大草原のおくりもの: ローラとローズのメッセージ

制作 : ウィリアム T.アンダーソン 
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 19
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048930062

作品紹介・あらすじ

『大草原の小さな家』の作者ローラが過した少女時代。旅の途中で、また家の暖炉の前でとうさんがくり返し話してくれた、すばらしい物語は、厳しい開拓時代の生活の中で、ローラの生涯をどれほど豊かにしてくれただろう。本書はローラ研究の第一人者であるウィリアム・T・アンダーソンが、新聞のコラム、草稿、メモ、没原稿など、未発表の資料を生活時代順に編集、貴重な写真を多数挿入、インガルス一家とワイルダー家の知られざる一面をあざやかに描きだした。「小さな家シリーズ」を読んでいない人にも、心うつ人生の記録の集大成。

感想・レビュー・書評

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  • 夢中になって大草原の小さな家シリーズを再読していた。
    小さい頃家にあった児童向け本はあまり多くなかったけれど、福音館の出してる最初の5冊は揃っていた。5歳ごろから繰り返し繰り返し読んだ本で、今でも時々思い立っては読み返す。
    読むたびに自分の視線が変わることに驚かされる。少し前に再読していた時、一番重く感じられたのは、不運つづきの新婚の四年間をまとめる最後の言葉。「春ごとに、種を地に投げ、天地自然の力に対して、その種と彼の時とを賭ける農夫の、肌にしみこんだ楽天主義が、「もっと先へ進めばもっといい」という彼女の祖先である開拓者の信条と離れることなくしっかりと交わりあっている… 空間の「もっと先」ではなくて、時間的に「もっと先」であり、はるか西の地平線ではなくて、これから先の、年月の地平線のかなたなのだ」
    これがアメリカの底力だったのかな、と思わずにはいられなかった。

    今度はこの本を読んでいて、彼らが不況の時にどれほど貧乏だったのかに驚いた。家具も抵当に入っていて、トランクに荷物をつめたまま暮らしていただとか、夫婦ふたり日雇いで働いていただとか。
    それから、吹雪に、旱魃に、狼に、先住民に取り巻かれながら、隣人すらない、家一軒目に入らない土地で暮らすということに、改めて。
    それがアメリカを開拓した人々だったわけだ。並みの農業ではない、自分しか頼るもののない場所で、体験したことのない自然と気候に耐えて行う農業だったわけだ。
    パリス・ヒルトンが体現するアメリカや、現在の環境と戦争の中のアメリカはどうも好きになるのが難しいけれど、ローラたち開拓者のアメリカは尊敬したい。メイフラワー号とピルグリム・ファーザーズ、清教徒の築いた頃のアメリカ。(ただそれが、先住民を殺して追い出していった歴史とも一致するということはつらいんだけれど。)

    けれども移住と開拓というのはアメリカに限ったことではなくて、例えばゲルマン人やスラブ民族の移動でも、日本にやってきたシベリアの狩猟民や、朝鮮半島から来た縄文人や、南九州に住み着いたインド系の人々でも行ってきた事のはず、
    もし彼らのうちに、ローラのように愛情を込めて家族のようすや開拓のようすを語りついでくれる人がいたら、それぞれの歴史はもっと鮮やかで心に残るものになったのかなぁ。

  • 義母から借りた。大草原の小さな家シリーズの裏話、補完。娘のローズの才覚あってこその、名作誕生がうかがえる。ローラがアルマンゾと共に、父さん、母さんの住む街を出て、新天地に旅立つ前夜、バイオリンを聞くくだりは胸にぐっときた。

  • ローラ・インガルスと、その娘のローズがいろいろ書き残したものがたーくさん載ってる。

    ローラが書いてた自伝的小説は、インガルス家がおもに「常に貧困状態だった」開拓時代の話だったけど。
    その後、土手の穴ぐらしのときには考えれないぐらい近代的な生活を送ってて、すごい時代を生きてた人なんだなー、ってあらためておもった。

    いろいろ感想はあったけど、借りた本なんで、いまは手元にないし、借りたのもずーっとまえだから、いろいろ忘れてるので、またそのうち読み直したい。

    できればじぶんで持ってたい本だったから、探して購入するかも。

  • 物語や一家の順を追って実際の彼らはどうだったのかや、
    ローラやローズの書き残したものを読むことができて
    興味深かったです。
    長年の”小さな家”のファンで自分で色々調べてらっしゃる方
    などには物足りないかもしれませんが、私には十分でした。

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著者プロフィール

1867年、アメリカ北部のウィスコンシン州に生まれる。1932年、西部開拓時代の体験をもとにした自伝的小説、『大きな森の小さな家』を発表。『大草原の小さな家』『プラム・クリークの土手で』などとあわせ、「小さな家シリーズ」として世界中で読まれてきた。テレビドラマの「大草原の小さな家」は、このシリーズをもとにしている。1957年、90歳で亡くなる。



「2017年 『小さな家のローラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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