- Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061149076
感想・レビュー・書評
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「シャルロットだけはぼくのもの」米澤穂信
小市民を目指す高校2年の小鳩常悟朗と小佐内さん。夏休みのとても暑い日、マンゴープリンとシャルロットのグレープフルーツのせ、を買って小山内さんの家まで来て、という願いを聞き入れる小鳩。数をめぐるミステリー。
読み切り短編として「ミステリーズ!」vol.13(2005.10.13発売)に発表されたが、後に「夏季限定トロピカルパフェ事件」(2006.4創元推理文庫)に組み込まれた。「小市民シリーズ」はこういうやつだったのか。甘いもの好きの小山内さん。
2005年発表の短編を集めた本書。解説の「推理小説・2005年」(笹川吉晴著)で、<ライトノベル>が俄かに脚光を浴び始めたのと軌を一にするように、その書き手の中から一般読者にも評価される作家も現われてきた。として米澤氏の名前を挙げて、「犬はどこだ」がそうだとしている。
2006.7.10第1刷 図書館詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
伊坂幸太郎目当てで借りた本。
吾輩は地図であるって感じの「独白するユニバーサル横メルカトル(平山夢明)」は文体があわずにスルー。「影屋の告白(明川哲也)」「マザー、ロックンロール、ファーザー(古川日出男)」「挑発する赤(田中啓文)」と三発飛ばして目的の「死神対老女(伊坂幸太郎)」へ到達するも既読。でも再読したけど。
「鬼無里(北森鴻)」をパスして、「流れ星のつくり方(道尾秀介)」を読了。トリックというか、事件はおもしろさがないが、ラストがわりと良い感じ。
オチが笑える「バスジャック(三崎亜記)」を少し楽しみ、なかなか強気の牡蠣物語「Rのつく月には気をつけよう(石持浅海)」でたぶん初めての作者さんを発見し、さすがの「白雨(連城三紀彦)」に唸る。想定外のエンディングは、悲しさを伴った美しさを感じる。
期待の「シャルロットだけはぼくのもの(米沢穂信)」はケーキのお話でサクッとかわされた感じ。
「壊れた少女を拾ったので(遠藤徹)」「糸織草子(森谷明子)」「克美さんがいる(あせごのまん)」はすべてパスして、終了。
全体像は百花繚乱というか、テーマがないというか。アンソロジーってこうなる運命だよなぁ。少し残念。 -
(収録作品)独白するユニバーサル横メルカトル(平山夢明)(日本推理作家協会賞(2006/59回))/影屋の告白(明川哲也)/マザー、ロックンロール、ファーザー(古川日出男)/挑発する赤(田中啓文)/死神対老女(伊坂幸太郎)/鬼無里(北森鴻)/流れ星のつくり方(道尾秀介)/バスジャック(三崎亜記)/Rのつく月には気をつけよう(石持浅海)/白雨(連城三紀彦)/シャルロットだけはぼくのもの(米澤穂信)/壊れた少女を拾ったので(遠藤徹)/糸織草子(森谷明子)/克美さんがいる(あせごのまん)
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短編って短編特有の素晴らしさがあると思うな。
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<font color="#666666"><table style="width:75%;border:0;" border="0"><tr><td style="border:0;" valign="top" align="center"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061149075/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ec1.images-amazon.com/images/I/21FJJHWTQRL.jpg" border="0" alt="ザ・ベストミステリーズ2006"></a></td><td style="padding:0 0.4em;border:0;" valign="top"><a href="http://blog.fc2.com/goods/4061149075/yorimichikan-22" target="_blank"> ザ・ベストミステリーズ2006</a><br>日本推理作家協会 (2006/07/11)<br>講談社<br><br><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061149075/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"> この商品の詳細を見る</a></td></tr></table>
<blockquote><p><strong>ミステリーのプロが選んだ2005年最高傑作14篇
日本推理作家協会賞短篇部門本年度受賞作
平山夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』収録
推理作家なら誰でも、すぐれた短篇ミステリーを書きたいという願いを強くもっている。が、それはもしかすると、すぐれた長篇ミステリーを書く以上に困難な作業である。努力では決してカバーできない、アイデアが“降臨”するための運もまた、作者には必要だからだ。この本におさめられているのは、いずれも日本推理作家協会が認めた、すぐれた短篇ミステリーばかりである。芸と技と思考と思想、そしてアイデアの“降臨”を得た作者の運を、存分に楽しんでいただこう。(日本推理作家協会理事長・大沢在昌)
平山 夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」
明川 哲也「影屋の告白」
古川日出男「マザー、ロックンロール、ファーザー」
田中 啓文「挑発する赤」
伊坂幸太郎「死神対老女」
北森 鴻「鬼無里」
道尾 秀介「流れ星のつくり方」
三崎 亜記「バスジャック」
石持 浅海「Rのつく月には気をつけよう」
連城三紀彦「白雨」
米澤 穂信「シャルロットだけはぼくのもの」
遠藤 徹「壊れた少女を拾ったので」
森谷 明子「糸織草子」
あせごのまん「克美さんがいる」</strong></p></blockquote>
単行本化された作品の一部分だったり、続編だったりするものが多く、既読作品もずいぶんあるが、アンソロジーとして新鮮に愉しめた。
平山夢明氏は初読みだったが、語りが地図の視点というのに驚かされた。</font>