いもさいばん (講談社の創作絵本)

  • 講談社
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本棚登録 : 180
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061332959

作品紹介・あらすじ

おじいさんが丹精込めて育てたさつまいも。今年のできはいいぞ、とほくほく喜んでいたら、そのおイモが盗まれた!誰が盗んだんだ大事なおいも。いもどろぼうを捕まえようとおじいさんは大奮闘。とうとうつかまえたと思ったいもどろぼうは、ウリボウたち。
ところがウリボウやどうぶつたちは、さつまいもを作ったのは太陽や土。だからこのおイモはぼくたちのもの、とゆずらない。さてさてほんとうに悪いのはおじいさん?ウリボウ?
きむらゆういちさんとたじまゆきひこさんが、はじめて一緒に挑んだ意欲作!

感想・レビュー・書評

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  • 『あらしのよるに』のきむらゆういちさんと、『じごくのそうべえ』の挿絵で有名な田島征彦さんのコラボ作品。
    うん、これは泥臭くなりそうだ(笑)と予想していたら、その通り。
    畑で採れたサツマイモは一体誰のものかと、読んだ後も考え続けている。

    おじいさんが丹精込めて作ったサツマイモが、毎晩盗まれている。
    罠を仕掛けたり落とし穴を掘ったりと、その辺りは面白かったのだが、犯人が猪と判明したところから話ががらりと変わる。
    もともと自分たちの棲み処だったところを、人間が勝手に畑にしたのだというのだ。
    「じめんも やまも かわも そらも にんげんだけのもんじゃ ねえ」
    「あめや たいようも にんげんが つくったって いうのけ?」

    おじいさんの味方はいない。もう、寄ってたかって言われっぱなし。
    折衷案などというものは、決して提案されない。
    労働の対価としての収穫なのだが、山の動物たちにその概念はない。
    よくよく聞けば「屁理屈こくな」なのだが、誰のものでもない土地に勝手に作物を作ったのだから、それを奪っても罪でも何でもないという。
    うーん、これって、これって、どこかの国にそっくり。。
    では君たちは、誰のものでもない土地でただ奪ってきたの?
    土地が豊かになるような努力はしたの?
    他のひとたちにも喜んで提供してきたの?
    みんなのものだと言うなら、おじいさんが君たちのものを奪ってもいいの?

    なんて、心の声が様々に乱れてくる。
    田島さんの野太い黒い線がシュールで、こちらに訴える力がそれは大きい。
    秋の読み聞かせにぜひどうぞ。
    中学年から。約8分。
    途中縦に持つページもあるのでご注意。

  • 読み聞かせ時間 4分
    対象 小学4年〜6年
    道徳の授業に使われそうな創作絵本
    おじいさんが丹精込めて育てたさつまいも。毎晩泥棒が少しづつ盗んでいく。とうとうさつまいもをとっているのがイノシシだと気づく。しかし、他の動物達も加勢して、畑の土地を爺さんのものと決めたのは人間の勝手だ、太陽も雨も人間が作ったものではないのに、このさつまいもが人間のものだというのはおかしい。自然のものを勝手に人間だけのものにしているのは、人間の方が泥棒だと動物は言う。

    なるほど。
    どっちがさつまいも泥棒だろう。

  • おくはらゆめさんの「やきいもするぞ」とぱっと見の雰囲気が似てたので同様にコミカルな絵本と思いきや、終盤は教育的な展開でびっくり。人間が作りあげた所有権という概念に自然界が異を唱える話でした。(裁判にはなり得ない気がするけど)
    4歳の娘は主題を理解できたかどうか微妙なところ…。

  • 一筋縄ではいかない絵本。大好きです。

    前半は若干意味不明(なんでおばあさんが穴に落ちてるの?)だけど、

    後半は上質なディベート材料。

    にんげんの意見、どうぶつの意見、それぞれ明確に示されている。
    書いてあることを忠実に読み取れるかもポイント。
    脳みそ使う。

    答えは読み手に任せるのも良い。
    自分の意見を伝える練習に最適では。

    しっかり読み込んで、様々な角度で意見を言い合いたい。

    教科書に載せても良いのではと思う。

  • 5分
    遠目がよくきく
    中学年から
    考えるきっかけになるかな。

  • 「おじいさんが丹精込めて育てたさつまいも。今年のできはいいぞ、とほくほく喜んでいたら、そのおイモが盗まれた!誰が盗んだんだ大事なおいも。いもどろぼうを捕まえようとおじいさんは大奮闘。とうとうつかまえたと思ったいもどろぼうは、ウリボウたち。
    ところがウリボウやどうぶつたちは、さつまいもを作ったのは太陽や土。だからこのおイモはぼくたちのもの、とゆずらない。さてさてほんとうに悪いのはおじいさん?ウリボウ?」

  • 装丁/田中彩里

  • どちらの立場にたって物事をみるか。見方は一方だけではない。小1と年中さんは、動物たちの方が悪いという感想だったけど、また年月を経て読んだときには、どう考えるかな。

  • 秋にちなんで「いも」の本をチョイス。小3兄はそうべぇ好きだったからか、手にとりました。ただ、お話が少し教育感が強かったかなー 反応は薄めでした。

  • 6分

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著者プロフィール

東京に生まれる。多摩美術大学卒業。造形教育の指導、テレビ幼児番組のブレーンなどを経て、現在、絵本・童話の創作、作詞、戯曲・コミックの原作、小説の執筆、講師をつとめるなど、幅広く活躍。『あらしのよるに』で、産経児童出版文化賞・講談社出版文化賞絵本賞受賞、斎田喬戯曲賞受賞。『オオカミのおうさま』で、日本絵本賞受賞。おもな作品に、「あかちゃんのあそびえほん」シリーズ、「木村裕一・しかけ絵本」シリーズ、「おはなしゲーム絵本」シリーズ、「2才からのあそびえほん」シリーズなどがある。

「2022年 『おでかけ版ごあいさつあそび+ピイちゃんパペットギフトセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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