羽州ものがたり (カドカワ銀のさじシリーズ)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年1月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048741682
感想・レビュー・書評
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暗記に頼りがちな日本史も、こういう話を読むと一気に興味が湧くのではないかな、と思いました。
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羽州に暮らす少女ムメとカラスが、都からきた春名という少年に出会う。
飢饉からの暴動、平和までのストーリー。主人公をはじめとして、真っ直ぐで、嫌味な人がいない。
読みきりで、児童書として安定感があり、最後まで読める。評判の良いソニンのシリーズも読んでみたい。 -
歴史の上では語られない人たちが、歴史を作ってる。
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そんなこと誰も言ってくれないよ
考えるしかないんだよ、一緒に考えよう -
帯をたつみや章さんが書かれていたのを見て、読んだ。
軽く読めて面白い。 -
春風が善人すぎるかな…
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面白かった。けれど、味が薄いというか、ハデな舞台がないからか?物足りない感じも。でも、読ませます。
もっと3人のことを知りたかったかな。
「日本の歴史」をテーマに棚を作ったら、子どもたちは手に取ってくれるかなぁ… -
羽州の村長の娘で、片眼の鷹・アキを育てるムメ(梅)、村はずれで1人で暮らす少年カラス。都から来た少年・春名丸を濁流から助けた2人は、春名丸の父、小野春風と出会う。やがて、春風の一家は博多へ。それから4年、干ばつによる凶作のため、飢え、追いつめられた人々の怒りは、秋田城司に向けられる。
ウィキで“元慶の乱”を検索したら、藤原保則、小野春風、ちゃんと出てきた。史実をベースにした物語だったんだね。読んでいる時は、そういうことまったく知らないまま読んでた。 -
「―でも、相手を嫌って何も知ろうとしなかったら、強くはなれない。自分と違う相手を認めた者だけが強くなれるんだ」
マミー読書会にて回ってきた1冊!
よく見てみたら、菅野さんの新作!!!
ソニンには泣かされたのよー、と思いながら期待を持ち読む。
最近は、なんだか、殺伐とした、、というか、
どうしても苦しくて悲しい取り返しの付かない事が起こってしまうのではないか、と思っていたのだけれど、、、
読み終わって、そうだ!これは菅野さんの作品だったじゃない、と改めて感じる。
ひたすら、優しいものがたりでした。
安心して読んでよかったんだよ。
ムメ、カラス、ハルナの3人が織り成す人間模様。
出てくる人達も消して悪者ではなく、何かの為を思って生きているのだ。
戦いだって、戦いたくて戦うのではない。
生きるために戦うのだ。
そうだ、そうだったんだ、と胸にしみるものがたくさんあった。
そして、折しもこの物語は今年1月にでているのだけれど、
どうしてもやはり奥州(東北)の人のことたちを思わずにはいられない。
物語でも示されている知力があり、我慢強い人びと、その血脈は確実に現代に繋がっているんだと、今だからこそ分かる物語なのでした。
その意味でも、凄く深い。
「小野春風及びその子孫たちは、後の歴史に目立った記述はない。そして、ムメやカラスのような者たちの記録は、もとよりないが、今もその地を訪ねれば、街や田畑や海や山をゆく人々の中に、「己地」を勝ち取った人々の姿を見ることができる。」
【8/1読了・初読・市立図書館】