探偵伯爵と僕 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 404
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061825680

作品紹介・あらすじ

夏休み直前、僕が出会ったのは「探偵伯爵」だった!いつも真っ黒な服装で、奇妙な行動をとる、アールと名乗る探偵と新太は友達になった。夏祭りの夜、新太の親友ハリィが行方不明になり、数日後にさらにもう一人。仲間で作った秘密基地に意味ありげに残されていたトランプ。ついに新太に忍び寄る犯人の影に伯爵が動く。

感想・レビュー・書評

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  • 最後でやられました。そう来るのか。
    たった一つの条件を引っ繰り返すだけで、ここまで様相が変わっちゃうんだ。
    人間の認識能力や、理解力というのは、なんて脆弱なんだろう。
    そして、ことばの魔力というのは凄まじいんだな。

    と、ここまで書いて、先が書けなくなっちゃいました。
    森博嗣氏曰く「書いた時点で、内容には関係なく、全てネタバレである」なのです。
    その時に感じた気持ちを書くだけでも、ネタバレには違いない。
    それが、Main-Trickの種明かしなんかじゃなくてもね。

    そして本作は、その傾向がより際だったものであることは間違いない。
    もうね、最初の段落で書いたことですら、ヤバいんですよ。
    それくらい、この作品は繊細な構造になっています。

    とりあえず、登場人物たちがとても魅力的です。
    会話が非常に切れ味が良く、スイスイ読み進んでいくことが出来ます。
    小学生を主人公に据えたことで、会話の質が格段に上がってるように思いました。
    もちろん、それは幼稚って事ではないです。
    森氏の作品で、そんなことになるはずは無いですからね。

    いや、それにしても、最後で本当にガツンとやられました。
    しつこいようですが、それくらいに衝撃的だった。
    古典的じゃん、なんて言われそうですが、そんなの関係ないのです。
    重要なのは手法なのではなく、その使い方なのですから。

  • 小説

  • 友だちが死んでるし主人公も襲われそうになったけど、小学生視点なので全体的にのほほんとしていて、一夏の思い出、みたいな雰囲気。それが最後の2ページで印象がガラッと変わる。人間の醜さから目を遠ざけてはいけない。ひょえぇ!こういう話だったのね!

  • まるで,森氏を子供にしたかのような語り口,最後にちょっとした仕掛けもあって,面白かった.事件自体はかなり恐ろしい結果で,現実とはこんな風だなと改めて思った.

  • 親友が連続して行方不明に。新太と伯爵の調査がはじまった!
    ミステリーランドの傑作がノベルスに!

    夏休み直前、僕が出会ったのは「探偵伯爵」だった!
    いつも真っ黒な服装で、奇妙な行動をとる、アールと名乗る探偵と新太は友達になった。夏祭りの夜、新太の親友ハリィが行方不明になり、数日後にさらにもう一人。仲間で作った秘密基地に意味ありげに残されていたトランプ。ついに新太に忍び寄る犯人の影に伯爵が動く!

  • 新しい森ワールド。雰囲気も良く面白かったです。

  • ミステリーランドシリーズは割かし好きです。
    今の子どもは贅沢だなぁと思う。作家陣豪華過ぎて。
    でもまぁその分難しいか?
    子どもの頃に読んで、大人になってからも読んだらいいんじゃないかなー

  • 積ん読消化。ノベルスが出てすぐ買ったから、何年積んでたって感じですが。ラストがなくても、色々な読み方ができて面白いです。子どもだったときの視点って、いつの間にか忘れてしまうから、たまに大人がこういうのを読むと、身近な子どもと相互理解ができていいかもね。この小説の主人公が標準的な子どもだとは決して言いませんが。
    山田章博さんの挿絵はやっぱりいい。

  • 児童書として認識した上で読みましたが、結構おもしろかった。
    子どもが読めば、倫理観なんかについて考えるきっかけになったりするのだろうか?
    でも、やっぱり最後はズルいっ!!

  • うん、またいつものトリックに引っ掛かってしまった(´・ω・`)。どんでん返し。読みたまえ。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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