- Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048740142
感想・レビュー・書評
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三崎さんらしい世界観。この人の現実ではありえないような設定の世界観は大好きです。
「掃除」が競技になるなんて…
ただ、青春ものとしてはどうなんだろう。続編もありそうですけどね。青春ものとしての展開はイマイチのれませんでした。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
敷舞台といわれるフィールドの中で、長物を用い、
塵芥を回収し競う<掃除>は国家管理局の監視下に置かれ
高校生にしか許されていないスポーツだ。
小さな頃祖父から掃除を教えてもらった樹は
親に隠れて練習を続け今では自治区大会で優勝するほどの腕前だ。
しかし州大会で政府直轄校の生徒たちの掃除を見せつけられ
自分の掃除を見失いスランプに陥る。
そんな樹を奮い立たせたのは
掃除を知らないと軽んじられていた寺西顧問だった。
合宿中に彼から特別訓練を受けた樹は自分の掃除の未熟さを知り、
自分にしかできない掃除を試行錯誤していく。
さらに顧問は新入生の偲を突然試合に出場させた。
居留地の出身である彼女は正確さには長けているが
舞いとしての魅せる要素が欠けていた。
長物を持つことを禁じられている間に他の部活の動きを取り入れた樹は
伝説のPURE・TRADE「緑香双樹」のゾーンで、
異邦郭にある練習場で、偲と足りないところを教え合いながら特訓に励む。
冬の州大会で2人はその成果を発揮して
直轄校に転校した親友の大介と共に全国大会進出を決めた。
そして全国大会へと向けた顧問と3人の合宿で樹は掃除の過去と未来を知る。
カバー・イラストレーション:いぬんこ カバー協力:紙舗直
ブックデザイン:鈴木成一デザイン室
長物を自在に操って敷舞台の上に散らせた塵芥を
美しくダイナミックに腰の寄席袋に回収する競技、掃除。
国の監視下にあり高校生しかできないこのスポーツにのめりこむ
青春小説です。『武士道シックスティーン』が好きな人はきっと好き。
子供の頃から作りあげた自己流の型から抜け出せない樹と
勝負のために叩き込まれてきたため遊び心のない偲が
お互いを高めあうところとかそっくりです。顧問は安西先生を思い出す。
さらに『失われた町』から続くこの世界観が
ただのスポ根小説では終わらせません。
なかなかボリュームがありますが気になるところはまだたくさん。
召喚部の活動とか主将が二重人格である理由とか。
特に梨奈の父親から渡された鍵の意味なんて
明らかに伏線じゃないですか!これは続編を期待してもいいのかな。 -
読み始めたところ。
続編欲しい。アナザーストーリーでもいいな。
もう少し西とか居留地とかの掃除についての描写が読みたい。
ていうか実際に見たい。 -
ミステリ要素もSF要素もスポーツ要素もあるけれども
やっぱここは「青春」にジャンル分けデス。
ワタクシ的には面白かったデス。
そのぶんラストがちょっと物足りないかなぁ。
意味ありげなのに、たいして活躍してないキャラも数名したし
続編あるのかな?
出たら読むだろうな、と思うので
期待を込めて星はサービスで4個デス。-
この終わり方はミステリー的には中途半端だなと私も思いました。調べてみると続編があるようですね『野性時代』に連載されていたようです。この終わり方はミステリー的には中途半端だなと私も思いました。調べてみると続編があるようですね『野性時代』に連載されていたようです。2010/12/08
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>tuyocさん
お返事が遅くなって申し訳ないデス!やっぱり続編ありなんデスね。
情報ありがとうございまシタ。>tuyocさん
お返事が遅くなって申し訳ないデス!やっぱり続編ありなんデスね。
情報ありがとうございまシタ。2011/03/30
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20XX年、掃除は日本固有のスポーツとして連綿と続きつつも、何らかの理由により統制下に置かれていた。高校で掃除部に所属する樹は、誰もが認める才能を持ちながらも、どこか冷めた態度で淡々と掃除を続けている。しかし謎の美少女・偲の登場により、そんな彼に大きな転機が訪れ―一級世界構築士三崎亜記がおくる奇想青春小説(「BOOK」データベースより)
「掃除」をスポーツとみなして書きあげた世界。
ハマりこめば一気に読めるかも。
あんまり細かく書き込まれていて、私は逆に読むのが疲れてしまいましたが・・・。
あと謎めいたキャラクターが多く出ている割には、うまく使えていなかった気が・・・。
一つの世界を作り上げるうまさは相変わらずだったのですが、今回はちょっと楽しめなかったです。
同じような創作(?)スポーツなら、篠原健太の『SKET DANCE』に出てきたジェネシスとかヒュペリオンが面白かったなー(こっちは漫画だけど)。遊び心満載で。
樹にも、ウォークライダンスとか躍らせてみたかったわ。 -
「掃除」というもの…なんだろう、この物語の社会では、現在は一応スポーツ?? をめぐるお話。
「野生時代」に連載。
三崎さんは代表作『となり町戦争』でも、ありそうでないパラレル日本をうまいことすくい上げていらっしゃいましたが、本作もここではないどこか(国としては日本)。個人的には本作のほうが好みだな。
掃除の様子が脳内でキラキラふわふわザアザア浮かんできます。
桜のシーンでは、なんとなくですが漫画『CLOTH ROAD』の練習シーンを思い出しました。ジェニファーがメイ様んとこで、決められた時間内、巻き上げた花を一つも床に落とさないようにするとこ。
伏線回収しきってないし、続編あるのかなと思ったら、やっぱりやってるそうです。
うーん…。読んじゃうかな。
今度、自分の部屋を掃除する時(ま、これは整理整頓、清掃の掃除)には、ドアのとこに正座して精神統一しつつ、「頃良し!」から始めようかね。なんか言いたくなります、これは。 -
三崎亜記の作品は単行本が出される度に手に取っている、逡巡する気持ちを感じながらも。逡巡の元は、「となり町戦争」を超える作品には出会えないのかもしれないという予感を巡ってのもやもやであり、結局、その度合いは一作ごとに少しずつ強くなってきているように思う。一方で、三崎亜紀の独自の異空間世界は作品ごとにディテールが書き加えられ、ますます奥行きが出てきたし、それを好きだという人がいるのも解る。
その世界の中で起きている物語の一片としてこの作品も読んでしまえば、それはそれなりに面白い。面白いとは思うのだけれど、自分としては、その奥行きを増す世界が却ってどんどん現実の世界から遠く隔たってゆき、「となり町戦争」の時に感じたような、紙一重で自分たちはこの架空の物語のすぐ隣にいるのだ、という緊張感が失われてゆくように思えるのだ。
エンターテイメント系の作品を読むとき、それが上質であればある程に感じる罪悪感のようなものが強くなってくるのを感じる。小難しいことを考えずに、シンプルに楽しめばそれで良いとも思うのだけれど、三崎亜記が、どことなく「鴨川ホルモー」を思い起こさせるようなこの「コロヨシ!!」を書いていることに、勝手な違和感を覚える。自分の中では、三崎亜記は社会派(ってもう死語かも知れませんが)的作家として捉えているとことがあって、承服しがたい気持ちが残る。 -
我慢して読み始め、未消化のまま終わってしまった。掃除の技が想像しにくいし、結局大会にまで至らず話の軸がどこにあるのかわからなかった。アニメにしたらわかりやすいのかもしれない。