北斎殺人事件 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.68
  • (15)
  • (48)
  • (51)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 314
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061847156

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 北斎隠密説の説得力、考証が緻密で素晴らしい。元々資料が少ないらしいので、どうとでも書けると言えばそれまでかもしれ無いが、門外漢の私には、間違いない仮説のように思える。学会はどう評価しているのだろうか。一小説家の戯言と捉えているのかな。資料絶対主義からいけば黙殺しているんだろうな。

    肝心のミステリーの部分も悪くはないのだが、この作品に限っては、余計な物にも思える。歴史ミステリーとして、隠密説だけを追う展開にしてもよかったのでは。

  • 浮世絵シリーズ第二弾。本作も歴史の謎を追う学術的な部分とミステリが半々といった構成。ミステリの部分は普通に面白いといった感じだが、北斎隠密説に虜にされた。今回の舞台、長野・小布施。本作は数十年前の作品なので隠密説ではない学術的な理由が判明しているはずだが、作者が書く学説が実に魅力的で、これを読むとそうとしか思えない。高橋先生らしいロジックの組み立てにファンとしては非常に満足だった。

    実際にこの本を読んだ後、小布施に訪問してみた。作中に昔の街並みが残っていて風情があるのに何故人気が出ないのかしらといった描写があるが、現在は街おこしを頑張ったのか、観光地化されており、沢山の観光客がいた。それでいて古い街並みは残っており、もちろん高井鴻山記念館も北斎館も残っており、1日では足りない観光名所だった。

    本作は時代がかなり違う(例えば長野まで東京から特急で半日かけていく、鰻はステーキよりはるかに安いなど)が、それでもすんなりと入り込め読めるのは名作たる所以かと思う。紙の文庫が絶版状態なので是非再版してほしい。

  • 今回は葛飾北斎が実は隠密だったのでは、という謎に迫る物語。
    研究の過程で発生する事件はひとつのエッセンスに過ぎず、作品の本質は膨大な調査に基づいていると思われる北斎の謎。
    単なる小説とは思えない奥深さに感銘を受けました。
    いつか小布施に行ってみたいな。

  • NO.1400

  • 2014/01/25購入
    2014/02/15読み始め
    2014/02/18読了

  • 浮世絵シリーズ三部作、2作目。今作では葛飾北斎がテーマ。

    前作は写楽別人説を元に写楽は一体何者だったのかを追究するものだったが、今回は北斎が実は幕府の隠密(=スパイ)だったという説を追究する。正直、隠密という陰謀めいたキーワードからして、前作よりもこちらのほうが断然興味が湧き、面白かった。現代の方の贋作トリックも面白く読めた。
    前作に続き、元研究員の津田が登場。探偵役としては今作から登場する塔馬双太郎の方が役割が大きいか。

  • 北斎は魅力的な人物。ここでは隠密にしてあるけど、どうかな? 
    小布施には行った。江戸から離れて、あんなところに独りで....。天才北斎がこんなところに住んでいたって思って、感動した。

  • お見事。

  • 写楽殺人事件から続く高橋克彦の浮世絵シリーズだが、この北斎が一番好き。
    これを読んでからずっと北斎は隠密だったと私は信じているのだ。

著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。早稲田大学卒業。83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞する。他の著書に『炎立つ』(全5巻)、『天を衝く』(全3巻)などがある。

「2009年 『To Tempt Heaven』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高橋克彦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×