではあるが、どうも憎めなくさせているのは作者の文章の力であろう。もっと読んで見たい気にさせる文章であり、傑出した才能であると思う。
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救いようの無いダメ人間だと思う。読んでいて物凄くイライラする。でも、そんなどうしようもない人間に哀愁を感じてしまうから情けない。哀愁は嫌いじゃない。おかげで西村賢太作品4冊目をこれで読み終えましたわ。
特に「春は青いバスに乗って」が良かったですわ。