- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061380851
感想・レビュー・書評
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今年は作者のトーベさん生誕100周年ということで、ムーミンを改めて読み返してみました。
やっぱりムーミンの世界観は大好きです。
世界観といっても、ムーミンたちと私たちの考え方は似ているように思います。
1人になりたくなったり、面倒な人付き合いをしたり・・・大人ならこれを読んで、「分かるなぁ」と思ってしまうのではないでしょうか。
あくまで児童書の分類ですが、大人こそ読むべき、大人にしかわからない話もあります。
このムーミンは短編集なので、気軽にムーミンの世界を覗けて楽しめる一冊だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スナフキンのような生き方に憧れ、ムーミンママのような暖かい女性になりたいけれど、いまの私は皮肉屋さんの小さいミィ。
ラストの『もみの木』がおもしろい☆ -
「この世のおわりにおびえるフィリヨンカ」が一番好き。
なんということはないけれど、なにかが起こるのではないかと怯えていたフィリヨンカ。
カーテンを洗っていても、お茶を飲んでいても、心のどこかに怯えを持っていて、それを分かち合える人もいない。
人はみんな、多かれ少なかれフィリヨンカなんだと思う。 -
ムーミンシリーズの短編集。原作では「彗星」から数えて6巻目にあたる。各編のタイトルは、春のしらべ/ぞっとする話/この世のおわりにおびえるフィリフヨンカ/世界でいちばんさいごのりゅう/しずかなのがすきなヘムレンさん/目に見えない子/ニョロニョロのひみつ/スニフとセドリックのこと/もみの木。
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素晴らしい短編集。登録してなかったとは。
たたかうってことをおぼえないうちは、あんたには自分の顔はもてません。
ミィはいつも良いことを言う。
ムーミンパパはいつも別の人生に憧れている。そして自分の人生から立ち去って、自分自身を見失って、確かなのは自分を愛してくれた人の愛情だけと気づいた時に、居心地の良い小さなベランダと愛しい妻の傍にある人生こそが最高の人生だと確認するんだ。それにしても、一体何回家出するんだか。
自分自身のいうことと、いくとこを持っているかが重要だ。 -
いやーこりゃすごい。どの短編も名作。
・春のしらべ
p16
スナフキンのセリフがすごい。
「おまえさん、あんまりおまえさんがだれかを崇拝したら、ほんとの自由はえられないんだぜ。ぼく、よく知ってるがね。
はい虫に対して言う言葉。だけどつれなかったスナフキンも、ティーティ=ウーと名前をつけてやったこのはい虫のことが気になって仕方なくて。。
素敵なお話です。
わたしはこのお話を春になったら必ず読むことにしよう。
・ぞっとする話
想像力豊かな子供が、現実と想像の世界との境界がわからなくなって、頭の中で考えたことが現実になってしまったりする様子がなんともよく表現されていて面白い。
・この世のおわりにおびえるフィリフィヨンカ
凝り固まった頭で何かに怯えていたフィリフィヨンカが、執着していたものを失ったことで解放され、自由を得るというのがなんとも清々しい。重要な教訓を含んでるよなあ。
・世界でいちばんさいごのりゅう
スナフキンとムーミンとりゅうを恋愛における三角関係として読むと、なかなかに悲しいお話。スナフキンの優しさが沁みる。
・しずかなのがすきなヘムレンさん
ほんわか、しみじみします。
とくに公園ができあがったとき。
・目にみえない子
これはほんと考えさせられるお話。
虐待を受けた子は透明になって見えなくなってしまう、という。
自分の本当の感情をあらわにしたとき、初めて姿をあらわすのです。
・ニョロニョロのひみつ
電気を起こすニョロニョロ。
最後の「家にかえったら、けっして電灯はひかないことにしよう。いつまでもふるい石油ランプをつかんだ」というパパのセリフから、もしやニョロニョロって原発の隠喩か?と思ったけどそれはうがった読み方かな。
パパの締めの言葉、「家にいても、ほんとうのパパがそうであるべきほどには、自分はじゅうぶん自由で冒険ずきでいられるのだ、と。」ってのもいい。ほんとにそうだと思う。
・スニフとセドリックのこと
未読。
・もみの木
ムーミンたちはクリスマスを知らないんだねえ!
とてもユーモラスなお話。 -
短編集。
彗星、ムーミン一家を読んでから読むとやや挿絵のクオリティが気になる。
短編ということで、ムーミン以外の登場人物が主役になることが多く、楽しめた。
話のオチをじんわり考えさせられる終わりが多い。
特に「ニョロニョロのひみつ」のラストで、パパがあることを悟る終わり方がとても好き。 -
ムーミンシリーズで最高傑作だと思います。
後半の冬シリーズなので、かなり完成度の高い短編集になってます。 -
ムーミンシリーズの中でも異色の短編集です。他のシリーズでは、主役はムーミン一家といつもの面々ですが、この短編集では主役が「誰それ?」と言いたくなるようなマイナーな顔ぶれ。まさしく「ムーミン谷の仲間達」が短編作品ごとに主役になっています。「しずかなのが好きなヘムレンさん」と「目に見えない子」が特に好きです。