聖なる場所の記憶: 日本という身体 (講談社学術文庫 1217)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061592179

作品紹介・あらすじ

日本文化を考えようとする時、「聖なる場所」は特別の意味をもっており、例えば神は、ある特定の山、川、海などに鎮まるとされる。そこにはある特殊な情報や記憶が融合されて、人間の想像力というよりも場所のもつ力が憑依して、そこを特別の聖域にしていくのである。国学者・篤胤や折口の思想は、いかなる場所から現れ出たのだろうか。異能の宗教哲学者が初めて構想した日本の精神地理学。

感想・レビュー・書評

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  • 読むのが非常につらい本でしたね。
    融合させてはいけない組み合わせが組み合わさって
    大変危険なものになってしまったぜ。

    もうこうなった場合は
    気になる点だけ読みましたけれどもね。
    花崗岩という代物の不思議とかね。

    それと国学を批判したある人物は
    なぜにそう至ったのかとね。

    カオスすぎる…

  • 『身体の宇宙誌』(1994年、講談社学術文庫)につづき、著者がさまざまな雑誌などに発表した論考をまとめた本です。

    前半には、平田篤胤や折口信夫、あるいは鞍馬山の祭礼にかんする論考などで構成されています。後半は、本書のサブタイトルになっている「日本という身体」を題にもつ論考で、慈円や吉田兼倶、あるいは江戸時代の国学や水戸学の思想を参照しながら、「日本」という地の宗教学的な観点からの意味づけがどのようなしかたでおこなわれてきたのかということをたどっています。

    慈円の『愚管抄』についての考察は、興味深く読むことができました。保元の乱以降の日本を乱世と規定し、「血」と「地」の継承によってこれまで保たれてきたと主張して、それがもはやうしなわれてしまったと嘆く慈円の思考は、こうした秩序を支える「霊」へと向かい、「神国」思想へとつながっていることが明らかにされています。さらに著者は、そうした「神国」思想の「源」を求め、それを捏造することになった吉田兼倶に着目し、こうした彼の執念はいったいどのような考えにもとづいていたのかということを論じています。

    著者の本を読んできた読者には問題がないのでしょうが、ブラヴァツキーやシュタイナーといった神秘主義者の教説を飛び石のように伝いながら展開されていく議論は、ついていけないというひともいるのではないかという気がします。

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著者プロフィール

1951年、徳島県生まれ。國學院大学文学部哲学科卒。武蔵丘短期大学助教授。著書に『神界のフィールドワーク』『記号と言霊』(青弓社)、『翁童論』『老いと死のフォークロア』(新曜社)、『場所の記憶』(岩波書店)他。

「年 『記号と言霊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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