二重らせん (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061837157

感想・レビュー・書評

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  • 遺伝学の教科書にあったDNAの構造がいかにして発見されたか、どのような悩みを抱え、解決したか、その過程を追体験できたのが楽しかった。

  • いまさら文系とか理系とか分けていること自体、すでに古いのかも知れないが、今年はもうちょっと理系の領域に寄ってみようと読んだ、誓いの一冊。DNA構造の解明へ至るドキュメント。いまひとつ楽しめなかったのは、こちらの力不足であろう。ライバルであったロージィ(ロザリンド・フランクリン=表記は本に従った)の書かれ方がやや不憫。

  • DNAの構造が二重らせんであることは,今や広く知られているところであるが,これはその発見にいたる熱が記録されている本だ.科学的な思考プロセスなどにはほとんど触れられず,それに至る日常が描写される.研究者同士の人間関係や解きたい問題がとけないもどかしさ,解が見えかけたときの焦りなどが差し迫って伝わってくる.勢い学術界も生活も同じ土俵にあって,読み手はときに困惑するが,これも天才の一端を示しているのだろう.

  • まさに新しいモノの見方を成立させようとする人間のあらゆる野心を率直に描き出した作品。
    共感できるようでいて、何処か居心地の悪さを感じずにはいられない。
    一番闘っているのはロージー、新しい地平を切り拓く先駆者の厳しさは並大抵のことではないことが徐々に解ってくるところがこの作品の裏テーマ。またそれを素直に認めているワトソンという人は詰まるところ良い人なんだろう。

  • 発見者ワトソンによる研究の舞台裏。ロージィのこと,思ったよりひどく書いてなくて少しほっとした。ちょっと無理してフォローしてるような感じはあったけど。

  • 1953年に二人がDNAの二重らせん構造を発見したとき、クリックは37歳、著者のワトソンに至ってはなんと25歳。この年齢を考えれば、本書のどこか鼻につく、嫉妬と顕示欲をむき出しにしたような青臭さも致し方ないと思える。興味深いのは後半の、二重らせん発見後の展開。それまでは互いに出し抜こうと画策し、いがみ合っていたはずの彼らが急速に和解し、一つの科学的真理を目指す仲間として議論を進めていく。奇人変人…というか常識不良者たちの集まりである科学者たちも、真理の前では誠実であるという心暖まるエピソード。

  • 以前「DNA」を読んだのが、ジェームズ・ワトソン博士との出会いで、それ以降、遺伝子の世界に引き込まれていった。

    とても若くしてノーベル賞を受賞し、この二重らせんは様々な物議をかもした。ロザリンド・フランクリンとモーリス・ウィルキンシスとの確執が取りざたされ、ウィルキンスは、困った立場に追い込まれることとなった。

    このようなDNAの世界のごたごたは、ベンターやウィルキンスなどの著書の中でも大きな部分を割かれている。

    遺伝学は、少し前、最先端の科学であり、知的好奇心とステータスと金銭のすべてが報われる、夢の世界であった。それにも関わらず、実際にはどろどろした人間関係の渦巻く「純粋な学者」のイメージからはかけはなれたものであったことは、衝撃的であった。

    そういう内輪話を無邪気に(?)ぶちまけてしまったのがこの二重らせんという本だ。

    だから、一度読んでみたいと思っていたのだが、実際に読んでみると、内容はDNAとほぼ同じであり、文章や内容の稚拙さが目に付いた。知的好奇心を満たしてくれるものでなかったことも失望したひとつである。しかし、とりあえず、様々な本に描かれた原点となる本を読めたことには満足している。

  • ■書名

    書名:二重らせん
    著者:ジェームス・D・ワトソン

    ■概要

    医学の大発見である、二重らせん。その発見までを自伝
    形式で記載してある一冊

    ■感想

    読むのに疲れた一冊です。なので、あまり頭に入って
    いない一冊でもあります・・・

    やはり、興味が無いものを読む時に、何かポイントを見
    つけないと、読むのが苦痛な読書となってしまいますね。

    今回は、内容には興味があったのですが、いかんせん、
    文体が合わなかったようです。

    内容的には、医学的な非常に重要な発見までが記載されて
    いますので、興味があれば面白く読めると思います。
    (私みたいに、文体が合わないということが無ければです
    が・・・)

    読むときの注意点として、登場人物が覚えにくく、多いので
    読むのであれば一気に読んでしまう事をお勧めします。

    ■気になった点

    ・特になし

  •  DNAの構造を解明した一人であるワトソンが、その解明までの筋道をたどった本である。ノーベル賞受賞者張本人が書いているところから、さも自慢げに書いているのかと思いきや、全く違う。この本に書いてあるワトソン・クリックは、本当に1人間である。理論を考えては、他の人に欠点を指摘され、振り出しに戻る。その繰り返しでしかない。時には、他の研究所の進捗に焦り、時には、バーでビールを飲みながら愚痴ったり。
     ノーベル賞受賞者だろうが、一人間であることをはっきりと知ることができる本であった。

  • むしろ課題図書。先輩から貰い次いでいるのでカバーがボロボロだったりします。
    まぁ、そんなもの。

ジェームス・D・ワトソンの作品

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