モーヴァン (BOOK PLUS)

  • アーティストハウスパブリッシャーズ
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本棚登録 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048973045

作品紹介・あらすじ

物語は、あたしが自宅の台所で死体を発見したところから始まる。彼が喉と手首を切って自殺したのだ。彼は裸でリノリウムに俯せになって、まわりは血の海だ。警察か救急車か、事態を次の段階に持っていってくれるところに電話しようか、あれこれ考える。家を出て途中で電話しようとするが、そのときにウォークマンで聴いていた曲のせいで、電話ボックスを通り過ぎてしまう。彼の死を誰にも告げず、友達と酒を飲み、クラブへ出かける。そして、自殺した彼が残したフロッピーに入っていた"あるもの"から、すべてが狂い始める。鉄道模型、シルクカット、光る膝、そして、超自然的で宇宙的なヒロイン、モーヴァン。快楽とはなにかを提言した本格派文学作品の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 山間のちっちゃい町に雪が降ってて地面の土と融けた雪が混ざってどろどろになってる
    それがずんずん分厚い靴下にしみ込んでくる
    あぁ、風が強すぎて耳にあたる風の音しか聞こえない。
    なのになんでか冷蔵庫の音と切れかけた蛍光灯(クリスマスの電球の飾り)のチカチカする音と水道の蛇口から滴る水の音ばっかり耳につく
    覚えのない切り傷があって 痛くもないのに血が出てる

    そんな感じ

  • 訳者の瀬戸氏いわく、モーヴァンの語り口は文法を無視したかなり独特なもののようで、文章がざらざらと引っかかりまくるのはそのせいか。
    ときおり美しい表現に圧倒されつつも、クスリとセックス、孤独に溺れるモーヴァンの淡々とした日常を描いていく。彼氏の自殺、里親、スーパーの安い賃金で働く女。孤独。孤独。快楽。孤独。「未来は明るいとは言えないだろうな、モーヴァン」
    その言葉に、不思議と救われた思いがする。ふつうならば逆のことをいうだろうに。未来は明るいのだから、元気を出してなんてふうに。
    果たして明るい未来などやってくるのだろうか? その明るい未来とやらがやってきたとき、おそらく多くの人は昔は良かったなんて言葉を吐いているにちがいない。
    物はあふれているが、心が貧しい我々の孤独そのものに言及しているような作品であった。
    皮肉なことに物語が幕を閉じる寸前のほんの数ページの情景描写が、この世のものではない美しさに満ちているのは、モーヴァンへの祈りなのだろうか。

  • シルクカット、って素敵な名前だと思った
    読む時のBGM選びにも困らない。

  • 情景を浮かべやすい端的な言葉の羅列。とても不思議な感じというでしょうか。読んだ人にしか分からない感覚をどうぞ。
    ただ、男性作家さんの本だとは思えない。

  • 物語は、台所で彼が自殺して死んでいるのを発見するところから始まる。しかも、彼の死を誰にも言わない。
    モーヴァンの経験してきたことやその時の感情がリアルに伝わってくる。
    独特の世界観が面白い。

    アレックス・ガーランド
    アーヴィン・ウェルシュ
    が認めた才能に期待です。

  • 表装の写真、誰だろう?

  • 文章が綺麗でうっとりした。
    誰にも言わないで旅に出たくなる。

  • 想像を膨らませて読むと面白い。モーヴァンの感情とか心の中とか、、。
    プールの中に沈んで、底から水面を見てるような感覚。文章の書き方が淡々としていて突き放してるような感じなので嫌いな人は嫌いだろうなぁ。私は結構好き。

  • 恋人が自ら命を絶って残そうとしたもの…。リヴィングに横たわる彼の死体。パソコンのディスプレイに映る短い文章。小説家志望だった彼の遺言。そしてモーヴァンは…。
    飄々としていて本能のままに生きるモーヴァン。
    これが女の生き方なのね。

  • 全然わからない。

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