- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061827684
感想・レビュー・書評
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さすが城平京。
怪異を現実のものとして、ルールがありそこから現実の受け入れられる推理をでっち上げる。
展開も面白かったし、ラストの虚構推理はなかなかミステリー読者としてはニヤニヤでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
特殊設定・多重解決ものでした。
表紙も文章もラノベだったが、内容は結構論理的(っぽさも含めて)だった。が、内容は書かないけど、ちょっと評価に迷う。
ま、軽く読むにはちょうどよいでしょう。
続編も書ける終わり方だったけど、この設定で、今作を上回るものが書けるのかな? -
漫画「スパイラル~推理の絆~」や「絶縁のテンペスト」の原作者で知られる城平京さんの作品です。
作品についてですが、分かりやすい推理物ではないです。いわゆるホームズシリーズや名探偵コナンみたいな名探偵が推理を披露して犯人を捕まえるという類の作品ではありません。それどころか、真実を見つけるという推理を行っていません。ひたすら、理論を組み立てて論理的な推論を繰り広げる作品です。そもそも犯人を捕まえませんし。
設定としては、妖怪や霊などの怪異現象がある世界となっています。主人公も”人ならざる者”という存在になっています。設定について書くとますます推理小説っぽくないです。けど、主人公は超常的な能力を推理に使うことはなく、論理をくみ上げるといういかにも推理小説の探偵がやりそうなことをします。よって、総合的にみてジャンル分けすると推理小説になるという感じでしょうか。それ故に、推理小説が嫌いという人でも楽しめる作品ですし、こてこての推理小説を読みたい人からすれば邪道という作品です。
他の作品でいえば、西尾維新さんの戯言シリーズの初期の作品に似ていると思います。
物語のテンポもいいですし、完成度の高い作品だと思います。しかし、合わない人にはトコトン合わないことが容易に想像できるそんな作品です。西尾維新が好きという人には間違いなくお勧めする作品です。
”虚構を積み重ねて、真実すら論破するという”論理を展開し続ける一風変わった推理理小説。 -
キャラ立ては面白い。虚構の論理を組みあげていくのはちょっとついていくのに疲れたし、大げさだったと思う。
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「そんなの推理じゃなくて、欺瞞じゃない!?」真実を求めるよりも過酷な、虚構の構築。自身もまた怪異的な存在である岩永琴子の推理と知略は本物の怪異が起こす事件を止めることができるのか。
・レビュー
同作者のデビュー作『名探偵に薔薇を』には劣るが、やはり城平京ならではのやり方で書かれている。
推理小説としてはイレギュラーであるが、読み応えはある。
作中で生まれる粗を作中で潰す、という論理の穴を上手く埋めることに優れた作者で、そのスタイルは漫画の『スパイラル』からも解る。
人の生み出す虚構と妖怪に虚構を持って戦うというのは脳トレパズルを解いているようで楽しめる。 -
妖怪まじりとか殺しても死なないとかあったりするミステリ.真相を暴くのが目的ではない推理.いわゆるプロトタイプ的なミステリとは異なるけど,論理的に議論を展開させていくというところに焦点が当たっていて,むしろこういう方が好みだったりする.
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とても前頭葉が疲れる小説だった。多少強引なところも見受けられたけれども、最後上手にまとめて、タイトル通り虚構尽くしで虚構まみれで理論武装して屁理屈捏ね繰り回して、こんなミステリもありだろうか。読み応えは抜群でした。
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2012/01/03読了