スイス時計の謎 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061823167

感想・レビュー・書評

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  • 表題作は、
    まさに時計がキーポイントになる作品。
    なぜに仕立て人は、被害者の時計を
    持って行かねばならなかったのか。

    犯行理由はこれはね…
    運が悪いとしかいえないけれども
    結局のところ一線を越えてしまわなければ
    決して不幸には陥らなかった。

    けれどもそれをよりによって…
    この後が悲しいんですよね。
    有栖川の取った行動。
    彼の気持ち、とっても理解できるよね。
    かつては友だった人間は
    ある事件によって、ひびが入ってしまった。

    成長して、黒い側面を知ってしまった彼らには
    もはや高校時代の純真さは
    微塵もなかったのでしょうね。
    それが欠席の人の言葉で身にしみてわかった
    気がします。

    倒叙作品は秀逸ですね。
    火村先生にたてつくと、バーンですよ(笑)
    密室にはできたけれども
    その道具は強力なもの過ぎましたね。
    何せ、それのせいで、人が死ぬんですからねぇ。

    個人的には、
    あっという間に紐がほどけてしまう
    「あるYの悲劇」が好きです。

  •  『ペルシャ猫の謎』に続いて本書を読む。いったんペルシャに星5つを贈ったが、1つ減点し、スイスの方を星5つとした。
     「あるYの悲劇」のダイイング・メッセージは最後の最後の手前で解った。学生アリスは当然として、作家アリスの方にも青春小説のような側面がある。「Y」、なかんずく表題作にその青さを色濃く感じた。
     表題作だけ初出誌で読んでいる。ロジックの緻密な美しさは憶えていたが他は忘れているので、初読のように楽しく読めた。火村に追い詰められた真犯人が腕時計を外すのは、チェスでいうとキングの駒を倒して負けを表明したようなものだろう。
     エラリー・クイーン学院があるとしたら、有栖川有栖は卒業生総代で答辞を読んでもよいのではないか。

  • 全てのミステリーが楽しめる造りになっているお薦め作品。
    ただ、シャイロックの密室のトリックは微妙と言うか無理があるような気がする。
    とは言え、ロジックで追い詰めていくスイス時計の謎を含めた作品群の独特な魅力が好き。人の人生なんて一つ間違えただけで狂ってしまう氷の歯車で出来ているのかもしれない。そんなことを考えてしまった。

  • スイス時計の謎、このロジック秀逸!
    ロジック頼りで実際いいのか?と思わないでもないけど
    そこに容疑者達の性質を考えたら
    この謎解きしかないよね!と納得。

    他の作品もとても良かったし
    有栖川作品の中でもかなり高評価^^

  • アリス好きとしてはやはり外せない作品。
    これで「みじめな思い出の引き出し」じゃなくなったんだといいなと思います。
    謎解きの論理の緻密さが本当にすごい。

  • 作家アリス。
    国名シリーズ第7弾。

  • 作家アリス。国名シリーズ第七作。四作からなる短編集。とにかく表題作がいい。初め読んだときは、え、本当にそうなるの?と頭をひねったけど、何度も読むと、反論の余地を許さない。完璧なロジック。

  • 「ダリの繭」のあのエピソードの着地点がありました。良かった。

  • 国名シリーズ第七弾!私はどうやら密室にそそられるようです。この本にもちゃーんと密室が出てきます。また、ダイニングメッセージの謎解きも楽しい!そんなウキウキする1冊ですvvv

  • 最後の表題作のロジックが上手すぎてまだ理解できません(汗。完全納得したら頭良くなった気がするかも(笑。

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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