テンペスト 下 花風の巻

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
3.83
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  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048738699

感想・レビュー・書評

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  • もうこれ以上はネタもないだろうなと思っていたのに!
    …下巻も色んなことが目白押し。
    文章のくせ?は正直好みではないけど、「エンターテイメント」なお話だなと思った。
    にしても。
    にしてもだ。
    …よくもまあ…。

  • 主人公が女性でありながら性別を偽って琉球王国の王政に携わり、様々な出来事に翻弄されながら生きていく大作。
    不幸なことも山ほど起こるため、「お願いだからハッピーエンドで終わってくれ」と思い続けながら読んでいたが、
    最終的には想い人と結ばれて本当に安心した。

    世界観の作り込みはかなり重厚だと感じたが、時々受け狙いのような文章があったり、質の悪い官能小説を読んでいるかのような台詞が出てきたり、ギャップを感じたのが若干のマイナス。
    それでも、十分面白かったと思う。

  • 初読。図書館。なんとか読み切りました。結構ツラカッタナ。下巻で感想が変わるかと思ったけど、上巻と変わらなかった。琉球王国の歴史をざっくりと知るにはいいかな。今の沖縄をめぐる状況とあわせてみると感慨深いのは確かです。ドラマは見てないけど、CMでちらりとみた仲間由紀恵さんの映像がちらついて、正直邪魔だった。

  • 王宮に一度入ったものはどんなに辛くても魅入られて戻りたくなる。──そんなものなのだろうか。

    辛かった上巻を乗り越えてどうにか下巻へ行ったら一気呵成。だがこれも上巻の苦労あってこそなのだと思うと、真っ向から勧めるのは難しいがやっぱりおもしろい。壮大。それに尽きる。真美那、トゥイ小、陳、津古波……メインよりそういった裏裏に居る彼らの生き様がおもしろい。と云ったら失礼だろうか。

    正直、寧温は欲のとどまるところを知らない。自分ならできる、という自負がどんどん大きくなっている。ここならやめられる、真鶴に戻れるというところが何度もあったのに、まだ寧温で居ることを選んだがために凄まじい悲劇に続いてしまった。そしていざというときになぜか、寧温は出て来ない。危険だとひたすら勧告して琉球を守りたいと云っていたにも関わらず、あっさり日本の一部になってしまったのが拍子抜けである。
    それが寧温の生き方なのだと思う。真鶴と寧温は身体を一つにして別々の人格になってしまっているのだと理解はできる。だがどうしても、真っ直ぐ寧温を応援しようと云う気持ちにはなれなかった。むしろ友人が筆頭である頭脳集団を信じてあげることも、大事だったのではないだろうか。

    下巻で描かれるのはだいたいが御内原の様子だ。異国の驚異が迫る下巻は、上巻ではうんざりした、女の園のやり取りすらかわいらしく楽しく思えてしまうのだから不思議である。真鶴を御内原に止め置いた真美那という王妃は、とてもすっきりとした良いお嬢様キャラを演じている。真鶴を止めおいたことで余計に寧温は追い込まれたのだが、結果としては良い作用をしている。真美那のように見守ることができる女性はそうそう居ないだろう。

    壮大で様々な生き方が楽しめるが、主人公の生き方は少々、賛同することができなかったのが残念。私だけだろうか。

  • 舞台は開国直前の日本、の隣の小国、琉球王国。
    薩摩藩と清の間でうまくバランスを取りながら独立した王国として存在する琉球。

    破天荒でドラマチックなストーリーではあるが、ある程度の史実には沿っているので、才色兼備完全無欠のヒーロー(ヒロイン)である寧温(真鶴)をもってしても、琉球王国を存続させることは出来なかった。

    ストーリーは本当に面白かった。
    圧倒的に迫力のある物語の流れにただ身を任せて漂っているだけで、王族の生活から最下層民の暮らしまで、あっという間に行ったり来たり。
    こんな経験、そうそうできることではない。

    けれど、人物が薄っぺらいのね。
    登場人物というよりもキャラクター。
    深みがない、厚みがない。

    そして文体が物語にそぐわない。
    王宮や御内原(日本でいうところの大奥のようなもの)での出来事が多くを占めているのに、ことごとく品位がない。
    その辺のこーこーせーやギャルみたいなの。

    主人公は女と生まれたけれども、学問をしたい、自分の力で世の中に出たいというので、女としての自分(真鶴)を捨てて、男=宦官の寧温になるのだけど、完璧すぎて逆にキャラクターとしても面白くないのね。
    女でいるときは男でありたいと願い、男になったときは女の自分を押さえられない、ない物ねだりの困ったチャンのはずなんだけど、周りの人たちが彼女の美しさや彼の聡明さにメロメロで、欠点などないことになってしまう。

    宿敵の、元聞得大君(国家宗教の頂点)の真牛は逆に、王家に生まれ王族として育った自分をしか認めないから、その後の転落人生でも、絶対に聞得大君に戻ろうとあがく。
    落とされても落とされても這い上がろうとして、より低いところまで落とされてしまう。
    琉球のスカーレット・オハラといってもいいかもしれない。
    どう考えても真牛の方が魅力的。
    というより、真牛しか魅力的な人物いないもの。

    それでも、長い本を読みなれていない、けれどすっごくおもしろい本を読みたいという人には「読んでみ」と言える。
    本屋大賞ノミネートは伊達ではない。

    これよりももっと重厚な本を読みたい人は、同じく歴史ものの宦官つながりで浅田次郎の「蒼穹の昴」や「中原の虹」をお勧めします。

  • 面白すぎてドラマ化されたものを見ている。仲間由紀恵凄いわー。
    狂気に満ちた女の世界が怖かった。
    聞得大君は嫌な奴だったけどぶれないところが潔くてかっこいいと思った

  • 主人公の官僚姿での活躍ぶりが見れなくなったので、少し寂しかった。
    お嬢様爆弾の連発には笑ってしまった。ほんとのセレブってこういうとこあるのかな。
    主人公ジュニアには自由に生きられなかった母の分までのびのびと強く生きてほしいと思った。

    あと悪役がしぶとすぎるぞ(笑)

  • 【ストーリー★★/キャラ★☆/心理★☆/情景描写★☆/没入度★☆】幕末、琉球王朝末期を舞台としたエンターテイメント小説。読後感良。 主人公の恋の行方にハラハラしていました。あと、一番涙した場面は、最後の王の即位式?のとこ。数少ない感動ポイントでした。 琉球の歴史にも触れることができたし、満足できる作品でした。

  • あまりに壮大過ぎて若干ついていけない面も.
    そして長い.読了するのにどれだけかかったか.
    地名と人名も難しい.
    しかし,全体としては非常にドキドキ感もあり面白かった.
    このあたりの歴史をもう一度学び直す気になった.

  • 実際の沖縄の維新は、どうだったのか、気になった。もちろん、王朝の在り方も。政治体制も。沖縄に、行きたい。

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著者プロフィール

池上永一
一九七〇年沖縄県那覇市生まれ、のち石垣島へ。九四年、早稲田大学在学中に『バガージマヌパナス』で第六回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。九七年刊の『風車祭』が直木賞候補に。二〇〇八年刊の『テンペスト』はベストセラーとなり、一一年の舞台化をはじめ、連続テレビドラマ、映画にもなった。一七年『ヒストリア』で第八回山田風太郎賞を受賞。他の著書に『シャングリ・ラ』『レキオス』『ぼくのキャノン』『統ばる島』『トロイメライ』『黙示録』などがある。

「2023年 『海神の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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