退出ゲーム

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048738989

感想・レビュー・書評

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  • 高校の吹奏楽部で再会し、妙な三角関係に突入した
    幼なじみのハルとチカが遭遇する、さまざまな事件。

    事件が解決をみる度に、オーボエ、サックス、トロンボーンと
    弱小吹奏楽部に部員が増えていくのが楽しい。

    化学部から消えた硫酸銅の結晶の行方、
    学校で突如ブームを巻き起こしたルービックキューブに始まる
    6面すべて真っ白なルービックキューブの謎、と
    いかにも高校生らしい謎解きを繰り広げる前半と、
    戸籍のない子ども「ヘイハイズ」問題や
    ベトナム戦争での枯れ葉剤やPTSD問題へと
    テーマが急速に深刻化する後半とのギャップを
    すんなりと受け入れられるかどうかで、評価が分かれる作品かも。
    私としては、いかにも高校生らしい結末の「結晶泥棒」が好きですが。。。

    博識で頭脳明晰なのにどこか抜けているハル、
    ハルの背中に炸裂するキックも頼もしい熱血少女チカ、
    指揮者としての名声を捨てて赴任してきた謎多き草壁先生、
    尊大で目立ちたがり屋だけど意外と友達思いの名越、
    発明部を私物化する奇想天外なメカオタク萩本兄弟、などなど
    一筋縄ではいかない登場人物たちが
    第二作でも生き生きと活躍し、

    未だ情けない音しか出てこないチカのフルートが
    特訓の甲斐あって、少しでも上達することを願って!

    • まろんさん
      うんうん、あの軽妙なやりとりのおかげで、重くなりがちな謎解きが救われてる感じがする!

      ラーメン屋のマヤ、退出ゲームで本家顔負けの迫真の演技...
      うんうん、あの軽妙なやりとりのおかげで、重くなりがちな謎解きが救われてる感じがする!

      ラーメン屋のマヤ、退出ゲームで本家顔負けの迫真の演技してたね!
      でも、頬ずりしてたワンちゃんは。。。(笑)
      2012/06/10
  • 四編からなる連作短編集。
    まったくタイトルからは内容の想像がつきませんでした。
    米澤穂信の「古典部シリーズ」のような、高校を舞台に生徒や先生が日常に潜む小さな謎を解いていくお話です。

    千夏とハルタは高校一年生。

    元気いっぱいのハリキリガール、千夏。
    小柄な美少年、上条春太(ハルタ)。

    この二人をメインに話は進みます。

    二人はいずれ恋に落ちちゃうの?
    いえいえ、だって二人は恋のライバルなんです。しかも相手は・・・ね(笑)!

    そんな千夏とハルタの恋のライバル争いにぶふふっと笑いながらも、謎が解ける度に胸が熱くなりした。
    特に「エレファンツ・ブレス」は格別でした。「象の寝息」という色の名前だけが残り色見本が存在しない謎の色。その色に込められた長きに渡る悲しく辛い記憶・・・。大切な人を救うためには人は強くなれるんだな、と思いました。

    一方、「退出ゲーム」では最高に笑いました。ガチャピン最高です。

    読み進めば進むほど彼らと一緒にいたくなる一冊でした。
    続編楽しみです。

    お気に入り度:★★★★☆   (2009年3月30日読了)

  • 確かに青春ミステリ

  • 思ったよりサクサク読めて面白かった。エレファンツ・ブレスが1番印象に残りました。最後の章だったからということもあるかもしれませんが、他のより重みがあった気がします。登場人物はハルタとチカちゃんも好きだったけれど、個人的にはマレンが気に入りました。

  • 事柄はそれぞれ胸が痛くなるようなことだったり、切実で重いのですが、その謎解きの過程はコミカルな場面も多くて、私はこの重さと軽さのバランスが好きでした。結構笑って読んでました。この学校、変人が多いですが、いやハルタとチカの周りに変人が集まるのか…楽しそうな学校生活(笑)青春だな★

  • 再読
    ハルチカシリーズ、スタート
    幼なじみで三角関係になるってだけでもキュンキュンするのに
    同じ部活で、恋の相手が顧問の先生…
    青春だわ~

    学校生活での謎解きもおもしろく
    はまりました

    (希:ペン画部、生物部、小泉:マジック同好会、名越:演劇部部長、日野原:生徒会長、萩本兄弟:発明部)
    (成島美代子:オーボエ、セイ・マレン:サックス、後藤朱里:バストロンボーン(桜ヶ丘中学生) )

  • 重いネタの青春もの苦手なのですが、登場人物達が良くて、それを凌駕する程で、良かったです!名越とか発明部とか、学校が手を焼く変わり者キャラは魅力的。何といっても先生に恋するハルタが可愛い!

  • 弱小吹奏楽部の幼馴染みコンビ、ハルタとチカが高校で巻き起こる事件を次々と紐解いていく!
    どこか切ない事件を、夏の爽やかな風のように解決する2人。あっという間にこの世界に引き込まれてしまった。
    この巻では、表題作の「退出ゲーム」がお気に入り。舞台での掛け合いが面白くて、でもどうやって彼を導くんだろう?と思いながら読むのが楽しかった。
    本を閉じたとき、すっかり自分も吹奏楽部の一員になってしまったようだった。この部がどう成長していくのか気になって、続きが読みたくて仕方ない!
    ちなみに、ハルタは千葉雄大、チカは川口春奈?なんて考えて一人ほくそ笑んでいる私であった。

  • さらっと読みやすくコミカルだけど本格な要素もある青春ミステリ。

    登場人物がちょっと装飾過多というかライトノベル的な感じがしたけどひとつひとつの話がきっちりしていてちょっとした休憩がてらに読むのにぴったりだった。

著者プロフィール

1973年静岡県生まれ。法政大学卒業。2002年『水の時計』で第22回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。著書に『1/2の騎士』『退出ゲーム』がある。

「2017年 『ハルチカ 初恋ソムリエ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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