- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061854017
感想・レビュー・書評
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2015.4/3〜9。初めての法月綸太郎。タイトルの意味も含め最後は鳥肌が。
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最後の鬱展開がこの作品を名作足らしめている。こんなにも胸糞が悪くて、こんなにも心揺さぶられる作品もなかなかないと思う。
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面白かった。作者の宣言通りウィチャリー家(僕はロスマクをこれしか読んでないのだ)を本格でやっている感じ。しかし「ボーイズ・ビー・シド・ヴィシャス」というのはどうなのだろうか……?
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〜のために
というタイトルどおり、動機と感情に焦点が当てられた作品。手記の行間を読み解くミステリー。
さいごのこの手のオチは、そう言ってしまえばなんでもそうできるじゃん、と思うので、個人的に好きじゃない。
でも少し前の作品とは思えない読み応えでした。 -
そこそこ面白い
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法月シリーズでも指折りの傑作のひとつ。
結末の後味の悪さも天下一品。
語られる「真実」が次から次へと更新されていくので、最後まで真実は分かりません。探偵も読者と共に悩みまくる様がとてもリアルです。 -
最近読んだ中では最も面白かった。
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「新本格」というジャンルが世に出だした頃、法月氏作品も読んでいたはずなのだが、しばらく読んでいなかったせいか、本作のことを忘れていました。
某SNSのミステリ小説のコミュニティーにて、私が「号泣できるミステリは?」とお題をだしたところ、たくさんのミステリファンが回答してくれました。
とても多かったのが本作である「頼子のために」だったのです。それで再読した次第。
はっきり言いまして、私は泣けませんでした。
逆に怒涛のどんでん返しに嫌悪感を抱くほどでした。
本書は通り魔事件の被害者のように死んでいった17歳の少女を中心に、愛情深い父親が復讐を果たしたという内容の手記から始まります。
でも、その手記の矛盾点を名探偵法月綸太郎がつついていき真相が浮き彫りになってくるわけなのですが、結末が惨すぎます。
17歳の少女の生きていた意味ってなんなんだろう?
歪んだ家族愛は彼女にとって地獄な日々だったに違いありません。
大人のエゴにより子供たちの世界はどうにでも歪められる、と思うと本当に人生が怖くなります。
たぶん私は親世代として本作を読んだから、上記のような感想になったのだと思いますけどね。
ちょっと気持ち的に落ち込んだ作品でした。 -
何かがおかしい。動機、真相、先が読めたとしても全てが面白かったはずなのに、何かがこれを傑作足らしめるのを邪魔している。もしかしたら、それは解説で池上冬樹が書いたように浅薄な探偵法月綸太郎が原因なのかもしれない。確かに、僕も探偵法月綸太郎は好きではない。彼の名を冠した短編集、法月綸太郎の冒険も読んだが全く覚えていない。確かに、彼のハードボイルドを読んでみたいと思う。この一作の作風で言えば、もはや名探偵はマクガフィンでしかなく、ミステリという趣味的世界観の中でこの物語を再現するための舞台装置でしかない。