QED 式の密室 (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061822290

感想・レビュー・書評

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  • 事件よりも安倍晴明蘊蓄に興味がそそられ、むしろそこしか覚えてない。

  • 請求記号:タカダ
    資料番号:010091973

  • 久しぶりに再読。式についての、この解釈は、他の話にとって、困ったことになりそうな。

  • QEDシリーズ第5弾。
    久しぶりにまとまった読書をしている。
    このQEDシリーズは、京極堂の語りと森博嗣の犀川先生のマニアックさを兼ね備えた雰囲気のシリーズ。
    京極堂と犀川先生役は、漢方薬局勤務の薬剤師・桑原崇。

    今回は、40年前に起きた陰陽師死亡事件を解き明かすお話。
    137ページの薄い本で、コンパクトにまとまっていて、とても良かった。

    特に心を惹かれた部分。
    桑原崇による、「平安時代の人と鬼について」の解説。

    平安時代は、鬼や狐、河童、天狗、魑魅魍魎の跋扈する時代。
    陰陽師・安倍晴明が式神を使役した時代。

    平安時代、支配階級の貴族たちは、「人」とは五位以上の官位を持つ者のことと定義していた。それ以外の庶民は人ではなかった。
    「鬼」とは、朝廷から国を追われた民のことだった。
    住んでいた土地を追われた民。
    自分たちの土地と権益を守るために戦って負けた民。
    自分たちに対抗する、自分たちにとって都合の悪い人々のことを「鬼」と決めつけ、住む場所を奪い、穢れた者として扱った。
    そのようにして、朝廷や貴族は自分たちの生活を守っていた。

    力は正義。
    勝者によって作り上げられた歴史観によって蔑視された人々。
    朝廷に生活を奪い取られ、被差別民とされた人々。
    朝廷が作り上げた差別の構造を支え追従していった庶民によって、このシステムは強化されていった。
    朝廷の暴力に対抗している人々をただ畏れ、卑しみ、疎い、追い払った。

    平安時代の差別の構造が、現在まで脈々と続いている。
    「河原者」と呼ばれた人たち。その土地に住んでいるだけで、疎まれた人たち。
    彼らが、朝廷・政府によって「人の仲間入り」をしたのは、ほんの140年前のことだ。
    そして、今でも部落差別で苦しめられる人がいる。

    こんな時代錯誤の馬鹿げたことを、私たちの社会はまだやってるのだ。
    千年以上前から、私たちはどれだけ賢くなったのだろう。

  • QED・祟(タタル)さんシリーズの5作目。
    講談社ノベルズ刊行20周年記念として、書き下ろしされた作品だそうです。
    枚数が少ないので、内容も薄いのかと思いましたが、さすがはタタルさん、今回も冴えています。
    式神の変わった切り口、安部清明の出生の解釈が面白いです。
    解釈を読んだ時に、「!!」、っと、心に静かな激震が走りました!
     ”さもありなん”と思わせるところが流石がです。

    次回も楽しみです。

  • 薄いけど衝撃的な内容です。再読ですけど衝撃度は変わりありません。式神の正体が**だなんて・・・すごすぎます。しかしこの作品が移行のシリーズの方向性を決定したと言ってもいいかもしれませんね。

  • (あらすじ)アマゾンより引用
    密室で、遺体となって見つかった「陰陽師の末裔」。
    “式神”を信じる孫の弓削和哉は他殺説を唱えるが……。
    果たして、祟の推理は事件を謎解くばかりか、
    時空を超えて“安倍晴明伝説”の闇を照らし、
    “式神”の真を射貫き、さらには“鬼の起源”までもを炙(あぶ)り出す。
    これぞ、紛うことなきQED!
    講談社ノベルス創刊20周年記念特別書き下ろし作品!!

    *****

    祖父世代の話のせいか横溝正史の雰囲気。
    トリックも動機も概ね想像通りで意外性はなかったけど
    タタルの薀蓄(時々めんどくさいけど)による知識の増築は楽しい。

    回想終わってからの「阿部晴明と式神」の薀蓄は面白かった!
    きっといろんな説があって鵜呑みにしてはいけないんだろうけど
    余計な知識を持ってないので素直になるほど!と思った。

    それがなかったら★は1か2だったかも。。。

    次はどんなのかな。
    個人的に七福神に興味があったので「六歌仙の~」がHITだった。
    もっと面白い歴史的説の組み込まれた作品を期待します。

  • 平安時代には、ある一定の官位以下は人として見られない、
    というのは知っていたけれど、これ程までに徹底した扱いだとしたら…。
    人の怖さというものをまざまざと感じます。

  • ストーリーより安倍晴明にくびったけ。

  • 知らなかった陰陽師の世界。
    どこまでホントなのかわかんないけど引き込まれて
    どっぷりはまれた。

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著者プロフィール




「2023年 『江ノ島奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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