お伽話のように: ドルチェ・ヴィスタ (講談社ノベルス タT- 11)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061823037

感想・レビュー・書評

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  • 「夜が来る」
    希望は、失望の後ではなく、絶望の先に仄かに見えるもの。ユートピアは、求めても届かず、立ち止まっても訪れず、ただ全力を振り絞って歩き続けるうちに、ふと刹那、立ち現れ、通り過ぎなければならないオアシスのようなもの。ーーーーー



    続きものだった。2弾。1弾が読みたい。
    キャラを文章から読み取っていくタイプなので単品でも読めた。
    『春の月夜に消える影』は、序盤から「ん?」と思って読んでいたので結末を読んで一人で喜んでました。黒の心情と薙季との関係が主軸だと思うのでストーリーの進みは遅いけど、爽やかで良かった。なんでみんな名前を持ってたんだろうか?捨てられてた子だからか?杉江たちはサブキャラになるんだろうけど、丁度今、彼らのカケラを読むことができて良かったと思った。やっぱり読書にはタイミングがあるな。
    『幻日、残照』も好みの話だった。全体的に題材が素直なのでファンタジー・ミステリをよく読む人にもとっつき易いと思う。その分キャラクターに集中できるし惹きつけられる。波子は、時代背景とかも考えると泣ける。過去の経験を、現在の幸せが上回る物語に弱い。
    『非常識的リアリズム』全体的に静かな短編集だなぁとここまでで思う。派手なアクションはそこまでないし、あってもそこまで重点をおかれてないのでスッと過ぎ去っていく。もちろん、キャラクターには爪を残しているので、キャラの心情を感じていればいい、みたいな。重すぎず、軽すぎずで、この著者さんの別作品をもっと読みたくなった。ジャファと萩月さんが好きだよ!ジャファは前作からいるこさなんだろうか?重要キャラぽい雰囲気がある……。自分の欲望を理解しているキャラが好きなので萩月さん……もっと見たい……

  • 前作がファンタジーっぽかったので、同じシリーズなのか?とちょっと面食らった思い出。

  • 希望は、失望の後ではなく、絶望の先に仄かに見えるもの…。夢のように残酷で、悲しいほどに温かな短編3本を収録。
    「ドルチェ・ヴィスタ」シリーズ第2弾。

  • 同じシリーズの短編集。
    便利屋さんの少年が魅力的。

  • 出版社/著者からの内容紹介
    夢のように残酷で、悲しいほどに温かな物語。
    ”ドルチェ・ヴィスタ”シリーズ第2弾!

    希望は、失望の後ではなく、絶望の先は仄かに見えるもの。約束の地(ユートピア)は、求めても届かず、立ち止まっても訪れず、ただ全力を振り絞って歩き続けるうちに、ふと刹那、立ち現れ、通り過ぎなければならないオアシスのようなもの。
    高里椎奈の傑作ファンタジー3本立て!
    世にも残酷で温かな寓話をお届けします。

    ◆全3巻の”ドルチェ・ヴィスタ”シリーズの、第2巻です。
     シリーズ3冊全部を読んだら、もう切なすぎて、2巻目しか読みたくなくなってしまったのです。。。

  • ちょっぴり、ファンタジー?なショート集

  • ×◆

  • ドルチェヴィスタ第2弾。
    小さな街を舞台にした短編集。
    それぞれが繋がっているようでもあり、
    全然別の話のようでもあり。
    1作目とも少しずつ繋がっていたりして、
    「小さな世界」の話、という感じ。

    話の落ちは割とすぐ読めてしまうのでそこがちょっと残念。

  • 前作「それでも君が」に続く「ドルチェ・ヴィスタ」シリーズ……のわりにはえらく毛色が違うなあ。悪くはないけれど、今回のはあまり「ファンタジー」という気がしない(私の感覚ではね)。そこそこ現実的な世界に根付いた、ちょこっと不思議な話、といった雰囲気。少なくともミステリではない、かな。
    三部作で完結らしいけれど、次はどういった傾向になるんだろ? ある意味楽しみかもしれない。

  • 目に見える世界なのに不思議なファンタジー

    読了日:2006.03.10
    分 類:連作短編
    ページ:248P
    値 段:780円
    発行日:2003年3月発行
    出版社:講談社ノベルス
    評 定:★★★


    ●作品データ●
    ----------------------------
    主人公 :-
    語り口 :3人称
    ジャンル:現代ファンタジー
    対 象 :一般向け
    雰囲気 :幻想、叙述ミステリ的
    ブックデザイン:熊谷 博人
    カバーデザイン:斉藤 昭(Veia)
    ----------------------------

    ---【100字紹介】-----------------------
    ユートピアは、ただ全力を振り絞って歩き続けるうちに、
    ふと刹那、立ち現れ、通り過ぎなければならない
    オアシスのようなもの。目に見えるものだけを描いているのに
    不思議がいっぱいの高里流現代ファンタジー短編集
    -----------------------------------------


    講談社ノベルスの記念企画「密室」で出された「それでも君が」の続編にあたるドルチェ・ヴィスタ2。連作短編集で、それぞれの話は独立。高里椎奈作品では、シリーズ主人公が必ずしも視点中心にならないのが普通ですが、本作も同様。それぞれの中心視点がすべて異なります。

    前作のあの世界観が好きな人は、読むと驚くかもな作品。一体どこが続編なのか、皆目見当がつかないのです。菜の花も最初、頭の中に「?????」が飛び交いました。でも、読了してみると、何となく分かります。骨組みというか、ストーリーの雰囲気というか、そういう直接的でない部分が確かに、似通った部分があると。まあ、それだけではないのですが、伏せておいた方が愉しいので、それについては言及せず。

    それぞれの話でミステリ的サプライズがありますが、まあ、読んでいれば予想のつくものが多いです。むしろそちらに気をとらせておいて、無防備になっているところに、もっと読ませたいものを読者の中に滑り込ませてしまう感じ。マジシャンか!

    一応、現実的なのに、雰囲気としては間違いなくファンタジー。「薬屋さん」シリーズがオカルトで「目に見えないものを書く」のと対照的に「目に見えるものを書いた」とあとがきにありましたが、目に見えるもの、見えないもののどちらを書いても、ファンタジーはファンタジーなのだなあと思った次第。

    ちなみに3部作で、あと1作で完結予定とのこと。



    ●菜の花の独断と偏見による評定●
    ---------------------------------
    文章・描写 :★★★
    展開・結末 :★★★
    キャラクタ :★★★+
    独 自 性 :★★★
    読 後 感 :★★★
    ---------------------------------


    菜の花の一押しキャラ…波子


    「ジャファちゃんは、大きくなったら何になりたい?」
    「ベンガルトラ」

    (萩月&ジャファ)

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著者プロフィール

茨城県出身。芝浦工業大学工学部機械工学科卒業。1999年『銀の檻を溶かして』で第11回メフィスト賞を受賞しデビュー。著作に、デビュー作を始めとする「薬屋探偵」シリーズ、「ドルチェ・ヴィスタ」シリーズ、「フェンネル大陸」シリーズ(以上、講談社)などがある。2019年5月に「うちの執事が言うことには」が映画化された。

「2023年 『雨宮兄弟の骨董事件簿 2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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