キウイγは時計仕掛け (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1160
感想 : 171
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061828988

作品紹介・あらすじ

建築学会のため伊豆の大学を訪れた加部谷恵美たちは、宿泊先近くで西之園萌絵と再会した。一方、加部谷と共同発表する山吹は、国枝桃子と伊豆へ向かっていた。学会の会場となる大学には、不気味な宅配便が届いた。その中には、キウイフルーツに缶ジュースなどのプルトップが突き刺されたものが入っていた……。犀川先生も登場するGシリーズ第9弾。

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらず難解なこのシリーズ。
    でもこの頃、ちょっと変わってきたような。終盤なのかな。
    今回は箱根の日本建築学会でメンバが再会。
    なんと犀川先生も!

    建築学会にプルトップを差し込んだキウイが届く。その夜、学長が射殺された。キウイにはγの刻印。

    あー、海月くんが何者なのかモゾモゾしてしまう。
    もしや彼の兄弟?とか、知らない間に息子が作られてた?とか妄想が広がる。
    そして加賀谷の微妙な恋愛事情。
    ミステリより、そこが気になって読んでいるシリーズ。そこもミステリか。

    「誰かが死んでも、誰かがそれを補って、すべてが回っていくのだな」「そのために人間が大勢いて、それこそが集団の力、人間の力なのではないか」

    「真実は、推論の中から生まれるんじゃない。現実の観察から明かされるものだ」

    「真実には、辿り着けないかもしれませんよね」「そもそも近づいたかが、わからないよ」「でも、そうやって、近づいたかなって信じられるものが、真実という言葉の意味じゃない?」

    「昔はさ、写真が証拠だった。写真に写っていれば、それは真実だったわけ」

  • 読んでなかったので久しぶりにこのシリーズに復帰。犀川、萌絵にいつもの面々で懐かしかった。事件のストーリーより、そっちの会話や関係を読んだ感じ。

  • Gシリーズ、9作目。

    前作から約1年後。今回も事件に対して一応の解答は描かれているものの、真実はそうなのか、そうでないのか、、、モヤッとした形で終わる。キウイとγの関係もいまいち謎のまま。四季との繋がりもあるのかないのか、シリーズ最後にはちゃんと説明がなされるのか、、、、ちょっと心配になってきた(苦笑)
    しかしながら、今回は萌絵だけじゃなく、犀川先生もしっかり登場していて、キャラ読みとしてはやはり楽しくて読んでしまう。シリーズ前半とはそれぞれの立場も環境も変わり、彼らの中での関係も変わってしまったところもあれば、変わっていないところもあって、抗うことのできない時の流れに、読みながら何度も感傷的になってしまった。ミステリとしては正直どうかと思うところのあるGシリーズではあるが、雰囲気は好きかも。

  • 犀川と萌絵が熟年夫婦みたいになってた。シリーズ9作目にして未だに前振り読ませられている感が強いこのGシリーズ。それだけに時間の経過と登場人物の変化が実 感できる。犀川も萌絵ももうあまり真賀田四季に興味ないみたいだが、彼女が絡むと何が起こっても、まあ真賀田四季だし•••で終わってしまうから無理もないかなっ て気もする。手作りコーヒーカップをプレゼントしようとする加部谷が可愛い。でもやめておけ。

  • 近付いたと思ったら離されている。
    四季について、
    作品で描かれる恋愛についても、
    読者が知りたい二人の関係も。

    そして彼女は誰も追いつけない場所にいる、
    本当にいるのかも分からないし、
    それはもはや問題では無いのかもしれない。

    もはやミステリー部分がおまけで、登場人物のその後がメインになっている雰囲気。

    このシリーズだけではないが著者の作品は一貫して、一般的な真実とはいかに不完全なものであるかを再認識させられる。
    真実とは自分が信じたい仮説に過ぎず、動機なんか他人が知りうることは不可能である。

    今後、どうやって近付いていくのか、
    どこに辿り着いて結末を迎えるのか。
    待ち遠しいが、終わりが来るのはとても寂しい。

    そして犀川先生が煙草をやめるとは。。。
    これが本書の1番の衝撃ポイント。

  • もーすっかりもえちゃん落ち着いちゃって...つまらんわ。

  • Gシリーズ。もはや推理小説としての楽しみ方というよりはキャラ小説として読んでいる節があるのでミステリとしては評価が難しいですけど。
    犀川せんせいと萌絵ちゃんのその後が見られるだけで嬉しい。もやっとした真賀田四季の存在がある限りこのシリーズは終わらないのだろうなと思えるのもまったり楽しめるゆえんかな。

  • もうちょっとボリュームやぎゅう とした感があってもいいかな。
    中盤(3章の雨宮が西之園と犀川にもう一つ質問 のあたり)にぐいっと読む気力をくすぐられるのだか、読み終わった時にはなんとなしに納得いかない?気がする。まぁ、スッキリするためにある本ではないしな。毎回そんなことを思うのだ。そして、その思いをすることに中毒性がある。森博嗣の本は久々に読むと「もうちょっと読みたい」っていつも思う。

  • 滅多にしゃべらない海月くんの加部谷への「かわってないな」の一言がとてもジーーーーンときた。早く海月くんの正体というか立場というか知りたい。勝手にに色々想像しすぎてちょっと疲れ気味。色んな想像がシャボン玉のように次々とあらわれては、パチンッと消えて行く(笑)

  • みんな大人になったなぁ。
    事件と一定の距離を保てるようになったくらいに。
    事件より学会。実際そうなんだろう。

    いつもどおり(?)謎は謎のまま終わるんだけど、
    もう少しでシリーズ終わりだし、いろいろ勘ぐっちゃう。
    これは真賀田四季につながっているのかなとか。
    海月くんは誰かの関係者なんだろうか…。

    今作で一番驚いたのは何と言っても犀川先生の禁煙!!でしょう。
    衝撃的。


    それにしてもこのGシリーズのタイトルは面白い。
    素敵なタイトルを考えつくなぁ。


    (図書館)

    • QAZさん
      同じく、みんな大人になったな~、というのがまず最初の感想でした。(笑)
      同じく、みんな大人になったな~、というのがまず最初の感想でした。(笑)
      2013/12/08
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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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