キャラクター小説の作り方

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061496460

感想・レビュー・書評

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  • なんでRPが苦手なのかちょっとわかった関係ないけど

  • 了。

  •  作者=登場人物ではない、といった考え方には共感。ただ、前半部はいいけど、後半部は思想っぽくなって余り実用的ではない気が。
     9.11後のアメリカや日本の行動をフィクション的文脈でもって批判するのは面白いし、正しいとは思うけど、個人的にはアメリカも中国も物語を作って現実の政治を作っているわけだから批判というよりそれを自覚的に応用すべきではないかなーとか思った。

  • その実用書の装いを侮るなかれ。中身は射程の長い超骨太の「これからの文学」に関する理論書。いくつも出版社を変え刊行され続けてきた理由も納得。中身は手塚等の図表の引用も満載で読みやすい。前半は実用書の装いを全面に出し読者を引き込み、後半に持論を圧倒的に展開していく様は圧巻。

  • ライトノベルが「漫画やアニメの再現」を目指して生まれ、それ以前のジュブナイル小説とは断絶があるという話や、明治文学の「私小説」との共通項など。実に興味深い一冊。執筆法に関する「手法」の話も面白い。

  •  この本を読み始めてみて最初の方は小説の作り方についての話で、久しぶりに小説を書いてみたいなぁと感じた。ところが読み進めていくうちだんだん、小説の作り方というよりも批評、キャラクター小説のあり方についての著者の意見になってきた。それはそれで面白かったけれど、「キャラクター小説の作り方」というタイトルをみて購入した人は、ちょっと期待外れと感じるのではないだろうかと思われた。
     この本が、キャラクター小説の作り方の本として優れているかどうかは別として、本の内容自体は様々なキャラクター小説、漫画、文芸作品について触れられていて興味を持って読むことができた。サブカルチャーという文化を眺めて見るという格好で、この本を読んでみるのも面白いのではないかと感じた。
     ところでこの本で戦争、テロについて触れられているが、これを読んだ今日が偶然9月11日だった。別にだからどうということはないが、今日がそういう日であることはほとんど忘れていた。

  • 911以降の「物語」を票集めに利用したアメリカ・ブッシュ政権
    そんなものを例に挙げるまでもない
    神話の時代から、物語はいつも政治の道具だった
    人々は、物語の中に正義を見た
    戦う理由を見つけては、アドレナリンを上げてきた
    結果として民衆は、為政者の思うがままに動かされてきたのである
    現実と物語の区別もつかないままに

    それが現代に到っても続いている
    そういう意味では現代人も、キリスト教に教化された野蛮人も、
    精神的なレベルにおいて大きな差はないと言える
    だがそんなことでいいのだろうか
    人類の意識は、新たなステージへと高められるべきではないか
    そのためには、お仕着せの「物語」に抗するだけのものを
    各個人がオリジナルとして作れるようにならなければならないのである

    しかしそのようにして細分化された物語は、小さな対立を大量に生み出すだけだ
    細分化された「小さな物語」の残骸は、
    やがてそれを回収する「大きな物語」の呼び水となるのである
    (それを描いたのが「バトルロワイヤル」だった)
    あくまで「大きな物語」を拒絶したいと考えるならば
    部屋に引きこもって、独自の「小さな物語」の世界にひたっているしかない
    実際、現実に関係ないところでオリジナルの「小さな物語」を構築するテクニック
    というものがある
    例えば、ある漫画のストーリーに、別の漫画のキャラクターを当てはめるような

    この本は、そんな「二次創作」の手引書として出発し
    それが「大きな物語」の縮小コピーでしかないことを看破したうえで
    読者を、読者自身の現実取材によって構築される世界…
    すなわち「一次創作」の世界へと導いていこうとする
    ただ、よくわからないことにこの作者は
    「二次創作」を「一次創作」よりも価値のあるものと考えているフシがあって
    …ちょっと混乱する
    両方のよいところを取り入れろということなのだろうが
    それってどうやっても二次創作にしかなりえないような…

  • 大塚英志の情熱は素晴らしい。この1冊だけでみたら、考えさせられることも参考になる手法も多く有益。

  • カードを使ってナントカってあたりはうすらぼんやり記憶にあるけど、大部分が忘却の彼方。読んだ当時はつまらないとは思わなかったような気がするんだけど。

  • やっぱり、ボードゲームが話にかかわってこないといけません。

    1話で1つボードゲームの紹介が入るような話。

    主人公は、じゃあ、ボードゲームをする人。

    うーむ。欠けたものの設定をしなければ。
    欠けているのは、……一般常識……って、それは、わたしのことか(爆)。お金…(生なましい話になりそうなのでパス)。やっぱり、一緒に遊んでくれる友だちあたりが無難か。

    じゃあ、遊ぶ場所はあるけど、人がいないことにしよう。
    そうすると、主人公は、どうするのか?ゲームサークルを作る?

    これって、「アクア・ステップ・アップ」やん!

    ……中略……

    これって、「遊戯王」やん!

    すいません。嘘です。書きません。

    でも、後半が、おもいっきりアジびらになっているあたりが大塚さんらしい。
    まあ、おもしろいんだけど。

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著者プロフィール

大塚 英志(おおつか・えいじ):大塚英志(おおつか・えいじ):1958年生まれ。まんが原作者、批評家。神戸芸術工科大学教授、東京大学大学院情報学環特任教授、国際日本文化研究センター教授を歴任。まんが原作に『アンラッキーヤングメン』(KADOKAWA)他多数、評論に『「暮し」のファシズム』(筑摩選書)、『物語消費論』『「おたく」の精神史』(星海社新書)、他多数。

「2023年 『「14歳」少女の構造』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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