- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048935852
作品紹介・あらすじ
初恋の人・翔子の未来を願った12月が過ぎ、いつの間にか咲太も高校二年生の3学期を迎えていた。
三年生の麻衣と峰ヶ原高校で一緒にいられる学生生活も残り僅かとなったなか、長年おうち大好きだった咲太の妹・花楓が誰にも明かしたことのない胸の内を打ち明ける。
「お兄ちゃんが行ってる高校に行きたい」
それは花楓にとって大きな決意。極めて難しい選択と知りながらも、咲太は優しく花楓の背中を押してあげ――。
『かえで』から託された想いを『花楓』が受け取り、未来へ一歩踏み出すシリーズ第8弾!
感想・レビュー・書評
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前巻で一つの大団円を迎えたシリーズの新展開……と言いつつその部分はほんのさわりだけで、本巻は花楓の高校進学問題のお話。
それは新展開というよりもこれまでのお話からの真っ当な続きで当然語られるべき物語だ。
そこには思春期症候群うんたらではなく花楓の問題に真っ向から向き合った物語があって、相変わらず胸が熱くなった。
いなくなった「かえで」のことを思い出すとき、咲太同様いまでも胸が苦しくなるのだけど、そんな「かえで」の想いを受取ってそれを実現することが自分の義務だと思ってしまう花楓。
咲太と同じ高校に行きたいと言う「かえで」の夢を叶えようと精一杯努力して頑張る姿は、こんな妹がいたらもうなんだか一も二もなく抱きしめてやりたくなる。
でも咲太が言うように、花楓に望むことは誰かの代わりに頑張ることじゃない。
ただ、日々小さな幸せを感じるようなそんな生活を送って欲しい。
生きていることが幸せであって欲しい。
ただそれだけなのだ。
その想いを伝えることの難しさ。
そこを逃げずに描く真っ正直さ。
そこに敬意を払いたくなる。
そうなんだよなあ。
このシリーズを読むとき、自然居住まいを正して、一字一句追っている自分がいる。
自分にとってこのシリーズはそういう物語なのだ。
だから、紆余曲折の末に花楓がそんな未来に向かって進み出せたのなら、心から嬉しい。
ところで、新展開に関わっていると思われる歌手霧島さんなんだけど、翔子ちゃんかなと予想してたんだけど、違ったかな。
その翔子ちゃんは沖縄にお引越しということである意味物語の舞台からは降りることになるんだろうか。
ただなあ、この作者は一筋縄でいかないからなあ。
幼女麻衣さんのことも含め、次巻が楽しみだ。
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青ブタシリーズ第8弾!
今巻のヒロインは咲太君の妹である梓川花楓ちゃん
今作では思春期症候群によるドタバタはなく、花楓ちゃんの進路、高校受験の物語
兄と同じ高校へ行く
間に合わないかもしれないけれど、着実に勉強して、外へ歩みを進めて
でもそれは、もう1人の彼女「かえでちゃん」の願い
花楓ちゃんは自分じゃない方がって凄く悩んだと思う
けれど、頑張る姿を見たら私も花楓ちゃんがとても好き!
彼女が葛藤しながらも自分で決断していく姿に頑張れって応援したくなってしまう!
そんな彼女を支える咲太君も、本当に凄い
どんなに大切な身内だとしても、ここまで支えてられることは本当に尊敬する
素敵なお兄ちゃんすぎて…… -
前巻がかなりシリアスだったが、今回はゆとりをもって読むことができた。内容としては、花楓の成長が感じられる話がメインだったが、それをサポートする咲太の献身的な態度に感心してしまった。ここまでできる兄貴はそこまでいないと思った。
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わりと現実的なお話。難しいよね。
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【こんなにも、今、君が悔しいのは勇気を出して踏み込んだ証拠】
いつの間にか二年生の三学期を迎えた咲太は、妹の楓の大きな決断と未来へ踏み出す一歩を応援する物語。
思春期症候群を患い、ろくに学校に通う事が出来なかった楓の切なる願い。それは、兄と同じ高校に通う事。無謀に見えるその願望もやれるだけやってみる事に意味がある。自分には無理だと諦めていたら何も掴めない。それから、咲太に教えを乞い、必死に勉学に勤しむ楓。同調圧力を強いる世界に無自覚に傷付られる現実。
艱難辛苦の試験を乗り越え、悔しさを糧に更に楓は成長するのだ。 -
殿堂入り後に図鑑完成に向けてのんびりポケモン集めしてるというか心にゆとりを持って読むことができたという感じでした。
咲太も大概だと思うんですが、花楓ちゃんの姿見てるとやっぱり応援したくなっちゃいます(*・ᴗ・*)و
てか、思春期症候群はまだまだ続いてくんですね… -
今回は花楓にスポットを当てた巻。
みんな違ってみんな良い、というのは尊重すべき考えだけど、それが必ずしも受け入れられるわけではないという現実も教えてくれる。
その上でやっぱり周囲の理解って大事だよなぁと読んでいると思う。
非常に興味深いのが、今回通信制高校の話が出てくるのだが、2021年になって一部オンライン授業として全日制高校でも同じようなカリキュラムが生まれている。
オンライン授業にならざるを得なかった生徒たちが通信制について知ったらどのような印象を受けるのかちょっぴり気になった。 -
劇場版は見て、続きが気になって読んだ。
内容としては、花楓の「かえで」との葛藤が心臓に突き刺さって大量出血。
あと、朋絵への咲太へのからみ方てこんなにもセクハラだったんや、というアニメしか見てないと気づかない細かい気づきがありました。。
文体は読みやすい。ラノベ特有の凝った言い回しがなくて良かったです。 -
かえでから花楓へ。
空白の期間への葛藤、全日制普通校に対する素朴な疑問など、ライトノベルでありながら、今の日本の教育制度にも問題提起をしているという点では本作はなかなか考えされられた。