猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061828407

感想・レビュー・書評

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  • 探偵助手を育成すべく日本に唯一ある大学の専門学部。
    その生徒である「クンクン」と教官であり探偵の「猫柳」。
    今回は山に閉ざされた山村に舞い込んだ殺人予告の
    脅迫状を阻止すべくクリスマス前に赴く。

    この探偵「猫柳」は知名度、実績とも低い。その訳は
    事件が発生する前に未然に防ぐ故、そもそも事件も
    発生しなければ犯人逮捕にも至らない...という特殊な探偵。
    今作もそれに乗っ取って、村に残る伝説に準えた連続殺人を
    次々に未然に防ぐ...という展開。
    これは、こうしてストーリーで読んでいくと予想以上に
    地味な展開w。ミステリとしてはやはり高いハードルですね。
    そこを回避する為に今作では北山氏独特の物理トリックを
    登場させ、上手くバランスを取っていますね。

    終盤の犯人との疑似対峙シーンは...ジョーカー的な
    存在の登場によって「探偵」そのものは今回の事件には
    関与しなかったという猫柳スタイルを貫徹。
    やはり侮れないし、面白い。

    さらにはクンクンと猫柳のラブコメ度もアップし、
    キャラものとしても秀逸な作品にして、最終的には
    地味さ回避に成功している結構...いい作品。
    そしてオビのキャプコメントが秀逸。
    「 頼りなげで危なっかしい 女性名探偵が謎を解く!
    因習にとらわれた村で猫まっしぐら!」

  • シリーズ第二作。名探偵でありながら実績を持たない猫柳。今回は実績を積むことができるのか?……って、事件を期待してしまうのは不謹慎なのでしょうか(笑)。
    因縁ありげな村に、これまた禍々しさを感じさせる言い伝え。これはすわ、見立て連続殺人でしょ! と盛り上がるところですが。さて、猫柳が乗り出した事件の結末はいかに。
    つくづく名探偵って、因果なものかも。でも猫柳にはこれからも活躍してほしいです。そしてラストで覚醒?したあの人の今後も気になるなあ。

  • 弱々しくも頼れる名探偵・猫柳十一弦が奔走する寒村モノ。まだ起こってもいない事件の全容を推理し未然に防ぐという猫柳の性質により、トリックのどれもが不発のまま解除されてしまい、どうにもスカっとしない。通常とは真逆の大団円から始まる変則的な構成も据わりが悪く、結果として何とも珍妙な作品になっています。読後のこのモヤモヤ感はいったいどこへぶつけたら良いものやら……。今後シリーズが続くのかどうかはわかりませんが、現状の猫柳スタイルで進めるのはちょっと厳しいところがあるかと思います。タイトルの「失敗」に込められた意味合いは予想外の方向で可愛らしく、和みました。

  • 犯罪が起きる前に阻止するというスタイルが前作以上に活きていたと思います。
    先生がちょっぴり積極的になり(?)、ラブコメ要素が濃くなった模様。作品全体が前より明るい印象で、雰囲気のバランスは好きです。

    事件の犯人や背景に、物語上とはいえちょっと無理を感じてしまったので、そこが残念。でも猫柳ゼミの次なる活躍を待ってます!

  • 猫柳シリーズの続編。
    ミステリとしてはやや地味な印象で、青春小説テイストが強めな内容だった。

  • 『猫柳十一弦の後悔』に続くシリーズ2作目。
    前作と比べるとミステリ要素はやや薄め。

  • ”猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条”北山猛邦著 講談社ノベルス(2013/01/08発売)
    (カバーイラスト・カスヤナガト)

    ・・・成人するまでに嫁がねば一族を追放する――山に閉ざされた村にある名家・後鑑家(のちかがみけ)のお嬢様に脅迫状が届いた。差出人は戦国時代の姫!? 彼女の20歳の誕生日が迫る中、相談を受けた探偵助手学部の君橋(クンクン)と月々(マモル)が超サプライズな方法で完全解決……したはずなのに、村に残る伝説を調べていた彼らのゼミ教官である女探偵・猫柳十一弦(ねこやなぎじゅういちげん)は惨劇が起きると推理。事件を止めるべく村へと急いだ!

    ・・・”猫柳十一弦”シリーズ二作目。
    ”事件を止める”ことができるか、最後まで気を許せない展開は見事。
    前半、助手が解決したと思わせる部分があるのですが、あらすじにあるように超サプライズ!!
    さらに、途中で図入りでトリックを匂わせる部分と使われたトリックの説明も。
    大掛かりのトリックに興奮しました。

    が後半がちょっと、トリックが小さくなってきて尻すぼみになった印象も。
    大掛かりなトリックを最後に持ってくればよかったのかな・・・。
    猫柳と君橋の発するラブ臭もちょっと多すぎた感がありましたし・・・。
    前作が良かっただけにちょっと微妙な扱いになる作品ですね・・・。

    ・・・んっ、そういえば、猫柳の名前って深くは追求されていないように。
    ”十一弦”って女性につける名前ではないわな・・・。

  • 待望のシリーズ化。
    犯罪を未然に防ぐという新しいスタイルが確立しつつあると感じました。
    二人の関係も含めて、今後の更なる展開に期待です。

  • 一作目よりちょっと迫力というか事件の勢いとかが減ったようには感じた。やはり事件を未然に防ぐ探偵というのはどうしても地味になってしまうからかもしれない…。今回もトリックを事前に予測し防いでいった猫柳探偵とクンクン。二人の関係が良い感じに進展しているので続編が欲しいところ。

  •  シリーズ2作目ということで……私はまた1作目を読まないまま、2作目を読んでしまいましたよ。
     前作での事件が、今回に影響してる部分もあるみたいで、読んでなきゃ分からない、てこともないけど、逆に今作から読むと、前作のネタバレになるのかな、とも思った。

     猫柳さんのキャラは何かよく分かんない…。
     印象に残らないけど、特に嫌いではない。
     クンクンも。

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著者プロフィール

2002年、『『クロック城』殺人事件』(講談社ノベルス)で第24回メフィスト賞を受賞しデビュー。代表作として、デビュー作に端を発する一連の〈城〉シリーズなどがある。

「2022年 『月灯館殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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