頼子のために (講談社文庫)

著者 : 法月綸太郎

• 講談社 (1993年5月6日発売)

感想・レビュー・書評

[yaziemさんの感想 · 2011年1月22日]

それぞれの愛の違いが悲しく怖い。
最後のシーンで印象が変わった。

[うろぐぐさんの感想 · 2010年10月3日]

初の法月作品、読み終え速攻インプレ。最初の手記に始まり、構成、内容その他楽しく読むことが出来た。ただ一点、猫の事を知らなさ過ぎる。猫はああいう行動はとらない。一連の猫の描写は無しでも成立させられた物語だけにそこが残念。ああ、それともうひとつ。看護師のくだりも必要性を感じなかった。終わらせ方が好みだっただけに、もう少し贅肉を削ぎ落としてくれると良かったな。

[りかこんぐさんの感想 · 2010年7月28日]

解説で本格派とハードボイルドについての記述があるが、私の好みとしてはミステリーの質（論理性）と小説の力はどちらが大きくても構わない。法月綸太郎は同名推理作家シリーズの第一作を昔読んだが、文章の流れがなだらかでありつつ少しも疑問をさしはさむことが無い見事な論理運びがすごく印象に残っていて、同じものを今回も感じた。

[くろだんでぃさんの感想 · 2010年4月2日]

この著者は、トリック自体というよりは、トリックの背景にある人物や出来事の描写が非常にうまい。
それ故に、物語の序盤から最後まで感情移入をして読むことができる。
ただ、筆者と同名の探偵役は少し余計な気はする。

[morukunさんの感想 · 2010年3月15日]

最後ゾクッときたな。

[ニャ～さんの感想 · 2010年3月7日]

怖い怖い。人が信じられなくなりそう。

[yanaiさんの感想 · 2010年2月17日]

ロジカルな推理小説かと思いきや、もちろんそれは
当たっていたけど"動機"という感情面での仕掛けに
騙されてしまった不思議なミステリ。

犯人の心理が二重三重にくるみ込まれ、その１枚１枚を
じっくり調査というプロセスを経て剥がしていく様に興奮。

オチには裏幕の姿も見え隠れして
結果見えてくるのは「親子愛」の予想を
大きく裏切る酷くゆがんだ愛情でした。

そんなダークさと探偵役・法月が事件を追う
ハードボイルド調の展開がスリリングで
どの要素を取り上げても平均以上、の
うまい具合にまとまった一冊でした。

[二郎さんの感想 · 2010年1月24日]

目に見えるものだけがすべてではない。

[めえこさんの感想 · 2009年12月16日]

愛娘を殺された父親は、通り魔事件として決着をつけようとした警察に不信感を抱き、自ら犯人を探し出して殺害した後自ら死を選ぶ、という手記を残す。手記を読んだ名探偵法月綸太郎は真相の解明に乗り出すが…


法月作品はやっぱり先が読めません。今回は題名そのものにミスリードされてしまいました。後味は悪い。真相の解明からラストにかけての展開は、あまりに冷酷で無慈悲。それにしても、構成はテレビサスペンス（特に警察系）とあまり変わらないのに、何でこんなに面白いんだろ＾＾

[restoさんの感想 · 2009年12月15日]

この話自体は面白かった記憶があるが、
この後ずっと後悔し続けてる法月がウザイ。

著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい！　2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」