- Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048738705
作品紹介・あらすじ
占領下の新宿。特攻くずれの城山龍治は彼を慕う血気にはやる若者に担がれ、城山組をたちあげる。新宿へと流れ着いた生娘・岡崎百合子は伝統ある博徒・館岡組に身を寄せ、その恩義から親分の澤村との結婚を決意。それは館岡組と城山組が一触即発の状況に陥ったために、一目惚れをした城山への想いを断ち切るためでもあった。そのさなか、日夜強姦を繰り返す米兵の魔の手が百合子に。そこに現れたのは、美貌の朝鮮人・林敬元だった。城山、百合子、そして林。運命の歯車はさらに加速していく-。ストーリーテラー花村萬月が紡ぐ波瀾万丈の物語。
感想・レビュー・書評
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あっという間の400ページ
林敬だけ生き残るルートと予想詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
性と生と死と・・・おもに性の話のように感じた。
あまりに露骨なので、ちょっと惹きました。
やっぱり私好みではないかも。。。
でも惹き込まれる。 -
孤独な三つの魂がそれぞれに、自分の場所を探してゆく。戦後の焼け野原。リセットされた昭和現代史。
運命を拓いて行くのは、それまでの彼らの過去の宿命である。
博徒一家という形で擬似家族が形成されてゆくのだが、それを形作るのは幼少期に在って、今は失われた家族。それぞれの魂の遍歴が、凄惨な葛藤を作り出す。
歴史の奔流に加えて、日本人とは何か、任侠とは何かを考えた時に、凄絶な美意識が立ち昇ってくる。
餓えし者たちの魂の声が音もなく聴こえてくる。
(※総括感想は下巻レビューにて) -
中が1番おもしろいかな
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角川書店のPR誌連載時に抜けた巻があったので確認のために借り、読み直した。