幻獣の話 (講談社現代新書 1188)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 108
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061491885

作品紹介・あらすじ

一角獣から鳳凰、ゴジラまで-。人はどこまで空想の翼を翔かせえたか?神話・伝説、宗教、芸術が生んだおびただしい幻獣は、何を物語るか?絶対の美、恐怖の極、珍妙笑止な獣など、人間の華麗な精神絵巻をひもとく。

感想・レビュー・書評

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  • 古今東西の幻獣 --- つまりは想像上の化け物たちに纏わるエピソード集。キメラからゴジラまで、八岐大蛇からユニコーンまでと、カバー領域に制限はない。日光東照宮や寺山修司をネタにした幻獣談もなかなか面白い。様々な幻獣が登場するが、共通点は全て人間の感情が創り出したものということ。この点が一番興味深いところだ。

  • 網羅的に世界各地の神話や伝承、民話とかに出てくる幻獣の話が展開されるかな、と期待して読んでみたのだが、いわゆる「歴史上の幻獣」について触れられるのは最初のほうまで。中盤には一応、それなりに世界各地の幻獣が取り上げられているが、どれも文庫サイズで1ページちょっと程度の扱い。これぐらいならWikipediaで足りる。

    後半は、作家の空想や思考実験の推移について触れていたりして、全体的に「緒茶が書きたいと思ったことをとりあえず書き連ねた」だけという印象が拭えなかった。著者はドイツ文学専攻らしいので、そもそも、民俗学や文化人類学、宗教学的な視点からの幻獣の話を、この本に期待する方が間違いだったか。

    本棚に置いといて再読することは、自分としては無いかな。文学研究者の思考回路を、幻獣をテーマに理解したい、みたいなニッチな需要には応えられる本かもしれんが。

  • 著者:池内紀(1940-、姫路市、ドイツ文学者)

  • ドイツ文学者で稀代の読書家として知られる著者が、古今東西の空想上の生物について綴ったエッセイです。

    ドラゴンや河童といったオーソドックスな幻獣から、ロボットやゴジラなど現代のファンタジーまで幅広く取り上げ、それらを生み出した人間の想像力へと読者の思いを誘います。

  • ヨーロッパ人にとって東方とは長らくインドのことであった。そしてインドには珍獣、幻獣がいると思いこんでいた。インドには翼をもった蛇がいるとか、単脚の人がいるとか。
    日本でもヤマタノオロチやら河童やらいろんな伝説の獣がいた。
    筆者が有名なドイツ文学者だからカフカの小説の中に出てくる怪しい獣らにも触れている。

  • 友人からのプレゼント。良く分かっていらっしゃる

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著者プロフィール

1940年、兵庫県姫路市生まれ。
ドイツ文学者・エッセイスト。
主な著書に
『ゲーテさんこんばんは』(桑原武夫学芸賞)、
『海山のあいだ』(講談社エッセイ賞)、
『恩地孝四郎 一つの伝記』(読売文学賞)など。
訳書に
『カフカ小説全集』(全6巻、日本翻訳文化賞)、
『ファウスト』(毎日出版文化賞)など。

「2019年 『ことば事始め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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