若者殺しの時代 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498372

感想・レビュー・書評

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  • ちきりんさんのブログの紹介を見て図書館で借用。
    時代の流行は移行のスパンが長すぎてその曲率変化点をひとは見逃してしまう。ホリケンさんは誰もが気づかなかった時代の変化点を資料を丹念に浚って明らかにしてくれた。

    クリスマスが家族のイベントから恋人たちのイベントに変わったのはanan 1983年12月号の特集「今夜こそ彼の心(ハート)をつかまえる」に端を発する。男性誌がクリスマスを彼女と過ごすイベントとして捕らえ始めたのは1987年のポパイ誌であった。

    商品化されたクリスマスは二度と家族だけのイベントには戻らない。さみしさや郷愁を感じているのは同時代に生きるわれわれだけなのだ。その断面を切り取ってくれた著者の功績は大きい。

    フジテレビでクリスマスの深夜に必ず放送されている「明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー」を思い出した。wikipediaに項目まで立てられていた。
    『1990年から毎年、クリスマスに近い時期にフジテレビ系列で生放送される特別番組(バラエティ番組)。1997年からは毎年12月24日のクリスマス・イヴの深夜(日付上は12月25日、クリスマスの未明)に放送されている。』

    あの番組で恋人たちのクリスマス狂想曲が面白おかしく取り上げられていた。1990年代、クリスマスイブの日はホテルの予約が取れなだったんだよ。バブルを知らない世代にはぴんとこないエピソードだと思う。

  • 学生の単位が「取る」ものから「来る」ものに変わっているという指摘は初耳。本当ですか?

    ディズニーランドはウォルトディズニーの妄想の世界だから、
    男には居心地が悪い。というのが印象に残った。

    後半からの恋愛のレートの話が特に興味深かった。
    80年代に女の子が恋愛のレートをあげて、結果としてみんな不幸になった。
    「東京ラブストーリー」のリカからの、男と女のズレの始まり。
    女と男の賭場のレートが釣り合わなくなった。
    80年代に高騰して、90年代に高値安定してしまった未婚女性の結婚レートを、
    適正レートまで下げましょう、というのが今の「婚活」の正体なのかも。

    新幹線のネーミングは「こだま(音速)」→「ひかり(光速)」と来て、
    精神論的なネーミング「のぞみ」になる。
    今度名付けるとしたら、自分だったらリニアには「またたき」かな。
    もしくは個の社会ということでTwitterっぽく「さえずり」とか。

  • ワープロの出現でミステリーが長くなる 手書きなら削ってしまうようんディテールを細かく書くようになった

    新横浜駅の格上げ 東京の拡大

    単位をとる 最近は単位がくる

    若い人が居場所を確保する可能性は2つ
     一つはこの社会を破壊すること
     もうひとつは、社会から逃げること

    にげるには、ひとつは伝統文化を身につけること、とにかくいまのシステムをやわらかく否定すること 文化を徹底してカラダで身につけること

  • まず、文章が流暢で読み心地が良い。言い回しが面白い
    >昔の雑誌を介して怒られるのは理不尽なのだが、怒ってる内容は正しい。
    >女性に怒られるときは、いつだってそうだ。入り口は間違ってるんだけど、指し示しているポイントが恐ろしいほど正確なのだ。何も言い返せない。


    >第一陣の逃亡者たちは、ほとんど捕まってしまい「ニート」という立派な名詞が与えられてしまった。いまは構成しろと監視されている。
    >あきらかに逃亡する前よりも扱いが悪くなっている。次の逃亡は慎重にやったほうがいい。

    とかね。

    目の付け所が面白い。
    多くの人が見過ごすであろう、社会の変化から独自の分析・持論を展開している。
    ・雑誌が若者をターゲットにし始めた
    ・トレンディドラマが女性の価値観を変えた
    ・単位は取るものではなく、来るものになった
    とかね。

    主張としては、社会の変化はどんどん若者を生きづらくしているということらしい。でそれを作っているのは、かつて若者だった大人たちということになるのかな。
    別に、誰かが悪意をもって若者から搾取しているわけではない。
    今の延長線上で、努力をすれば明日は今日よりきっと良くなる的な価値観がそうさせたのだと思う。若者は苦労しても、歳を取れば報われる的な固定観念がね。

  • 文春で連載されているタッチとはまた違って、おもしろかった。

  • 2010/05/18購入。時代が流れているのを見られたのがよかった。あまり昔のこと知る機会ないしなぁ。

  • 若者向けメディアから見る社会論。
    はてな界隈で良く言及されている一冊。
    著者の堀井憲一郎は1958年生まれのしらけ世代(2006年の出版時点で48歳)。


    世の流れはとかく外を目指していたように思う。
    外を目指して交通網が発達し、通信手段が増えた。
    人とをとりまく環境がどんどん外側を指向した結果、個人は孤になり、現在では人の中身までが外に流出している。
    ハレとケの差はない。
    物理的に外に出ても、いつでも自分の環境が再現できる。
    どこまでも家の延長で、どこにも自分の場所はない。

  • 購入:2010/4/30、読了:-/-/-

  • タイトルに偽りあり。
    著者らしいと言えば著者らしいのだが。

  • 2009年2月22日開始
    2009年2月22日読了

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著者プロフィール

1958年生まれ。京都市出身。コラムニスト。
著書に『かつて誰も調べなかった100の謎 ホリイのずんずん調査』(文藝春秋)、『青い空、白い雲、しゅーっという落語』(双葉社)、『東京ディズニーリゾート便利帖 空前絶後の大調査!』(新潮社)、『ねじれの国、日本』(新潮新書)、『ディズニーから勝手に学んだ51の教訓』(新潮文庫)、『深夜食堂の勝手口』(小学館)、『いますぐ書け、の文章法』(ちくま新書)、『若者殺しの時代』『落語論』『落語の国からのぞいてみれば』『江戸の気分』『いつだって大変な時代』(以上、講談社現代新書)などがある。

「2013年 『桂米朝と上方落語の奇蹟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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