西行物語 (講談社学術文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061584976

作品紹介・あらすじ

鎌倉時代成立の『西行物語』は、歌人西行の生涯を記した伝記物語。友人の急死に世の無常を知った藤原義清は、娘を縁から蹴落して恩愛の道を絶ち、二十五歳で出家して西行と名のる。伊勢から関東へ、陸奥から四国と旅を重ねつつ、歌ごころの涌くままに詠ずる名歌は、彼のひたすらな道心をはぐくみ、ついに「願はくは花の下にて春死なむ」の願いどおり極楽往生を遂げる。数奇と道心の生涯を伝える物語のはじめての全訳である。(全一冊)

感想・レビュー・書評

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  • 西行という伝説のアーティストを、彼の和歌を繋いで「伊勢物語」っぽい伝記風に書いた物語です。この世の栄華を捨てて出家者として、旅と和歌に生き、極楽往生を遂げたという鎌倉時代らしいストーリーです。宗祇や芭蕉も読んでいたのかな。

  • 西行 物語 

    西行の和歌に伝記的な物語を挿話した本。

    桑原博史 氏のわかりやすい用語解説や和歌の現代語訳のおかげで読めた。さらに 西行物語の事実と異なる点や 作者の解釈不足な点を一刀両断。

    西行の人生が 風雅な心 と 求道心の間で揺れ動き、最後は両者矛盾なく一つの道として 極楽浄土へ救済されたという物語構成。仏教説話的な物語構成で面白みに欠ける。 


    3首の和歌は印象に残った
    「年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけり小夜の中山」
    年をとっても小夜の中山を越えられた〜神仏へ感謝

    「風になびく富士の煙の空に消えて行方も知らぬわが思ひかな」
    富士山の煙が消えるように わが思いもどこへ行くかわからない

    「願はくは 花のもとにて 春死なむ その如月の望月の頃」
    願わくば桜の花の下で死にたい。釈迦入滅の2/15に


    西行の求道心
    *現世無常〜現世に生まれることは 宇宙から糸を下ろして大海の底にある針穴を通すように難しい
    *臨終正念、往来極楽〜臨終のとき心乱さず、死後は極楽へ
    *不生不滅=生滅を繰り返す世界を超えた永遠の真理
    *本地垂迹(ほんじすいじゃく)=神仏習合 思想


  • NHK大河ドラマ平清盛で興味を持って読み始めたんだけど、自伝的なものかと思ったら、そうじゃないんですね。
    でも、この本は全訳と解説付きで、和歌をもって仏道に人生を捧げた西行の人となりは分かります。

    この春は花を惜しまでよそならむ 心を風の宮にまかせて

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