若冲の描いた生き物たち

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  • Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054061682

作品紹介・あらすじ

2016年に生誕300年となる伊藤若冲。その若冲の絵の素晴らしさを余すところ無く解説した「美術画集」の部分と、そこに描かれた生き物の生態や、そこから想像される人々の文化的側面にも触れた「図鑑」的な部分からなる、若冲の「生物観」に迫る一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 今、東京都美術館でやってる「生誕300年記念 若冲展」。盛況のようで、若冲の画集も次々と出版されてます。
    でもこの人、2000年に「再発見」されて一大ブームになるまでは、世間じゃほとんど知られてなかった…。
    当時、京都国立博物館学芸員だった狩野博幸という人が企画した展覧会「没後200年 若冲」!これが起爆剤となり、一大ブームとなった。彼は5年後にも展覧会「曾我蕭白 無頼という愉悦」で、またまた一発当てちゃって、蕭白も一大ブームに!ちなみに、この狩野さん、現在は同志社大学文化情報学部教授…

    イカン、本の話だった!

    若冲の画集は多々あれど、この本の最大の特徴は「生き物」の「実物の写真付き」ってとこ!
    で、写真と並べて見て気づくのは、「精緻な写実」のイメージの若冲、実は大胆に「デフォルメ」し、「様式化」し、「デザイン」してるってこと!若冲って、「グラフィック・デザイナー」です!!

    そんな本書、美術好きのあなたにオススメッ!(執筆陣にも注目!)

    Have you visit the exhibition "The 300th
    Anniversary of his Birth: Jakuchu" at the Tokyo
    Metropolitan Art Museum? And the books about
    Jakuchu have also published one after another.

    But Jakuchu was a forgotten painter until the
    "rediscovery" in 2000.
    Hiroyuki Kano, the curator of Kyoto National
    Museum, organized the exhibition "Jakuchū!" on
    the year, and it was a big hit!

    He also organized the exhibition "Shōhaku Show"
    after five years, and Shohaku also booms in
    popularity. Kano is now a Professor of Culture and
    Information Department of Doshisha University...

    No! This is a column of the book!!

    Anyway, there are many books of Jakuchu
    paintings, but the most important feature of this
    book is that "the paintings are shown with photos
    of the creatures".

    If you look both the photos and drawings, you will
    find that he deformed, stylized and designed the
    creatures boldly instead of his public image
    "Sophisticated realism painter".

    His paintings are "graphic design" of our time!

    I recommend this book to you, art lovers! (Please pay attention to the authors!)

  • 大型本なのが嬉しい。
    若冲の作品と実物の写真を並べて比較や当時についての推察を記載してくれるのも雑学が増える感じで良かった。

  • 若冲の絵は有名なので随所で見かけていたが作者が誰かを知らなかった。改めてこの作品群を眺めて見覚えのある絵の多さに驚き感心した。
    若冲の魅力は躍動感のある模様と日本の美徳である「非対称性」だと思う。盆栽や日本庭園なんかは特にこの傾向が強く、浮世絵も人間が一筋縄では描けないような造形をしている。これは本物をそのまま描くような作業では描けないし、その非対称性が美しくなければいけない。ただ崩れているだけでは汚くなってしまうからそのバランスにはいつも感心させられ溜息がでてしまうくらいだ。
    特に若冲の絵の構図の洗練されたバランスは他の絵描きを凌駕している。自分がもし時間あって絵を描くとしたら、目標として掲げる絵描きは若冲だろうな。

  • 開催を知ってからずっと楽しみにしてきた若冲展。動植綵絵も出ると聞き、何が何でも行かなければ、たとえ一点でもいい、あれを見ることができるならもう絶対行く!と鼻息を荒くしていたら、なんと全三十点一挙公開だというではありませんか。これはもう空前絶後、少なくとも私の寿命のあるうちには二度とないことは間違いない。巡回はなし。会期はわずか一ヶ月。すさまじい混雑になることが容易に想像されるけれど、今から体調を整えて万全の態勢で、行くぞ東京都美術館。

    予習の一環としてこれを。若冲の描いた生き物に着目して、主要な作品が解説されている。大判で印刷も美しく、ゆっくり見ていると時間のたつのを忘れてしまう。解説の一切ないArT RANDOM CLASSICS版の「動植綵絵」をただただ眺めるのが、私の至福の時間なのだが、これもいいなあ。

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著者プロフィール

秋篠宮文仁:1965年東京都生まれ。理学博士。専門は生き物文化誌。1986年より公益財団法人山階鳥類研究所 総裁。1988年より公益財団法人日本動物園水族館協会 総裁。2007年より東京大学総合研究博物館 特任研究員後、特招研究員。2008年より東京農業大学・同大学短期大学部 客員教授。主な編著書に『鳥学大全』(東京大学総合研究博物館)、『鶏と人-民族生物学の視点から』(小学館)ほか。

「2016年 『ナマズの博覧誌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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