憑き物 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061828766

作品紹介・あらすじ

植物写真家・猫田夏海が訪れた岩手県の寒村に住む滝上家は
代々“イヅナサマ”を操り託宣を下す霊能力を持つという。
満月の山中、夏美は滝上家の一人娘・沙姫の憑依現象を目撃する。
その翌日、祈祷堂での刺殺死体が奇妙な書き置きとともに発見された!
生物に知悉した先輩ライターの鳶山が調査に乗り出すが……。
二人が出会う、様々な憑依の不思議を<観察者>の論理が斬る!
鬼才・鳥飼否宇が描く、本格「憑き物」ミステリ!!
(――「幽き声」他三編を収録)

感想・レビュー・書評

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  • 観察者(ウォッチャー)シリーズらしい。
    3冊目?
    植物写真家の猫田さんと観察者、鳶山さんが岩手の寒村で、鳥取の山村で、奄美大島の村で事件に遭遇する。
    猫田さんが巻き込まれ、鳶山さんが謎を解く。
    過疎化した山村の薄暗い森の中、廃墟というロケーションに心を躍らせ、イズナサマやユタの神儀にドキドキ。
    なのだけど、なんだろ。イマイチ盛り上がりに欠ける。暴かれた真相が後味のよくないっていうのもあるのかな。
    うーん。もっと面白くできたんじゃ?という気持ちが拭えない。
    共感できる登場人物が不在なのかな。この世界に入りこめなかった。
    それこそ鵺を相手にしているよう。

  • 植物写真家・猫田夏海が訪れた岩手県の寒村に住む滝上家は
    代々“イヅナサマ”を操り託宣を下す霊能力を持つという。
    満月の山中、夏美は滝上家の一人娘・沙姫の憑依現象を目撃する。
    その翌日、祈祷堂での刺殺死体が奇妙な書き置きとともに発見された!
    生物に知悉した先輩ライターの鳶山が調査に乗り出すが……。
    二人が出会う、様々な憑依の不思議を<観察者>の論理が斬る!
    鬼才・鳥飼否宇が描く、本格「憑き物」ミステリ!!
    (――「幽き声」他三編を収録)

  • (収録作品)幽き声/呻き淵/冥き森/憑き物

  • 出版直後に本屋で見かけたのに前作の『物の怪』と勘違いして「うん、これは読んだ」とスルーしてしまっていた。

    妖怪というものを、理解不能な現象を体験した者に、とりあえずの説明として納得させ不安を取り除くための装置と考えると、真相がこれだけエグいのも頷ける。

  • 観察者鳶山&自然写真家猫田シリーズ、短篇集。
    来春に新作発刊との鳥飼氏の発言が嬉しくて読み返す。
    狭い集落の民族宗教などは「今どき・・・」と思えなくもないですが、怪奇ともとれる現象と鳶山氏の自然科学視点からの説明は楽しく胸のすく思いで読めました。

  • 著者の本を読むこと自体が初めてだったのですが、楽しめました。最後に収録されてる短編で、沙姫が事件の真相を打ち明け、それに猫田が反応して手を上げるシーンがありますが、あそこだけ違和感。
    猫田の心の動きが「これ、書いてるの、男性かな。男性視点っぽいな」と。女性小説家なら、もう少し違った対応で、沙姫に対する心情も違うのではないかと思ったのでした。

  • 自然写真家と底意地の悪い『観察者』の巻き込まれる、基本的に後味の悪い事件を描いた短編。
    一話の中で観察者が怪我したときに、あの怪我だとあの心配あるよなー、と思ったら、最終話の最初で本当にそうなっててちょっと笑ってしまった。
    前作も後味悪かったですが、短編でも同じく後味悪くできるとか凄いと思います。

  • 「幽き声」(カソケキコエ)(メフィスト2012、vol.2)
    「呻き淵」(ウメキブチ)(メフィスト2012、vol.3)
    「冥き森」(クラキモリ)(メフィスト2013、vol.1)
    「憑き物」(ツキモノ)(書き下ろし)

  • 前作「物の怪」のテーマが"妖怪”ならば、こちらもタイトル通り"憑きもの"がメインテーマ。となればサイコ・ホラー的な色合いが濃くなるのかと予想はしていたが、犯罪の動機が人間の私利私欲や隠蔽された罪、妄執が絡んでくるところは、むしろ正調ミステリに近くなったような気も。

    前作にも増して"観察者(ウォッチャー)"鳶山が探偵役となって、事件につながる陰惨な過去を暴き立ててしまう、それも前作より積極的に首を突っ込んでいるような。
    もちろん真相解明のために必要ではあるだろうし、彼なりの倫理観を持ってやっていることではあるだろうが、そこまでやっていいものかしらと思わないでもない……。名探偵というものはえてしてそういう―KYというか非情というかところはあるのものなのだろうけれど。


    詳細はこちらに。
    http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2013-08-30

  • シリーズ未読。蘊蓄ものは好きなのでそこそこ楽しめたが、はまるまでにはいたらなかった。短編だからなのか、はしょっているのかぎゅっと詰めているのかわからない感じが何だか微妙で、自分の中でしっくりこない。このへんは好みの問題だと思うので、シリーズ長編を読めばまた印象は変わるかもしれないが…ジャンルとしては好きだがストライクゾーンはわずかにはずしている、というにおいがして、シリーズに手を出すのがためらわれる。

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著者プロフィール

1960年福岡県生まれ。九州大学理学部卒業。2001年『中空』で第21回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しデビュー。主な著作に「観察者」シリーズ、「綾鹿市」シリーズなど。碇卯人名義でテレビドラマ「相棒」シリーズのノベライズも執筆。2016年『死と砂時計』で第16回本格ミステリ大賞【小説部門】を受賞。

「2021年 『指切りパズル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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