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みんなの感想・レビュー・書評
この作者の文体の特徴なのだと思うが、全ての作品に、ある種の共通した基調を感じる。
人生の背景のような不幸の中で静かにもがきながら淡々と生きている主人公が触れる、人と人の繋がりが垣間見せるささやかな幸せの美しさ。
「残塁」のみは他の作品と少し異なり、軽いわだかまりが残るラストだが、それもまた人生の妙味を感じさせる。
この小説の美しさを味わうには、作品の登場人物たちと同じ年代になってから読むのが良いと思う。
あとがきに久世光彦氏が「不良の文学、または作家の死」というタイトルで寄せている。その中で松井邦雄氏を「知識や経験を身につけ、感じることに時間がかかった分、それを表現する時間を失ったのである」と評していた。人間の寿命にも触れているのだが、表現者の時間配分の難しさを感じた。
女房の壮絶な死をあたたかく、気持ちをこめて書いている。
惚れてたことが行間に滲みでて、正直でよく分かる。
こんなにも流行作家なのに私はこの作品が初めての出会いだ。
なめらかな美しい文章だ。収められている他の短編も読みやすいが、
「乳房」には何と言っても病気の妻を全身全霊で支える感動があった。
夏目雅子さんの美しい容姿が浮かんできて、涙がでそうにさえなった。
第12回吉川英治文学新人賞。表題作は女優の妻の病室に立つ男の想いを描く傑作。やはり夏目雅子sanがモデルだったのでしょうか。他に「くらげ」「残塁」「桃の宵橋」「クレープ」。高校生に成長した娘との再会を描いた「クレープ」が気に入りました☆
伊集院静は、何となく敬遠していた。必要最低限の言葉で、上手に話を進め、上手に終わっている。
人気もの理由も、わかる気がした。
以前に読んだことあるような気がする物語が2、3。
そんな遠くない話だと思うけど・・・
ここには記録なし。
うーん。
震災に対するコメントを読み、
久しぶりに手に取ってみた。
彼なりの生命への捉え方がある。
人生は過去・現在の二元論では成立せず、一つの人間の中で交錯し、混ざり合いながら存在しているのかなあ、と思わせる短編集。
新幹線の車内誌で読んで、美しい文学を書く伊集院静という作家が気になって、手に取ってみた一冊。表題の『乳房』、美しい文体・描写にとても惹かれた。描写の言葉に過剰感なく、適度な間引き感が素晴らしい。
短編集 読みやすかった
全体的に切ない話
何を暗に示しているのか分からないところがあった
残塁とか…
まだまだ読み足りてないということなんだろうな
どの短編が特に好きっていうのはない
大人の世界って奥が深い
スポーツ(特に野球)に造詣の深い小説家、伊集院静の短編集。
野球にまつわる話が数作含まれていたため読んでみた。
タイトル作「乳房」をはじめとし、「日常の中での心の細やかな動き」を活き活きと描き出している。
ほんのりしたい方にオススメ。
星2つなのは、個人的にちょっとインパクトに欠ける気がしたから。
表題作でもある『乳房』はとても切なかった。
作者の妻であった故・夏目雅子さんがモデルだろうか。
すでに半年もの間、癌の入院闘病している妻に付添う夫。
病気を悟られまいと妻に気を使う夫と、
男の身体的生理を心配する妻の心理が、
ただ淡々と流れていく時間の中で浮き彫りにされている。
静かでいて力強い綺麗な文章だ。
世の中にこんなにも美しい文体があるのかと驚嘆した一冊。
何年経っても、常に手元に残しておきたい作品。
表題作「乳房」を含む短編集。吉川英治文学新人賞受賞作。
自分は「くらげ」が特にお気に入り。水面の情景が脳裏に浮かびあがり、なんとも言えぬ余韻が残ります。
部屋でひとり、静かに読んで欲しい。
何年か前に読んで、印象の良かった一冊。
再度読んでやはり嘆息した。
月明かりがあかあかと見える。
何も聞こえないけれど、無音でもない。
静寂の中の二人が、息をのむほどに切ない。
幸せそうな、悲しそうな。描かれていないその筆の先の瞳が目に浮かぶ。
『クレープ』が好きです。なんだか娘のために頑張っちゃう父の姿がいい。他にも『くらげ』という作品も面白かったです。
「くらげ」「乳房」「残塁」「桃の宵橋」「クレープ」の5つからなる短編集。 くらげ 大学時代の友人が行方不明になりその妹と主人公が彼がいない虚無感を感じながら人生を送る話。 乳房 闘病中の妻を看病する夫の話。妻の夫に対する愛情がは病が重くなる度に深くなっていき、その度に夫は口惜しさと不公平さに涙する。1991年に第12回吉川英治文学新人賞受賞。1993年に映画化される。 残塁 大... 続きを読む »
自分が愛されてるってこを実感することが大切。
ただ、あまり好きにはなれなかった。
それは<愛>に支えられてることに背を向けて生きる主人公が嫌いだから。
初期伊集院静の自伝的短編集。表題作「乳房」は二人目の妻だった夏目雅子のことを題材とした短編で、闘病生活を送る妻と女好きな夫のストーリーとなっている。第12回吉川英治文学新人賞 。







