秀吉の接待: 毛利輝元上洛日記を読み解く (学研新書 21)

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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054034686

作品紹介・あらすじ

時は天正十六年(一五八八)、舞台は豊臣秀吉の人誑しの凄さと絢爛たる桃山文化が開花し、秀吉の手により改造された京都。西国の雄・毛利輝元は秀吉に初めて対面するため緊張と不安が入り混じるなか、上洛の旅に出る。そこに待ち受ける関白秀吉のもてなしとは。

感想・レビュー・書評

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  • 秀吉に臣従した毛利輝元の上洛顛末を日記にもとづき再現していく。気をつかう行事や大名間同士の交流がうかがわれ興味深い。特に各イベントにおける参加者と席次が面白かった。

  • 1588年(天正16年)に上洛した毛利輝元。彼の家臣の日記から輝元の京・大坂での模様や諸大名・公家らとの交流、関白秀吉との関係・秀吉の人心掌握の有様等を叙述したもの。謁見での席次や宮中参内衣装等が図解され、わかりやすさを意識した書籍。また、天正年間の秀吉関連の記録は少なく、本書の下敷きである輝元家臣の日記は希少な文書であるようだ。ちなみに、早めに上洛・臣従した毛利への厚遇に比し、上洛を渋り、臣従しない北条氏の使者への冷遇はあまりに対照的で、ある意味わかりやすい構図。また、豊臣秀長の実像もよくわかる。

  • だいぶ前に読み終わっていた本ですが、昨日ふとパラパラと。
    黒田邸に滞在していた毛利一行のところに、宇喜多からの使者として『明石伊予守全登』が訪問…とあるのですが、『伊予守』は全登でなく、父親の明石景親の受領名。そして明石掃部が『全登』と名乗るのは、関ヶ原前後では…という辺りで、ここはやはり父親のほうの訪問…ということなのでしょうか…。原典の記載が気になるところであります☆
    などとメイン内容とはおおいにズレたことを書いてしまいましたが、いろいろな意味で、戦国ファンにはオススメの一冊です♪

  • 豊臣秀吉は人たらしで有名ですが、この本を読むとその接待ぶりや、豊臣政権の一端がうかがえて面白いです。また、お付き合いが多く大名稼業も楽ではない事が分かります。

  • 儀礼関係に詳しい書物というのは珍しい。室町時代との連続性の視点で書かれている。織豊時代というのが室町の儀礼の延長にあることもよくわかる。政治的主体の変更は、文化や伝統を一挙に変えるものではないのが良くわかる。そういう意味でも、わびの茶道の成立はやはり大きな出来事だったのだろう。

  • [ 内容 ]
    時は天正十六年(一五八八)、舞台は豊臣秀吉の人誑しの凄さと絢爛たる桃山文化が開花し、秀吉の手により改造された京都。
    西国の雄・毛利輝元は秀吉に初めて対面するため緊張と不安が入り混じるなか、上洛の旅に出る。
    そこに待ち受ける関白秀吉のもてなしとは。

    [ 目次 ]
    第1章 上洛への旅(重苦しい旅立ち;厳島に祈る ほか)
    第2章 初めての京都(妙顕寺の宿所に入る;聚楽第で関白に謁見 ほか)
    第3章 楽しき京都(八朔節供;参議豊臣輝元と羽柴安芸宰相の肩書 ほか)
    第4章 大阪城の関白秀吉(さらば京都;秀長の大和郡山城を訪問 ほか)

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著者プロフィール

二木謙一

一九四〇年東京生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。専門は有職故実・日本中世史。國學院大學教授・文学部長、豊島岡女子学園中学高等学校長・理事長を歴任。現在、國學院大學名誉教授。八五年『中世武家儀礼の研究』でサントリー学芸賞を受賞。NHK大河ドラマの風俗・時代考証は「花の乱」から「軍師官兵衛」まで一四作品を担当。主な著書に『徳川家康』『中世武家の作法』『武家儀礼格式の研究』『時代劇と風俗考証』『戦国武将に学ぶ究極のマネジメント』など。

「2021年 『関ケ原合戦 戦国のいちばん長い日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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