呼吸入門

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048838658

感想・レビュー・書評

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  •  著者はあとがきにおいて「教育の根幹は息にあり」と確信のもと、無給で全く評価の無いなか呼吸について20年以上研究を続けてこられたことを自虐的に語られておられます。
     研究を結実させた「息の人間学」を多くの方に読んでいただくのは叶わぬ願いとされておりますが、機会があれば読んでみたいと感じた。
     ゆとり教育の誤りや息を整える事、「型」の文化が失われている事への警鐘だけでなく「三・二・十五」「ハミング」「シェイキング」など呼吸を整える具体的手法も記されており良い学びを得た。

  • 息とは一つの身体文化。腰と肚(はら)の構えがしっかりすることで肉体に力強さが
    みなぎり、腰や肚の据わった状態とは、腹で深い息をすることによって可能。
    腰肚文化とは紛れもなく呼吸力。
    ヨガとは心の在り方と呼吸の仕方の関係。
    息はその身体と精神を結びつけるもの。犬や猫などをなでていると精神が落ち着くのもその呼吸を
    感じることによってくつろげるからなのです。

    ◆丹田呼吸法
    丹田とは、へそから指3本分下の位置。丹田を軸にして息を長くゆるく吐く。
    鼻から3秒吸って、2秒お腹の中にぐっと溜めて、
    15秒かけて口から細くゆっくり吐く。慣れてきたら15秒⇒25秒というように伸ばしていってもよい。
    時間をかけてゆっくり吐くと、丹田に力を込めて横隔膜をそのまま下げられる。
    口呼吸では脳が働きにくく、集中力が続かない。
    鼻から吸うことで脳に酸素がいきわたりやすく意識は覚醒し精神は安定する。


    ◆呼吸は吐くことが大事。
    呼吸によって精神が調えられるというのは、現在そのものを
    生きるという状態。蓄積したものを振り棄てた心の安定。(禅のスタイル)
    捨てていく美意識・・・捨てることによって人はすっきりし、
    エネルギーが満ちてくる。常にエネルギーが入る器を用意する。
    吐くときのコツは、息を全うさせるときは鼻から吐くのがいい。
    意識的に長くゆるく吐く場合ははじめのうちは口をすぼめて吐く。
    鼻から吐こうとするとなかなか息を溜められない。

    ◆呼吸で時間をコントロール
    本を音読して一息でどこまで読めるか計る。初心者で2行くらい。
    強者になると5,6行くらい。
    一息が何秒間ぐらい続くのかを知るバローメーターになる。
    この方法で脳の集中力と連動し読書スピードが格段に上がる。
    一息の長さを重要視すると脳が高速回転するので生きている時間の密度が
    濃くなっていく。

    ◆シェイキング1分 でリフレッシュ
    からだを揺さぶり、息をハッハッとどんどん吐いていく。
    膝をゆるめて立ち、屈伸を使って軽くジャンプ。
    手もブラブラさせながら自由に身体をほぐす。
    からだの細胞が入れ替わり、呼吸がゆったりしてくる。



    両手を合掌することによって、からだが一つのまとまったものとして
    感じられ、それが宇宙という大きなものとつながっている。


    かつて毎日何キロも歩いて学校に行くといった暮らしをしていた子供は呼吸が
    強く、安定した呼吸の持久力があった。しかし今は昔の生活様式が
    崩れて急激に衰えた。

    テンポのいい動きは必ず呼吸と連動している。
    呼吸のリズムがよく流れだしたら人は疲れない。

  • 友人に教えてもらった本。ストレスがたまっているときは呼吸も速くなりがちです。そんなときこそゆっくり腹式呼吸をしましょう。

著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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