黄昏に祈る人 フェンネル大陸 真勇伝 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827097

感想・レビュー・書評

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  • ついに明らかになるフェンの事実っ!
    って、レベルじゃねーぞ! と、最後のページを読んで思った。

    いや、でも既刊のどれかを読んでた時に(偽王伝のころ?)ふとそんな想像をしたこともあったっけな。
    少なくとも今回、振り返ると端々でその事実を否定する描写はされていないんですよね。
    地の文で嘘を書かないあたりはやっぱりミステリ書いてる作者だなーと思います(笑)。

  • “「分かり難いけど、穴が見える?」
    テオとサチが身を屈めて目を眇める。
    「この、兎の巣みたいな奴?」
    「塀の内側が腐って抉れてるから、見た目よりは通り易い。私が知っている中ではここが一番大きいの」
    泥と腐った木の匂いと髪を引っかける枝葉が気にならなければ、テオでも何とか身体を捩じ込めるだろう。
    「先に行って、中から手伝うね」
    フェンは爪先で穴の入り口を削り、右腕から肩、頭と穴に滑り込ませた。
    「……フェンはお姫様だったんだよな?」
    「うん?だからこれを知ってる」
    窮屈は王城は退屈で、フェンは毎日のように抜け道や隠れ家を作って遊んでいたが、まさか帰郷に役に立つとは思わなかった。
    「何ていうか改めて見ると、オレのイメージとか夢とかそういう……」
    フェンの身体は殆ど穴に収まり、耳元で蔓草の葉が擦れ合って、サチの声がよく聞こえない。
    「諦めろ。彼奴のあれは性格を通り越して天性だ」
    「破壊的」”

    故郷に帰ったフェンを待ち受けるものとは。
    企みが見えるようなまだ見えないような。
    早く続きが読みたい。

    “銀の髪の英雄と偽王はどちらもフェンを示す言葉だが、等しくは一致しない。第三者が名付けた呼称と本人が名乗った偽称という差もあるが、まず偽王は銀の髪ではなかった。偽王を名乗りを上げた時、フェンが髪を染めていた為だ。
    ルースは一度でも、フェンを銀の髪の英雄と呼んだだろうか。答えは、否。
    銀の髪は必要ではない。銀の髪でなくても利用は出来る。
    (寧ろ、ルース兄様は邪魔にしている?)
    ストライフでは不吉と忌み嫌われたが、象徴に使うには分かり易くて打って付けの奇異な外見だ。にも拘らず、ルースが銀の髪を隠させるのは何故だろう。
    五月蝿い水音が集中する意識の外へ遠退いて、蓄積された情報が瞬きするごとに角度を変えて入れ替わる。
    (髪の色、色、色素)
    過去にそんな話をした人がいた。
    『他の血が混じると極端に色素の薄い子が生まれる』
    フィー・バーフューの頭領、アベルだ。
    フェンは川縁から身を乗り出し、月明かりを照り返す水面に髪色を映した。”

  • いよいよ祖国編。偽王伝終わってたのね・・・。真勇伝、かあ。なんか好きなんだけどどーも題名と内容にギャップってゆーか違和感をもってしまう。伝、ってゆーと歴史な感じがするんだけど、フェンはそんなんじゃなくて目の前だけをみて動いてるようにみえるから。まあ、それが結果歴史になるんだろうけど。それはともかく、祖国もいろいろ大変だー。さてさてこの始末、どうつけるのか・・・。

  • いよいよ物語はクライマックスへ。(10/07/24)

  • 続きが気になる終わり方。
    ちょっと急展開に終幕へ持って行こうとしている感があるけれど、
    テンポが良くて以前より読みやすい気もする。

  • 故郷ストライフに帰ってきたフェン。そこで、自分を追放したのが兄だったと知り。。。

    真実が明らかになる(最終巻)の一歩手前。早く読みたい。

  • シリーズの中で一番読み辛いかもな~
    おそらくこれがクライマックスの橋渡しとなるのだろう。
    フェンの秘密、彼女を利用しようとするものたち。
    事態はいったいどう展開して、そして収まっていくのか。
    次作が楽しみだ。

  • クライマックスに向けての1冊。どう終わるのか、楽しみ。

  • えー、フェン、これからどうなるの?予想がつく気はするけれど、やっぱり気になる。みんなが笑っていられる世界になぁれ。

  • いよいよ、物語は確信へ??

    てか、スチライフに皆を集めるとは思わんかった。

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著者プロフィール

茨城県出身。芝浦工業大学工学部機械工学科卒業。1999年『銀の檻を溶かして』で第11回メフィスト賞を受賞しデビュー。著作に、デビュー作を始めとする「薬屋探偵」シリーズ、「ドルチェ・ヴィスタ」シリーズ、「フェンネル大陸」シリーズ(以上、講談社)などがある。2019年5月に「うちの執事が言うことには」が映画化された。

「2023年 『雨宮兄弟の骨董事件簿 2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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