ジグβは神ですか (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1417
感想 : 200
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061828568

作品紹介・あらすじ

ついに姿を現した天才博士。Gシリーズ最大の衝撃!

芸術家たちが自給自足の生活を営む宗教施設・美之里。夏休みを利用しそこを訪れた加部谷恵美たちは、調査のため足を運んでいた旧知の探偵と再会を果たす。そんななか、芸術家の一人が全裸で棺に入れられ、ラッピングを施された状態で殺されているのが発見される。

見え隠れするギリシャ文字「β」と、あの天才博士の影。萌絵が、紅子が、椙田が、時間を超えて交叉する――!

感想・レビュー・書評

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  • ああああ読み終わってしまった。さびしい。

    四年ぶりの新刊ですが、な、な、なんと作中も時が経過しておる。

    ついに、ついに天才博士が…!?なジグβ。
    紅子さんと保呂草さんの関係が好きで泣きそう。
    紅子さんがやっぱりとてもお美しい。
    あと海月君。
    いつも彼の登場では加部谷の「海月君、いる?」の台詞が聞こえてくる気がする。わたしも常に問いかけてる気がする。

    海月君、いる?

  • 目薬αまで読破して、β以後の文庫化を待っていたが、これまでに読んできたことが完全に失われてしまうと、読み進めるのに支障が出そうで、やむなく新書に手を出した。この読みにくいサイズ、本当に嫌いなのに…。

    結果として、しばらく間をあけたことで、αからβまでの時間経過とうまくシンクロして、四季に繋がる人たちとの懐かしい邂逅を楽しめた。

    ストーリーはこの際問題ではなく、久々に顔を合わせた面々や、これまでの数十年に及ぶ物語のあれやこれやを胸に蘇らせてゆく作業が、本当にワクワクした。嬉しかった。

    犀川には会えなかったが、続けてγも手元にあるので、そこに期待しておこう。

    前作からさらに抽象概念のような普遍性を獲得しつつある真賀田四季。しかし彼女は具体として、依然としてその肉体の中に魂を宿したままである。

    この物語は果たして何処かに行き着くのだろうか。そうならない方がふさわしいとも思うのだが。

    まだ先があるのなら、最後まで必ず見届けると心に決めている。

  • 久しぶりに呼んだ森博嗣ミステリだったので、赤柳さんとか椙田さんとか誰だっけ状態だった。けど読んでるうちになんとなく森作品の空気が甦って来てスラスラ読めた。
    結局死体ラッピングの意味なんやねん?と7割読んでも出てこなくて、そうしたら紅子さんが「芸術として理解できる」とか言ってたから、おお……と思った。
    普通ミステリなんかでは異常な死体→異常性を演出してるだけで、ほんとはほかの何かから目を逸らす要素、とかそういう使われ方をするのが大半だと思うのですが、それを「全然意味ないんやで、芸術作品として仕上げただけやで」とスカーッと言ってくれちゃうのはすごく好きですよ。と思ったら、死体ラッピングには別の意味がありましたね。
    四季のプロジェクトが気になります。

  • もはや真賀田四季は森博嗣にとって永遠のテーマになってる。
    人類を逸脱した天才博士。
    読者としても数ある作品の中で、真賀田四季には関わらないと思っていた作品の中で不意にこの人物が浮き出てきたりすると悔しいことに心が高揚させられる。それはまるで長い交響曲を聴いていて、忘れかけた頃に戻ってくるメインフレーズみたいに。あるいは大物ミュージシャンのライブでかつての決意を思い出させるように演奏される彼らの初期の曲みたいに。

    このギリシャ文字シリーズになってから推理物というにはちょっと事後の説明をしなくなってきて、最初の数冊を読んだ後は離れていた。動機の説明なんて後付に過ぎない、という結論に同感はできるけれどやっぱり読み物としてカタルシスはほしい。
    目に付いたので久しぶりに読んでみました。

    とある高原にある宗教施設でラッピングされた死体が見つかる。
    その施設は芸術家たちが暮らす小さな村でもあり一般公開されたキャンプ場も併設している。たまたまそこを訪れていたいつものメンバー(このシリーズでは加部谷恵美、他)とたまたまそこを訪れていた昔馴染みの探偵は事件を観察する機会を得る。綺麗にラッピングされた死体と、閉鎖的な立地、そして真賀田博士そっくりの人形を作っていた行方不明のアーティスト。

    だれかがすぱっと謎を解明する話ではありません。
    事件は自壊するように緩やかに解決して、カタルシスなんてものはない。でも現実的。特殊な環境、特殊な登場人物たちが用意されていたとしても現実から乖離しない話を書こうとしているんだと思う。自分は好きです。
    あと、よくこういう緑の多い美しい舞台を書かれている気がするのですが、その描写が綺麗で気持ち良いです。

  • 文庫待ちきれずにノベルスで。どんどんいろんなシリーズがリンクしてきてクライマックスの様相。紅子さんが歳をとってる様があまり想像着かないんだけど・・・水野の謎はまだ保留といったかんじかな?次回作への期待をこめて★は4つ。

  • 久し振りのGシリーズ。登場人物の紹介ページに「事件の関係者」の後に「いつもの人々」とあって、何となく可笑しい。
    前作から結構時間が経過している。殺人事件が起こるが、どこか切迫感が無いのはGシリーズらしい。宗教がらみと暗示させるが、具体的な何かがあるわけでもない。何故か、真賀田四季との関連が暗示されるシリーズだが、本作はチョッと顔を出す。そして萌絵の叔母、佐々木睦子と義母、瀬在丸紅子までもが登場。犀川先生が登場しないのは、クライマックスに向けての助走段階なのか。
    他の方達のレビューを読むと、水野の正体を薄々わかってらしゃるよう。僕は今一つ、確信が持てない。

    本作一作だけで評価をしてもしょうがないし、する気も無い。ゆっくり待つしかない。つまり、そういうこと。

  • S&Mを読み始めてから一年半くらいで追いついてしまった。あと完結まで何年かかるやら…

  • シリーズの新刊を読むのは本当に久しぶり。
    そしてシリーズを読んでいて最近は少なかった
    喜びを感じることができた。
    ついに「あの人」に絡むことがより具体的に出てきて、
    読んでいてワクワクとニヤニヤが止まらない。
    さらに一体誰だろう? と気になっていた赤柳探偵の
    その後の姿も描かれていて、噂になっているあの人なのか?
    ととにかくニヤニヤ。

    著者自身はどの本から読んでくれてもと言ってる
    ようだけど、作品単体として見た場合、この作品内の
    ミステリはやはり解かれない、謎が残る。
    ミステリ小説として読んだ場合は不親切ではあるかと。
    それがGシリーズなのかもしれないが…。
    しかしS&M、V、四季、G、Xとシリーズをずっと読んでる
    ファンからすると、特に最近のGとVの停滞感を考えると、
    この「ジグβ」は大変嬉しい作品だったなと。
    過去作を読み返したくなるし、
    百年シリーズとどう繋がるのかと興味津々。

    棺の中の人形など、モチーフとしても好きなものでニヤリ。

  • なにから書けば良いのか。
    森ミスが好きすぎて好きすぎて、Gシリーズ新刊を4年待ってましたよ!

    C大3人組、萌絵ちゃん、そして紅子さんにまた会えるなんてね!
    紅子さんの、赤柳に対する素敵な返答がヨダレもの。惚れる。

  • 随分待たされて続編が出たGシリーズ。S&M、V、G、X(ついでに100年も)と脈々と繋がるシリーズの最新作としては、ちょっぴり物足りない。もっとも興味を引かれたのは「赤柳の正体」という一点。

    稲沢かなぁ・・・

    でもシコさんも捨てきれない。


    森川素直と、森川須磨の関係も、どこかの時点で出してほしい。そして海月は一体??

    結局、キャラ読みしてるだけかも(笑)

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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