大きな耳と長いしっぽ (あすかコミックス)

著者 :
  • KADOKAWA
3.74
  • (6)
  • (7)
  • (9)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 54
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049243697

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 初版

  • サバの話と、「ジイジイ」一本。
    この頃のサバの美しいこと。まだたくさんのことに一喜一憂して、それを
    表現できる大島弓子がいる。
    「ジイジイ」は、何度読み返しても、擬似最後の晩餐のときにおばのことを母親に
    ののしられ、イネが大泣きしながらかばうところで私も泣いてしまう。

    「おばさんはお母さんたちのこと一度も悪く言ったことないよ
    私がお母さんたちの悪口を言うとおばさんは怒ったよ
    だから言わないで
    おばさんの悪口は言わないでーーー」

    そのあとお母さんも、おばにイネを預けておきながら嫉妬していたと告白するけど
    そんなところはもうどうでもよくて
    少女ならば必ず通過する、透き通りすぎて痛々しいほどの透明さ
    こんな心情とセリフを40すぎて描けた大島弓子の力に、ただただ低頭するしかない。傑作。


全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

栃木県生まれ。短大在学中に『ポーラの涙』でデビュー。昭和53年より「月刊ララ」に掲載された『綿の国星』は、独特の豊かな感性で描かれ、大きな反響を呼ぶ。『ミモザ館でつかまえて』『夏のおわりのト短調』『パスカルの群』など著書多数。

「2011年 『グーグーだって猫である6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大島弓子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×