スラッシャー 廃園の殺人 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061825338

感想・レビュー・書評

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  •  映画のロケのために、ホラー作家が作った廃墟庭園に訪れたスタッフや俳優たち。他に人はいないはずなのに、途中で黒ずくめの男が現れ、はぐれた者から襲われていく……。

     ストーリーは、ミステリーというよりホラーやサスペンスに近い。
     タイトルの「スラッシャー」とはホラーの一ジャンルで、殺人鬼が登場人物を一人ずつ殺していくジャンルらしい。作中のホラーの知識がとても詳しく、作者はホラー好きなのだなと感じる。また、建築物についての知識も堪能できる。
     様々な技術を駆使した廃園を逃げ惑う俳優たちの姿は、映画化したらトリックも相まって相当映える気がするが、グロ描写も多いので難しいのかもしれない。
     ホラー映画のオマージュなのか、作中の人物が殺されていく描写は執拗で、グロく感じる場面もある。同じ作者の作品だと、「作者不詳」の作中作、「朱雀の化物」が一番雰囲気が似ているのではないだろうか。閉鎖空間の中一人ずつ殺され、殺される描写が比較的残酷、と共通点が多い。
     ホラー映画をテーマにしているためか朱雀の化物よりも残酷描写はパワーアップしていると思う。

     トリックは、作中作と映画というテーマを駆使した巧みなもの。
     全てがわかったら見え方がガラリと変わる文章の組み立ても見事だった。
     

  • 三津田さんらしい、二重、三重のどんでん返し!
    ラストがいい感じー!

    犯人は、シンが怪しいと思ってたが神視点の「私」=社長だったとは!

  • ホラー作家が作った「廃園」
    そこで映画を撮影することになり、ロケハンで訪れる。
    ロケハンメンバーが、次々に殺される。
    廃園がどんな風なのか、とても気になる。
    殺され方がグロで、気持ち悪くなった。
    途中で、なんとなく犯人が想像できてしまった。

  • 予想した通りで、それ以上でも以下でもなく。
    暇つぶしには良かったです。

  • ニクイ!卑怯な小説でした。
    あからさまなミスリードに乗っちゃった自分にガッカリだよ!

  • ホラー作家が大金をかけて作り上げた廃墟庭園。いわくありげなその廃墟を舞台としたビデオ映画を撮るために入り込んだスタッフたちが、一人一人姿を消してゆく…
    刀城言耶シリーズとはまったく違うテイストで、作者のホラー映画への愛が溢れた作品。個人的にはスプラッタが苦手なので、途中から気持ち悪かった。ただ舞台となった廃園はなかなかステキ。

  • 結構・・・グロめでした。苦手な方は注意。
    それでいて「ミステリ」感も失わないのはお好きな方にはたまらないんでしょうね。駄作ということはないんですが、かなりピンポイントで好きな人とそうでない人が別れそうな・・・
    とにかくひたすらスプラッタホラーで、最後にちょっとミステリって感じです。いいとか悪いとかじゃなくて。

  • 三津田さん(苦笑)。
    トリックとしては斬新ではないけれど、今まで次々に惨殺されていく死体の描写を読むにつけて、アレがトリックだったという時の脱力感はすごかったぞ。B級ホラーじみた雰囲気にしても、ちと古い気がすると言ったら失礼だよな。

    あらすじ;
    ホラー作家による廃園「魔庭」に、小さな会社のホラー映画ビデオ撮影キャストが集まった。過去には行方不明になってみつからない人物もいるという庭園だが…。そこは噂通り何とも怪異的な雰囲気を持った場所だった。次々に減っていくメンバー。忍び寄る不気味な影に、次第に恐怖のどん底へ突き落される。

    あまり古典は読まないから間違っているかもしれないけれど、非常にクラシカルな雰囲気を漂わせたミステリだ。乱歩にしても横溝にしても、こう怪異的な雰囲気とミステリの融合がある。そんな雰囲気に満ちた作品になってくる。オチも含めてね。そこに惨殺描写のグロ系が加わって、ホラーのあの戦慄はないけれど、確かにパニック映画的な恐怖はある。
    冒頭から気になっていた、廃園などを説明するような会話。ストーリーテリングにおいて、長い「説明」は好きじゃない…と思っていたが、まさかの伏線だったとは!! そういう「あ、あれも伏線か!」というシーンはちらほらあるんだけれど、ぬぐえないB級感…!!
    この殺人の目的自体は確かにヒントはある。もしかして、と思ったし、そこでは悪趣味ながらも面白い話になるかもしれない予感はあったんだけどなあ。
    「シェルター 終末の殺人」と同じシリーズなんだよね多分。人物はともかく題名のつけ方らからして。このシリーズはあまり好きじゃないかも。

  • 2013年3月7日読了。ホラー作家が自らの歪んだ願望を具現化した「廃園」でビデオ撮影を行うため訪れた男女を、惨劇が襲う・・・。タイトルのとおりの殺人鬼もの、「そのつもりで分かって読んでるんだろ?」という作者のドヤ顔が見えるようだがうーむそれにしても悪趣味だ。読みながら不自然に感じるところに終盤で見事にどんでん返し・種明かしをかますメタミステリ、と褒めたいところだが・・・演出・真相ともイマイチパンチ不足に感じたのは同種のミステリを私がだいぶ読み込んでいるからか?

  • 酷評が多いけどそこまで悪くない。展開が気になってついつい一気読み。後味は微妙かな~。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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