天使論序説 (講談社学術文庫 1232)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061592322

作品紹介・あらすじ

天使とはなにか、天使というものは本当に実在するのだろうか。西洋の長い思想の歴史の中で、二千年以上に及ぶ長い期間、多くの優れた思想家が天使について様々な探究と思索を行なってきた。本書は、天使を神話やメルヘンの世界の想像力の対象としてのみならず思想史の流れに立ち返り、学問的研究の対象として捉えることによって、現代人の自己実現と認識が図れると説く卓越した書き下ろし天使論。

感想・レビュー・書評

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  • 論文特有の書かれ方なので読むのに苦労しましたが、内容は好きです。
    天使モノの創作の参考になりました。
    今までにない天使の概念が生まれました。

  • これはまあまあ強烈というか
    行ってしまうと著者が感じる疑問というか
    一種のわがまま(これはうちが感じたまま)とか。

    世の中には意識しなければ決して
    わからないというものがあります。
    全ての根源とは何か、
    その根源というものはどういう存在なのか。

    まあその絶対的な存在の下に
    天使(地位別)がいるのですけれどもね。

    天使も絶対的存在と同じように
    思えてきますがそうではないのです。
    そうでなければキリスト教にいる
    堕天使なんかいないわけでして。
    彼らも元々は善の存在だったのが
    何らかの傲慢な行為で
    堕していったのですから。

    たぶん終盤まで
    わからない人はわからないままで
    終わりそうな予感です。

  • 神は思考の対象とならないという考えに疑問を呈する、語り口は柔らかいが刺激的な本です。神、天使、人、という異なる存在があることを前提とするとき、人の自由とは何なのか、それは慣れることだ という言葉に納得するところも感じました。

    北九州市立大学:法律分野 教員 福重さと子

  • 天使を想定した哲学、といった感じです。

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著者プロフィール

稲垣良典(いながき・りょうすけ)
一九二八年生まれ。中世哲学。東京大学文学部哲学科卒業。アメリカ・カトリック大学大学院(哲学)M.A.、Ph.D取得。ハーバード大学法学部研究員。南山大学、九州大学、福岡女学院大学、長崎純心大学大学院教授などを歴任。著書『現代カトリシズムの思想』(岩波新書、一九七一年)、『トマス・アクィナス「神学大全」』(講談社選書メチエ、二〇〇九年)、『カトリック入門』(ちくま新書、二〇一六年)、『トマス・アクィナス哲学の研究』(創文社、一九七〇年)、『習慣の哲学』(創文社、一九八一年)、『抽象と直観』(創文社、一九九〇年)、『神学的言語の研究』(創文社、二〇〇〇年)、『人格〈ペルソナ〉の研究』(創文社、二〇一〇年)、トマス・アクィナス『神学大全』翻訳(創文社、一九七七~二〇一二年)で毎日出版文化省受賞、『トマス・アクィナスの神学』(創文社、二〇一三年)、『トマス・アクィナス「存在(エッセ)」の形而上学』(春秋社、二〇一三年)で和辻哲郎文化賞受賞。

「2017年 『nyx 第4号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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