- Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061492684
作品紹介・あらすじ
より速く、より深く、的確に本を読むにはどうするか。読書によって蓄積した知識・情報・素材などを文章表現にどう生かせばよいか。よき読み手から、よき書き手をめざすための実践的ノウハウを伝授。
感想・レビュー・書評
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源氏物語を中心に日本文学の研究をおこなってきた著者が、自身の研究方法を踏まえて、本の読みかたや文章の書きかたについて論じている本です。
本書で紹介されている方法は、キーワードを中心に読書メモをとりながら本を読み、それをもとに読書ノートをまとめて執筆活動につなげていくという、やや素朴なものです。目を引くようなテクニックが提唱されているわけではありませんが、著者自身の研究のしかたを例に、文学研究の現場をうかがい知ることのできるという点で、個人的には興味深く読みました。
著者は、社会科学を学んだ友人から、「あなたの文章は、たくさん用例を挙げているけれども、何一つとして証明はしていないね」といわれたことがあると述べています。それに対して、文学の研究は社会科学とは異なり、「人間の心」という永遠に未知なるものを探究するものであり、具体例の力にもとづいて文章に説得力をあたえ、「仮説の提示」にはいたらなくとも、「仮説の後押し」をすることができると述べています。文学研究が、かならずしもこうした議論に終始しているわけではないと思いますが、著者の論じているような側面はまちがいなく存在しており、そのような議論を構築するための方法として、有益な内容だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
書くための読む技術。基本的な文法や文章構成から
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2010/09/24