再婚生活

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 123
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048839754

感想・レビュー・書評

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  • 再読
    山本文緒さんはすごく好きな作家さんで、彼女の本は殆ど持ってる。
    彼女の「普通」なところがすごく好き。
    でも、この日記を読むと、やっぱり普通じゃないな、とも思う。
    再婚話というより、うつの話。だんなさんがすごいな~と思う。

  • うつ病との闘病生活を中心につづった日記エッセイ。
    “うつ病の作家”の存在はそう珍しくないが、病状によって微妙に変化する文章の、その変化をここまで感じるものは読んだことがないな、と思う。
    途中、病気の悪化によって中断する(そもそも一度回復してきた頃に連載が始まったのだが、また悪化したらしい)のだが、再開後、王子と呼ばれる夫と同居していたり(それまでは別居婚)酒、タバコをやめていたり、うつ病自体はおいておいて、健全になってくれたのがうれしかった。長年のファンとしては「じゃあそろそろ長編小説のほうを…」なんて禁句を発したくなる。

  •  山本文緒「再婚生活」、2007.5発行、日記風エッセイです。2003.2、40歳で体調を崩し、初入院。事後、うつ病が悪化して何度か入院、でも、外出、外泊もできる入院だとか。再婚した夫を王子と呼称w、籍は入っているが別居婚。それにしても、著者は、本当によく寝て、よく煙草を吸い、よく酒を飲む人でした。そして二日酔いも。大腸検査の下剤2リットルは心身ともにへとへとに。私も3回やって年をとるほどきつかったです。間もなく74歳、もう受けませんw。
     読み始めてすぐ再読と気づきましたが、そのまま読了しました。山本文緒「再婚生活」、2007.5発行、285頁。うつで入院、仕事復帰、入院、仕事復帰・・・の数年を描いた日記エッセイです。著者40歳から44歳(2003年~2007年)。別居婚だった夫(王子)とは、同居になります。気功の先生の著者への言葉:万人向けでは。体を冷やさない。ストレッチしてよく歩く。肉より野菜。ミネラルとビタミンB・C群を。サプリメント(肝機能に悪い)でなく食品を。肩と腕と肩甲骨のエクササイズを毎日。あと、ストレス対策を。

  • 直木賞受賞、山手線円内にマンションを買い、再婚までした。恵まれすぎだと人はいう。人にはそう見えるんだろうな-。夫婦という葛藤。涙する心と孤独の病、鬱。病んだ心が静かに恢復してゆく。著者3年の沈黙を破る告白日記。

    へとへとに引っ張られた。

  • 山本文緒さん、というだけで手に取ってしまったけれど山本さんでなければ読まなかったかな…

    うつっぽくなり、入退院を繰り返していた時期に書かれた日記のようなエッセイなのでこんなものなのかもしれない。

    もう四年前になるが、母が術後の後遺症のような形でうつになった。母が母でなくなったように生気がなく、笑わず、食も進まず、泣いてばかりいた。私はそんな母をなかなか受け入れられず、慣れない家事にも追われ、苛立ったり悲しくて全て放り出したくなる時もあった。

    幸い半年ほどで徐々に元気を取り戻し、今は以前と変わらぬ陽気で無邪気な母だけど、喧嘩したときなんかにふっと思う。こんなに強気で口達者で、翌日にはケロリとしている、元気な母に戻ってくれて本当に良かったと。

    文緒さんは旦那さまを王子と読んでいて、そこが意外に乙女チックで可愛かった。

    私にもいつか旦那さまが出来たら王子と呼ぼうかな。いや、いっそ、殿で。

    殿、待たれよ。行ってきますの接吻を忘れておられまする。

    • まろんさん
      なんと、hetarebooksさんの、生き生きと魅力にあふれたあのお母様が
      うつで苦しまれていた時期があったなんて!
      でも、たった半年で元通...
      なんと、hetarebooksさんの、生き生きと魅力にあふれたあのお母様が
      うつで苦しまれていた時期があったなんて!
      でも、たった半年で元通り溌剌としたお母様に戻れたのは
      苛立っても、放り出したくなっても、hetarebooksさんが一生懸命お母様を支えたからにちがいありません。

      ところで、旦那さまに「殿」と呼びかける、いいですね♪
      hetarebooksさんに「行ってきますの接吻を忘れておられまする」
      なんて呼び止められたら、旦那さまは会社に行けなくなっちゃうかも(*'-')フフ♪
      2012/12/16
    • hetarebooksさん
      まろんさん☆
      ありがとうございます♪本当にいつ何時かかるか分からないのがうつで、誰もが当事者になり得てしまうので・・・母の場合は合うお薬が...
      まろんさん☆
      ありがとうございます♪本当にいつ何時かかるか分からないのがうつで、誰もが当事者になり得てしまうので・・・母の場合は合うお薬がすぐ見つかったことも大きいと思います。

      やーん、早く我が殿を見つけたいです♥♡
      待ちくたびれましたぞ(笑)
      2012/12/18
  • 『結婚願望』に続き、流れで読んでみました。
    元気がないときには読まないほうがよいです。
    ここのとこ落ち込み気味の私は、軽く鬱に引き込まれそうになりました・・・

    再婚生活というか、うつ病の闘病生活後期の日記な感じ。
    病んではいるんだけど、ところどころにくすっと笑ってしまうところがあるのは、山本文緒さんのエッセイの魅力です。

  • タイトルとパラッとめくると旦那様を王子と呼んでいたのでスイートな内容かと読み出したら鬱闘病記でびっくり。(文庫版はちゃんとタイトルにはいっている様)
    しかし今の私には読むべき内容だった。先日までの体調不良は超軽度の鬱だったのかも。
    闘病だけど暗すぎず明るすぎず面白かった。

  • 再婚生活というよりは、「うつ病闘病日記」ですね。今、確認したら文庫本の方はそういうサブタイトルがついているみたいです。
    闘病生活を毎日記録したブログを想像しました。自分もうつ病なので「あー、それそれ、そんな感じは私だけじゃないのね」と共感。でも自分の境遇と比較してちょっとじめっとしてみたり。
    王子がいていいなとか、それがしんどいというのもすごく分かる。仕事だけはちゃんとされてたようで、偉いなぁとか。
    読んで楽に思えた部分もあったし、でも自分の親には読ませたくないな(笑)

  • 読みたい本をダラダラと探していて、
    老いや死について書く作家が増えたなーと思うのと並行して
    「この人も鬱だったのか」と驚くことが多い。
    彼女のエッセイは好きでわりと読んでいるが、
    この本はなかなか気持ちが揺れる本だった。
    この病気ってまわりに理解されにくいだろうな、と読みながら思った。
    本人も辛いんだろうが、支える周りの人間も大変なんだろう。
    でも読んでいると、むしろそこが分からなくなっていく。
    余裕があるからこういう生活が出来るんじゃないかとか、
    男の人って優しいなあとか。
    鬱は体に合う薬を見つけることが出来れば完治できる病気。らしい。
    慌てずゆっくりじっくり自分と向き合うことが必要なんだろう。
    http://takoashiattack.blog8.fc2.com/blog-entry-1572.html

  • 2023.12.17

    エッセイというか、本当にただの日記。
    ダラダラと続くので途中離脱しそうになりましたがなんだかんだ読了。
    お金も時間もあるし、高級なところ?ばっかり行ったり外食も多くて友人や頼れる人も多くて楽しそうな日常なのに、鬱という病気のせいで暗いモヤがかかっているようなそんな日記でした。
    とにかく前半は暗い。
    お金も時間もあっても心身が健康じゃないと全然幸せじゃないんだな。周りにいるメンタル不調な同僚は毎日こんなに暗くて辛い日常なのか、とある意味勉強になりました。
    見た目だけじゃその辛さはわからないからついメンタルで休職したりする人を見ると「怠けてるだけじゃないの?」と思ったりするけれど優しくしよう…と反省しました。

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著者プロフィール

1987年に『プレミアム・プールの日々』で少女小説家としてデビュー。1992年「パイナップルの彼方」を皮切りに一般の小説へと方向性をシフト。1999年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年『プラナリア』で第24回直木賞を受賞。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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