古代ギリシアの歴史 ポリスの興隆と衰退 (学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061596658

作品紹介・あらすじ

小王国分立から、外敵の侵入による混乱の時代を経て、紀元前八世紀に都市国家・ポリスの成立を見た古代ギリシア。民主主義の原点として、前五世紀に黄金期を迎えるポリスはいかに発展し衰退したか。アルファベットやオリンピア競技、ホメロスの詩、ソクラテス、プラトンの哲学など西洋文明の源流をたずね、古代ギリシアの栄光と落日をたどる名著。

感想・レビュー・書評

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  • ギリシャの歴史がポリス前 ~アテネ滅亡まで描かれている本

  • ディテールの記述が多く、全体の流れが掴みづらかった。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/740443

  • 本書の基礎は、古代ギリシアの政治単位ポリスの興隆・展開・衰退の叙述である。そこでまずクノッソス宮殿や線文字Bに代表される先史時代から筆をおこし、考古学上の知見やホメロス・ヘシオドスの詩の分析から、貴族と平民にさほど社会的な距離はないながらも貴族政的な姿を備えていた初期のポリスの誕生が描かれる。その後は、ギリシアの代表的なポリスであるスパルタとアテネ、特にアテネ民主政の発達を中心にして、古代ギリシア世界の活発な植民活動やペルシア・ペロポネソス戦争などが描かれる。それと同時に、民主政の展開を支えた社会経済上の動向も克明に描かれている。そして最後に、ペロポネソス戦争以後ペルシア帝国やマケドニア、ローマといった近隣の大国の動向に翻弄され、最終的に政治的独立を失う古代ギリシア世界の凋落が描かれる。元になっているのは1976年出版の『ギリシアとヘレニズム』であり、その後の研究の進展なども考慮するべきではあろうが、きわめて生き生きとした叙述で読者を飽きさせない良書である。

  • IS5a

  • アルファベットの成立から古代ローマ占領までの,ギリシアの興亡を1冊にまとめた本。民主主義を考える上では外すことのできない,ポリスについての流れを中心に書かれている。

  • 図書館で借りてきました。特に後半は人名の固有名詞が多いです。歴史の素養のない私は読むのに苦労しました。
    第一章はギリシア時代の文字をいかにして解読していったかという話になっています。古文書の内容が少しずつ明らかになっていくさまは大変興味深く読めました。
    その後、政治の話、ポリスの話へと進んでいきます。奴隷に支えられた市民の暮らしが見えてきます。奴隷といっても、何も鎖に繋がれて炭鉱を掘ったりするような生活ばかりではないとのことです。地道な作業を仕事としてやるのをギリシア人は良しとしないそうで、そういう作業を奴隷にやらせるそうです。なかには鉱山の経営を任される奴隷もいるとか。当時の奴隷は、現代のサラリーマンみたいな感じなのかもしれません。
    いくつものポリスが同盟を組んだり敵対関係にあったり、また同盟の中心的ポリスが弱くなると周辺のポリスが同盟を抜けたりと、なかなか落ち着かない様子です。紀元前の時代から国際政治が国家存続に重要な位置を占めていて、現代とそんなに変わらないものなんだなと思って読みました。

  • 先史文明時代からローマの支配下に入る前2世紀までの古代ギリシアについての、スタンダードな概説書。
    時代ごとの分量配分も偏り少なく、学者によって複数の議論が戦わされている分野に関しては対立する学説を両方紹介するなど、スタンダードと呼んでいいほどのバランス感覚で、古代ギリシア史を分かりやすくまとめている。
    一方で著者独自の史観とか、ユニークな切り口はないので読み物としての迫力は欠けるかもしれない。
    また政治史中心で文化史への目配せは多いとは言えない。

    とはいえ、古代ギリシア史の研究の変遷を知れる点と、ギリシア政治史の変遷を抑えるには安心して任せられる一冊だと思う。

  •  読みやすかったです。その分、記述が少しさっぱりしている印象も。

     個人的に、特に面白かったのは以下の点。
    ・クレタ文明、ミケーネ文明が崩壊してからポリスが林立する社会に移行するまでの考察にページが割いてある。
    ・ペロポネソス戦争後、ローマ帝国に併合されるまでの衰退期のポリス社会について記述されている。

     ポリス最盛期の時代の前後が知りたかったので、ちょうど良かったです。
     底本は1976年刊。同時代を扱った他の本とも読み比べ、じっくりと読みこんでいきたいです。

  • ポリスが生まれてから潰えるまで、ざっくばらんに紹介。
    複数の推論を語られていること、一つずつの節が短く、
    リズムよく読めるところが良い。

    歴史を学ぶ際に、一つの推論では偏りがあるように思えるし、
    その逆に多すぎても整理がつかなくなる。
    個人的にはちょうどいい情報量で読めた。

    ギリシャ神話・悲劇にふれだして、それらがどのような背景で作られたか知るにはちょうど良い気がした。

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