魔法の心理学 (講談社現代新書 784)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061457843

感想・レビュー・書評

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  • マジックの裏側に潜む心理について、高名なマジシャンであり催眠学会理事でもあった高木重郎氏が書いた著書。

    マジック本というのは往々にして、そのあり方として秘匿性が求められるため、一般的な流通ルートに乗ることは無い。
    ゆうきとも氏などが出している一般人向けのマジック本のトリックが、どこかチープに感じるものが多いのもその理由の一つである。本当に有用なものは書けないのだ。
    それでも熟練のマジシャンが経験によって書いた本であり、コラムなどにある演じ方に対する考え方などが参考になるため読むわけだ。
    この本もどこかそのような、トリック自体はチープで、心理学的な話をメインに書いて誤魔化しているものだと思っていた。

    だが、この本はマジシャン向けの本に引けを取らない説明と内容となっていた。
    特に後半の6章7章は、それらを熟達するだけで一生食っていけるレベルとなっている。
    もちろんこの本だけではマスターできないし、よっぽどの努力は要するだろうが、今でも使える種が乗っているのだ。
    正直、これが500円やそこらというのが信じられない。
    これを買って、いくつかの種を練習し、ダンボールに「マジックやります」とでも書いてストリートに立てば、数時間で1万は稼げるだろう。
    それを元手にほかのマジック本を買い、練習をしていくだけで中堅となれるのではないか。
    そんなことを感じさせるほど有用な本であった。

    正直、上の感想は多くのマジック本を読んだからこそ、自然に足りない部分を自分で補足してしまっているというのもあるだろう。
    ただそれを差し引いても、これが一般の流通に乗っていたと思うと少し恐ろしくなってしまう。


    今でこそYouTubeの種明かしなどが問題となっているが、高木重郎氏が全盛期だった頃はマジックが一子相伝の秘伝であり、業界として廃れかねない状況だった。
    それらを適切に情報として残し、伝統を繋いでいかないといけないという意識があったことからも、ここまでしっかりと書かれたのだろう。
    今ではマジシャン向けの特殊な流通で出回る本が増え、量が増えたことからも一つ一つの質がかなり下がった。無駄に金を使うだけのものも多い。
    安易に情報が得られ、発することが出来なかった時代の、重みを持った本だと思う。





    どうかこの本が、軽率なYouTuberなどに見つかり内容を紹介されないことを祈る。

  • マジックのネタばらし本

    面白かった

  • マジックにおける心理的トリックの解説本

    「はじめに」にある問題にまんまとひっかかる。

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    記憶術や心霊研究の話をネタとして仕込んでおくのもいいな。

  • 心理的なトリックの種明かしが中心。
    心理学の本というより、種明かしの本。

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著者プロフィール

昭和5年生まれ。慶應義塾大学経済学部・法学部卒。参議院参事を経て国立国会図書館参事。日本奇術連盟副会長、、日本催眠学会理事など歴任。平成3年没。編著書に『コインマジック事典』『奇術入門シリーズ カードマジック』『奇術入門シリーズ ロープマジック』(以上、東京堂出版)、『大魔術の歴史』(講談社)など多数。

「2017年 『コインマジック事典 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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