古事記完全講義

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  • 学研プラス
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054057920

感想・レビュー・書評

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  • 『現代語古事記』をテキストに、著者が行った講義をまとめたもの(DVD版の講義録もあり、その書籍化とも言える)。

    『現代語古事記』は現代語訳した文章と、和歌の解説が淡々と続くので、だんだん退屈して最後の方は読むのがつらいところもあった。

    でも、この本は著者がしゃべっている言葉をほぼそのまま文字にしてあるので、面白い。スイスイ読める。
    著者の解説がわかりやすいので、納得して理解が深まる。


    「日本人は全員『古事記』を読むべき」というのが著者の主張。「自然観、死生観、歴史観の3つが民族の精神には重要で、それが全部書いてあるから」なのだそうだ。

    現代語訳を読んだだけでは、もうひとつそれがよくわからなかった。
    ところが、講義だと著者の見解がわかるので、よく理解できる。
    日本人の考え方のルーツなので、やはり読んでおいた方がいいと感じた。


    ただし、面白く読めたのは退屈だと思いながらも『現代語古事記』を読み切って、だいたいの内容が頭に入っていたからだと思う。
    可能なら、2冊並べて読むのがおすすめです。

  • 久々に良いものを読ませてもらった。
    眼からうろこの連続だった……!!

    根の堅洲(かたす)国≠黄泉の国(死後の世界は複数あり、アリの巣のようになっている説)
    神は寿命や病死で無くなることはないが、外傷で死ぬということなど。何度も古事記を読み返してきたはずなのに、初めて気づかされたことも多かった。

    ……ただ、箸についてアルバイトにクレームをつけたのはいただけなかった。

  • 古事記解説の本。
    軽快な語り口で非常に読みやすい。
    ただ、ちょっとくどい笑

    メモ
    ・日本神話の原点は古事記と日本書紀
    ・神武天皇が橿原宮で即位したのが建国
    ・愛媛のみ伊予から古事記を踏まえた名称づけがなされた。

  • 軽快な語り口でめちゃくちゃ楽しかった

    古事記というとどうしても構えてしまうけれど、昔の人にとってはジャンプのような気軽に楽しめるものだったんだろうな〜

    斐伊川の氾濫をヤマタノオロチに喩えたり、教訓的な寓話と読み解くのも面白いかも

    教科書は猿からじゃなく天地初発から始めてほしい
    最初の人物は邪馬一国の卑弥呼じゃなくて、イザナギでしょ!


    ただ、ちょっと偏り過ぎている部分も。。

  • 「古事記」を現代風味で、面白おかしく読み易く解説した本。実際に起こったことなので、それが天皇家にとってマイナスイメージであったとしても記されているという著者の考えには一理あると感じた。古事記を愉しく読むための入門書としては最高の一冊かも。

  • 図書館で借りて読んだ。くだけていてとてもわかりやすく、面白かった。かなり右な感じがして、強烈だった。
    でも、こういう建国の物語を読むにあたっては、本当はそれで良いのだと改めて思った。
    古事記は上つ巻はよく読むんだけど、中つ巻、下つ巻の内容はどうもとっかかりにくく‥‥。この本では、中つ巻、下つ巻もわかりやすく解説されていてとても良かったと思う。

  • 面白い。絶妙な語り口で神代の話に引き込まれた。日本人として知らなくてはいけない、と改めて実感。

  • 古事記を読むならこれ一冊でいいかも。読みやすくて面白い。

  • 古事記3巻を、軽妙で面白おかしく解説していく。
    脱線したり、現代風なアドリブを交えつつも、あくまでストーリーを追いかけ、解説するにとどまっている内容。

    元々はDVD形式の講義だったものを書き起こした内容も手伝って、セリフ回しはとても砕けていて、本論とは関係ない脱線も多く見られる。
    大雑把すぎるのでは、と感じることもあったがしかしそれが、ともすれば難しい神々の名前ばかりでとっつきにくく、わけがわからなくなるストーリーをとっつきやすいものにしている。

    古事記自体に触れるのが全くの初めてだったが、話の筋がすっと理解でき、入門の入門、という意味ではとても素晴らしい本だった。
    著者の姿勢も手伝って、左の人からは極右思想だ、と叩かれるかもしれないが、あくまでも古事記の内容を理解するためだ、という道筋は逸れていないと思う。

  • 出雲にも伊勢にも行ったことがあるし、神話を読んでみたいと思っていたところ、友人に紹介されて読みました。
    結論から言えば、すごく面白かったし、勉強になりました。

    筆者と言えば、女性天皇の問題が取り沙汰されたときに、女系継承は絶対にダメ、旧宮家の復活をすべき、と主張した人ですよね。
    この説は、一般人の感覚からすると、およそ理解できないものなので、筆者が天皇になりたいだけなんじゃん?と思ったりしてました。
    でも、本作を読んで、筆者の主張の真意がわかりました。
    ただ、筆者は超保守派だと思いますので、中には、???と思う主張もありました。

    本作は古事記を題材にした講義であり、古事記を読むことに重点がおかれているわけではありません。
    原文の引用もないので、分かりにくい箇所もありました。
    でも、古事記とはなんぞやという根幹部分の理解には十分です。
    日本書紀との違いとか、古事記の位置づけとか。
    本作を読んだあと、古事記を実際に読むといいと思います。
    私も、筆者の現代語訳古事記みたいなのを、次に読んでみたいと思ってます。

    神話は面白いですね。
    また出雲や伊勢に行きたくなりました。

著者プロフィール

昭和50年(1975)、旧皇族・竹田家に生まれる。明治天皇の玄孫に当たる。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。専門は憲法学・史学。作家。平成18年(2006)に著書『語られなかった皇族たちの真実』(小学館)で第15回山本七平賞を受賞。令和3年(2021)には第21回正論新風賞を受賞。著書はほかに『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』『日本人はなぜ日本のことをよく知らないのか』『日本人はいつ日本が好きになったのか』『日本人が一生使える勉強法』『アメリカの戦争責任』『天皇は本当にただの象徴に堕ちたのか』『日本の民主主義はなぜ世界一長く続いているのか』(以上、PHP新書)、『現代語古事記』(学研プラス)、『決定版 日本書紀入門』《久野潤氏との共著》』、『なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか《門田隆将氏との共著》』(以上、ビジネス社)など多数。

「2023年 『日本のどこが好きですか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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