ジグβは神ですか (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 200
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061828568

感想・レビュー・書評

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  •  物語の時間が、前作より二年後なのでキャラクターの変化を感じた。その中でセリフが少なくキャラクターがつかめない海月君にはそれを感じなかった。こういうのが海月君だよなと思う。
     セリフの少ない海月君だが、少ないからこそ、言葉の一つ一つに重みがあり、内容も最初こそ突飛に思えるが、考えると納得できる。だからこそ、言葉が心に残り独特の存在感を残すなと思った。

  • Gシリーズ8作目。

    本シリーズは1作ずつの事件の真実が曖昧なのが特徴。
    しかし、本作ではだいぶ登場人物や真相が見えてきましたね。
    これはいよいよ終焉が近いのかもしれない・・・
    そう思うだけで、ワクワクします。

  • 十分に納得できる推理があったとしても真相かどうかは分からない。ただ、平均的な言葉としての一時の解釈があるだけ。大衆は犯罪と自分との距離をつくりたい。動機が異常であればあるほど自分からは遠くなり、それを求めている。真賀田四季との距離が強度の緊張をもって自らに迫りくるシーンには思わず身を乗り出した。結局は混沌を深めるだけに終わってしまうもプロセスも、ままいつものことよとそれなりに楽しめた。無愛想さがほんの少しずれて、ずばり核心、みたいな。とにかく不意に射抜かれることがあって油断ができない錆風味の苦い経験。マーマレードのような仄甘さ。なかなか良かった。

  • 久々のGシリーズ。加賀谷たちはもう社会人になっている。
    夏休みを利用して山奥にある芸術家たちの宗教施設を訪れた彼らが、殺人事件に遭遇する。
    ラッピングされて棺に詰められた死体という派手な事件だが、例によってミステリ的なストーリーは薄く、それぞれが真賀田四季に思いを巡らせるような内容。突出した天才はもはや神に等しいのか。

  • 久しぶりに真賀田四季色の強い作品。なんだかGシリーズも起動にのってきたというか終盤に差し掛かってきた予感。やはり10作で次に移行するのかなぁ?

  • 著者の小説はこれまでS&Mシリーズ、Vシリーズ、Gシリーズ等、各種読んできました。
    本書はこれらシリーズを統合する一冊であり、各シリーズ間の時間の差や登場人物間の人間関係、そして人物の老いや成長を通して時間の流れが描かれています。

    老いが描かれていた所為もあって哀愁めいた物も感じ、またストーリーもこの感情にそう物となっており、密室殺人の謎を解くと言った派手な感じのミステリーではなく、もっと静かな印象があります。

    では前置きはこの位にして以下であらすじをご紹介。

    Gシリーズでは学生だった研究室の面々も今では社会人。
    そんな彼らが久しぶりに山奥の格安コテージで休暇を共にする事になる。

    コテージは、ある宗教団体が運営する芸術家の為の隠れ里的な施設の内部に存在しており、その閉鎖性が社会から問題視される事もある。

    久しぶりの再会にわく彼ら。
    しかし宿泊早々、芸術家の一人が全裸の姿を全身ラップで覆われた上、棺桶に納められていると言う奇妙な他殺体で発見される。

    丁度その時、被害者の両親は中々連絡が取れない我が子を案じ、同地に探偵を派遣して調査に当たらせており・・・



    冒頭で触れた通り、これまでのシリーズを統合する内容となっており、その為、登場人物の老いを感じさせる記述に、この人もあのシリーズでは若者だったのに・・・と言った哀愁めいた物を感じさせてくれます。
    その為、奇妙な他殺体と言うミステリーのお約束的な状況が描かれているにもかかわらず、上記の通りどことなく静かな印象があります。
    謎解きの方もこの印象にたがわないあっさりとした感じでしたが、しかしそれだけではありません。

    例えば、事件発生を伝える後輩女子に対して先輩男子が

    「なんか、久しぶりに加部谷(=後輩女子)さんに会ったら、もたもや事件?」と返したり、

    その返された当人も、写真家が元同級生女子の写真を撮った後、相手は普段昆虫しか撮る気にならないと言う事が判明した際に、彼女に対して

    「カマキリみたいだからじゃない?」と真顔で言ったりと、

    いきなり笑いのツボを押される"奇襲攻撃"を受けてしまい・・・

    結構油断ならない小説です(笑)

    著者のシリーズ既刊を読み進めてきた人には間違いなくおすすめ。
    そしてまだ読んでいないと言う方はそちらの方から読み進めていく事をお勧め致します。

  • 久々の森せんせい。相変わらず面白い森ワールド。もうちょっと早いペースでこのシリーズ読みたいな。

  • 芸術家たちが自給自足の生活を送る宗教施設で起こった殺人事件
    遺体はラッピングされて棺桶に横たわっていた・・・

    久々のGシリーズ!
    この人の作品大好きで読み漁った時期がありました。

    これはGシリーズのメンバーと
    S&Mシリーズ、そして Vシリーズのメンバーも合流の豪華版

    「いつものひとたち」の安心感♪

  • 《萌絵が、紅子が、椙田が、時間を超えて交叉するーー!》って煽り文ほどの交わり方はなかったけど、Vシリーズ、S&Mシリーズ両方の流れが合流してきたというのは確か。早く続きが読みたい。

    水野という女性作家はもと探偵で、椙田(保呂草)と旧友となっている。すこし前に赤柳という中年男の探偵として登場していた彼女は、萌絵の叔母の佐々木睦子に簡単に変装を見抜かれていた(その時には性別なのか、付け髭なのかなど、変装の度合には触れず仕舞い)。
    そして彼女は紅子さんとも25年振りに再会する。いま50代らしいが、この人誰だろう?

    今回は橋渡しっぽい話で、単体としては面白みは少ない。

  • 途中からは、もう殺人事件の推理なんてどーでもよくなって、ウルトラマン家族の大集合みたいに、次々出てくる個性のつよい「いつもの人々」のやりとりを楽しめました。海月くんが現れてからの加部谷の萌え萌えぶりと、西之園萌絵の存在感、そして圧巻は佐々木叔母と紅子さん、の遭遇!まぁ普通に意気投合ですわな。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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