- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061820807
作品紹介・あらすじ
揺るぎ無いはずの「日常」が乱れる時、人の心の奥に潜む「闇」と直面する。精神の内からわき出る「妖怪」という名の怪異。他人の視線を以上に畏れる者。煙に格別の執着心を持つ火消し。笑うことができない峻厳なる女教師。海に強い嫌悪感を抱く私小説家。人が出会う「恐怖」の形を多様に描き出す十の怪異譚。
感想・レビュー・書評
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短編ということで期待せずに読んだのですが、意外におもしろかった。
百鬼夜行シリーズを読んでから読むべし。
でないと登場人物や意味がわからないでしょうね。詳細をみるコメント1件をすべて表示-
おびのりさんその通りでした。その通りでした。2023/06/11
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やはり京極夏彦は長編です。
最後の川赤子だけ姑獲鳥の夏のプロローグになっているので面白いが、他の短編は印象に残らない駄文に思う。
ぶちぶちと印象が途切れる感じがしてつまらない。
やはり京極夏彦は長編です。 -
多分二度目の読了かな?短編集。
以前もそうだったけれど、なかなか読むのに時間がかかる。と、いうより続けて読みたいと思わないので、本そのものから何故か遠のいてしまう。おそらくは、本編の話を思い出すことに都度都度苦労しているのかな?長編は時間を忘れてよんでしまうのだけれど。
面白くないわけではないです。暗くて良い感じ。
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1999年発行、講談社のノベルズ版。10編。決してつまらないわけではないのだが、短くて物足りない。この登場人物、どの本に出てきたかが気になる。全く覚えていないから調べたくなる。きりがなくなりそうなので調べないし、この本の内容だけでも面白いからいいのだが。そういう意味でどの本のどの時期の話かがはっきりわかる「川赤子」は安心できた。
収録作:『小袖の手』、『文車妖妃』、『目目連』、『鬼一口』、『煙々羅』、『倩兮女』、『火間虫入道』、『襟立衣』、『毛倡妓』、『川赤子』、 -
百鬼夜行シリーズの姑獲鳥~塗仏の宴の登場人物のサイドストーリー。
だいぶ前に購入していたのですが、本編を塗仏まで読めてなかったので積読になってました。一番内容を覚えているのが姑獲鳥で、順番的に一番新しく読んだはずの塗仏の内容をさっぱり忘れているという不思議…いや、残念脳。
独立した短編としても十分楽しめると思いますが、やはりああこの人…と思い出しながら読むのが楽しかった。まさに百鬼夜行シリーズに捨てるとこなし。人物相関図を載せた公式ガイドブックがほしいところ。
「川赤子」がなんだか切なかった。関君はもっと雪絵さんを大切にしてあげて…。でも雪絵さんはそんな関君のことが好きだから連れ添ってるんだろうな。京極夫妻の話も読みたい。 -
『姑獲鳥』~『塗仏』までの〈京極堂〉シリーズのサイドストーリーという趣。
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姑獲鳥から塗仏に至る事件の背後に何があった!
京極堂シリーズに登場した脇役たちの事件の背景が10話の短編として描かれている。
1番怖かったのは第九話、木下の物語。
最後は関口君が京極堂を訪ねる経緯を描いた姑獲鳥の夏のプロローグ。
これでまた京極堂シリーズを読みたくなる。
狡いな〜 -
百鬼夜行シリーズ等に登場する人物に関する短編。短編だったので、シリーズの他の作品ほどの読みごたえはなかった。百鬼夜行シリーズの既刊のものを読んでから読んだ方が良い。
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再読。
京極堂シリーズはなんども読み返してるせいか本書に登場する人物をほとんど覚えていた。
好みは「俺を視るなァッ!」でおなじみの平野を描いた
「目目連」。
どの話もうっすら厭な感じ。
おなじみの憑き物落としがない分その感じが読後も付き纏う、それはそれで味わい深かし。
誰かあの坂を登って古書店に向かっておくれ。 -
京極夏彦の京極堂シリーズ長編作品に登場する人物をさらに
掘り下げる短編集。各話妖怪を表題にしており、その妖怪に
見立てた「人のあり方」が描かれている。妖怪小説とあるが
人間小説である。長編の世界をさらに深めるために読むのが
正解なのだろうが、それぞれが妖怪の生まれる瞬間を描いた
小説であるとも言えるだろう。妖怪は人間がいなければ記述
され得ないのだ。全体に渡って抑圧された過去という構造が
多いのが少し気にはなったが、あっという間に楽しんで読む
ことができた。