- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061385115
感想・レビュー・書評
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2012.02.12
自身の文章力向上に何か得るものがあるかもしれないと思い、これまでとは全く違った文章に関する本に手を出した。えっ化は筆者の語りが大変面白く、非常に笑えたが文章力向上にどこまで有用化はクエスチョンかも!?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「予定調和」を嫌う人は多い。たとえば、秋元康さんは『企画脳』のなかで、予定調和を打開するように進言している。それ以外にも、「自己啓発」や「プレゼンテーションの手法」と称して、(良い意味で)期待を裏切る・意外性を盛り込む行動を推奨することは多いように思われる。
本書にあるたとえを用いるならば、意外性を盛り込むことは、いわば「ミステリー小説」の文法ということになる。いかに読者を欺き、前代未聞のトリックを成立させるかが重要となるわけだ。一方、本書のテーマでもある「官能小説」はどうか。睦月さんは官能小説について「読者のワクワク感に応えて、セックスをしてほしいときに濡れ場が出てこないといけない。読者の期待に見事に応えるのが官能小説で大切なこと」と述べ、「予定調和の方がいい」とさえ書いている。つまり「官能小説」は、現代において推奨されることとは逆の立場に立つのである。
多面的に物事を考えること、さまざまな立場の意見を知ること、それらが大切だというのは言うまでもない。さて、ここまで書けば、本書がいかに価値のあるものかがおわかりいただけるだろうか。
本書は、これまでに約400冊の官能小説を書いてきた作家による、異例の文章読本である。決して表舞台には出ない、マイノリティーの立場からの本だからこそ、そこから得るものは多いのだ。
【目次】
はじめに 官能小説から見える人間の欲と心理
第一章 文章だけで興奮させる魅惑のエンターテインメント
第二章 興奮させる鍵はキャラ設定にあり
第三章 ストーリー展開は予定調和の成長物語
第四章 人を悦ばせる言葉と表現
第五章 男と女の性とフェティシズム
第六章 官能小説を400冊書き続けた私の方法
おわりに あえて言おう、リアルの恋愛をせよ -
すごくかわったテーマで書かれている
官能小説家がそれをいかにして書いているかということについての本である
文体も読みやすく、目からうろこの面白情報が多く一気に読んでしまった -
「女性大好き!だから官能小説書いてます!好きなことを仕事にするって素晴らしいよね!」官能小説はあまり数読んでないけど、確かに言われてみれば基本フォーマットみたいなものがあるなぁ。はじめてできた彼女とのエピソードにはグッとくるものがある。
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官能作家のお仕事の段取り、意識していること。
【内容】
著者が作品を執筆するにあたって実践していること、
気をつけていることを述べている。
あとは、著者の性癖・趣味・嗜好の話しや経験談など。
<著者について>
400点以上の作品を手がけた官能作家。
毎年30冊程のペースで執筆しているとのこと。
【コメント】
安定して作品を創出し続ける方法は何か、という観点で見ると
やっているコトはワンパターン(悪い意味ではなくて)だ。
段取りを決めルールを設ている。
・やりたいコト※著者の好みのエロの追求。読者を喜ばせること。
・やってはいけないコト※読者が引いてしまうようなこと。
・登場人物※毎回出てくるタイプが決まっている。
・プロット※シチュエーションが違うだけで展開は大体おなじ。
・章立て※全6章で構成(起承転結/予定調和)、ページ数
・章の書き出し※著者の経験で読者の心をつかむ書き出しを心得ている。
・章の中身の展開
など
官能小説は読まないし、著者の作品は知らないけど
仕事ができる人なのかな。と思った。
興味本位にだけ読んでも楽しめると思う。 -
もっと過激な描写とかあるのかと思ってワクワクしてたのに
擬音詞大事です
官能小説読むべきですね
官能小説妄想でイケる -
官能小説家の話。
あんまり面白くなかったけど、この一言だけ役に立ちそう。
「浮気なら許さなきゃ。本気は私たちがやっているんだから」 -
官能小説の中にある読者を興奮させる技法について、ベテラン官能小説作家が纏めたある意味ニッチな本である。
官能小説だけでなく18禁漫画やゲーム等、全ての男性向け性的嗜好表現物に通じるまさに「エロの王道」の技巧の解説書と言える。
作者が引用している著書からの引用には、20代の私から見て古臭いと感じる表現・展開方法は多かったものの、男の求める根幹的なものはいつの世も変わらないだろう。
是非女性にも読んでもらいたい良書。 -
作者の喫茶店訪ねたが、時間に間に合わず閉まってた。残念。
実は作者の作品読んだことないのだ。 -
タイトルに「文法」とあり、帯に「官能小説家の丸秘文章教室」とあることから、読者に対して人物やセックス描写でいかにエロを感じさせるか、その文章作成技法のノウハウ本と思いきや、さにあらず。勿論。、悦ばせる言葉と表現についても触れているが、それは全体の1/6程度。本書の大部分は、人物や場面設定、官能小説の構成の仕方(話の進め方)、目次の書き方、書き手の心構え、読み手がどんな年齢層・学歴・性別で何を期待しているか、そして予定調和つまり読者の期待予想に反しない展開が官能小説の王道であることを説いている。「官能小説家になろうかなぁ」「ネットでエロい文章を書きたいなぁ」と思っている諸氏には最適。細かな技法を模索している諸氏には物足りないかも。ちなみに、筆者が官能小説家として実績のあることは分かるが、自画自賛的な部分が少なからずあり、必ずしも同意できない論を展開している部分が少なからずあるのどうなのかなぁ。