読む技法・書く技法 (講談社現代新書 1268)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061492684

作品紹介・あらすじ

より速く、より深く、的確に本を読むにはどうするか。読書によって蓄積した知識・情報・素材などを文章表現にどう生かせばよいか。よき読み手から、よき書き手をめざすための実践的ノウハウを伝授。

感想・レビュー・書評

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  • 源氏物語を中心に日本文学の研究をおこなってきた著者が、自身の研究方法を踏まえて、本の読みかたや文章の書きかたについて論じている本です。

    本書で紹介されている方法は、キーワードを中心に読書メモをとりながら本を読み、それをもとに読書ノートをまとめて執筆活動につなげていくという、やや素朴なものです。目を引くようなテクニックが提唱されているわけではありませんが、著者自身の研究のしかたを例に、文学研究の現場をうかがい知ることのできるという点で、個人的には興味深く読みました。

    著者は、社会科学を学んだ友人から、「あなたの文章は、たくさん用例を挙げているけれども、何一つとして証明はしていないね」といわれたことがあると述べています。それに対して、文学の研究は社会科学とは異なり、「人間の心」という永遠に未知なるものを探究するものであり、具体例の力にもとづいて文章に説得力をあたえ、「仮説の提示」にはいたらなくとも、「仮説の後押し」をすることができると述べています。文学研究が、かならずしもこうした議論に終始しているわけではないと思いますが、著者の論じているような側面はまちがいなく存在しており、そのような議論を構築するための方法として、有益な内容だと思います。

  • ・キーワード読み
    ・・数字
    ・読書メモから読書ノートに転記
    ・・読書メモ ページ、メモ B5縦半分に折って
    ・読書ノート
    ・・1項目1ページ
    ・・大学ノートの裏表紙に項目名一覧

  • 書くための読む技術。基本的な文法や文章構成から

  • 2010/09/24

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著者プロフィール

1955年長崎県生

東京大学文学部卒業、東京大学大学院修了。博士(文学)

電気通信大学名誉教授

2020年4月から、NHKラジオ第2 古典講読「王朝日記の世界」を担当。2023年4月から再び「古典講読・日記文学をよむ」を担当。

主要著書
『新訳十六夜日記』『新訳うたたね』『新訳紫式部日記』『王朝日記の魅力』『新訳 蜻蛉日記上巻』『新訳 和泉式部日記』『新訳 更級日記』『和歌の黄昏 短歌の夜明け』(いずれも、花鳥社)、
『塚本邦雄』『竹山広』(コレクション日本歌人選。共に、笠間書院)
、『源氏物語の影響史』『柳沢吉保と江戸の夢』『心訳・鳥の空音』(いずれも、笠間書院)
、『北村季吟』『三島由紀夫』(共に、ミネルヴァ書房)
、『源氏物語に学ぶ十三の知恵』(NHK出版)、
『大和魂の精神史』『光源氏の人間関係』(共に、ウェッジ)
、『文豪の古典力』『中島敦「山月記伝説」の真実』(共に、文春新書)
、『源氏物語ものがたり』(新潮新書)、
『御伽草子の精神史』『源氏物語の話型学』『日本文学の眺望』(いずれも、ぺりかん社)、
歌集『夢の遺伝子』(短歌研究社)

「2023年 『新訳 建礼門院右京大夫集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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