日本鉄道物語 (講談社文庫 は 38-2)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061853522

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  • #883「日本鉄道物語」
     国産鉄道車両の父・島安次郎と、その息子島秀雄。この技術者親子の業績を辿りますと、そのまま日本鉄道史とかなりの部分で重なると言ひます。凄い親子であります。
     特に著者は、安次郎が目指しながら果たせなかつた国際標準軌化(本書では「広軌化」と記述)に焦点を当ててゐます。後藤新平の変節(または政治力の不足)が惜しまれます。原敬らの「建主改従」政策は、結局膨大な赤字路線を全国に蔓延させたと申せませう。鉄道はその創成期から、政治の道具として扱はれてゐた事が分かります。JR海が政府の容喙を嫌ひ、リニアを総て自社で建設すると宣言したのも理解できます。
     逆に言ふと、狭軌のまま世界水準に引き上げた技術陣は、やはり流石といふべきでせう。

  • 古本にて100円。新幹線の産みの親と言われる島秀雄、その父安次郎。日本の鉄道創成期を支えた親子の物語に原敬、桂太郎、後藤新平と言った「維新第二世代」の政治家が絡む。後藤新平がもう少し政治家であれば、建主改従政策ではなく広軌への改軌が大正〜昭和初期に為されて、赤字ローカル線がひかれていなければ、日本の鉄道の姿は、日本の姿はどう変わっていたか。

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