ST 緑の調査ファイル (講談社ノベルス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061824157

感想・レビュー・書評

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  • <蓄>
     
    ふうむ,なんと今巻は音楽の話なのである。今敏先生がかなりの音楽好きだ云う事は別の小説作品を読んで僕は良く分かっているつもりだった。けれどもまさか数多の今敏先生のプロフに書かれている,作家になる前にはレコード会社勤務,というそのレコード会社で”音楽プロデューサー”を遣っていたとは,本書の巻頭にある著者の一言を読むまで知らなかった。

    その一言とは「私はかつて,某レコード会社で音楽プロヂューサーをやっていました。それほどの音楽好きでした。だから,逆に音楽を小説にすることにかなりのプレッシャーがありました。・・・」

    今野敏が音楽についての小説を書く。その真骨頂はこの本の最終あたり 第16章に全て書かれているので,読者諸兄姉の皆様,くれぐれも心して読んで下さいよお。あ,高言すまぬ。
     
    さてここで著者コンビン(今敏 あらため)先生の粋な計らいを紹介しておきます。(少し物語の中身に触れます。すまぬ)本文142ページ。盗難事件に加えて殺人事件まで起きてしまい,警視庁の捜査一課長が合同捜査本部に合流する。それは誰有ろう田端守雄なのであった。流石に刑事部長までは同じではないが粋な計らいです。

  • 今回は翠にスポットがあたった回
    コンサートの描写に作者のこだわりを感じました
    超越した能力を持った者の苦悩が見えたり
    シリーズが進むにつれ確実に人間関係が深まっているのがわかりました

  • 翠の緑
    初めて同じ感覚を持つ二人が出会えた心のつながりはどんなものだったのだろうと後から思うことがあった
    ミステリー時代は種がわかってしまえばそういうことか・・・という感じ

  • 法医学を担当、かつては対人恐怖症であった赤城、聴覚が非常に鋭敏だが、閉所恐怖症の結城翠、第二化学担当で僧侶でもある山吹、第一化学担当、嗅覚は鋭いが必要最低限のことしかしゃべらない黒崎、そして、男女が一瞬にして心を奪われるほどの美貌を誇るが秩序恐怖症、文書担当の青山翔。

    そして、この恐ろしく個性的な面々を束ねるキャップが百合根警部だ。

    かなり前、TVドラマ化され、赤城を藤原竜也さんが、そして百合根警部を岡田将生さんが演じていたっけ。

    実は、このSTシリーズとの出会いはドラマのほうが先。だから、原作を読んでも、どうしても二人の役者さんのイメージが強い。

    今回の事件は、人気ソリストのバイオリンが盗まれる、それも、不可思議な状態ですり替えが行われるというもの。

    殺人事件が起きるのだが、超個性的な赤城の出番が少なかったのが、不満といえば不満…。

  • ST翠の孤独と苦悩――
    美しき捜査の旋律!
    1億円バイオリン盗難と密室殺人の二重の壁

    1億円の名器ストラディバリウスが盗難。
    人気バイオリニストがコンサートのリハーサルの際にすり替えられたのだ。
    出動したST翠の異常な聴覚に、オーケストラの指揮者・辛島は興味を示す。
    捜査が難航するなか、コンサートマスターが密室殺人の被害者となる……。
    翠の苦悩が胸を打つ「色」シリーズ第4弾!

  • 今回は、クラシックが舞台。青山くんと菊川さんがクラシックで意気投合したり、翠さんに興味を示している指揮者が現れて菊川さんが焦ったり。
    STメンバーの新たな一面が見れました。
    音楽の描写を読んでいたら、聴いてみたくなりました。

  • 絶対音感を持ってるのが羨ましいと思ってた。

    絶対音感を持ってる故の苦労を共有できる人が現れたのは幸せなんだろうけど
    その人を疑わなきゃならない苦悩というかジレンマが
    この話の読み応えのひとつではないかという気がしました。

    能力設定が突拍子もない(失礼)STの面々の人間臭い部分が
    この色シリーズでは出ているのではないかと。
    まだ赤と黒を読んでないので何とも言えないけど。

    それにしてもサクサク読めてしまった。
    1日で4冊読破は読み過ぎだよな^_^;

  • 赤の調査ファイルが面白かったので、隣にあった緑を借りてみました。今回はバイオリンを巡る事件。ST(科学特捜班)メンバー・結城 翠(ゆうき みどり)に焦点が当たっています。‘露出度の高い服’で注目される翠。映像化されるとしたら誰が演じるんでしょうか。図書館予約数は0(09/11/13現在)です。

  • ST物理担当露出過多の結城のお話。<br>父親のコネでクラッシックのプラチナチケットを入手できる辺り、やっぱりキャップはおぼっちゃまなのねー( ´艸`)ムフフ ぃぃょ、ぃぃょ<br>聞こえすぎるというのも大変なストレスだと思うなぁ。聴きたくないものが聞こえてしまうんだから。<br>ニューイヤーコンサートに足を運びたくなる一冊。

  • 今回は「どんな場合でも良心は存在する。」という決めセリフがありましたが、今野さんの作品の登場人物はほとんど善人ばかりなので、いつも爽快な読後感にひたれます。
    <BR>
    それはそれとして、このシリーズもう7作目ですが、STのメンバーの名前が、全員、色に関係のある名前で、今回は「翠」さんが活躍するので、このタイトルなんですね。。。とようやく気づきました。<BR>
    2005/2/3

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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